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【十六話】王子様の動きが止まりました

五十パーセントは多すぎ?


 男女間での友情を認めないという程、頭の硬そうなタイプには見えない。

 私達の関係が親友未満だったのも確か。

 直接聞いちゃう?

 その方が、人の心の在り方を誤解しなくて済むし。



「ルーファス様は、私が友情を感じている事が不服ですか?」

「大変不服ですよね」



 大変不服なのですか(笑)



「理由を聞いても良いですか?」

「婚約者同士の間にあるものに、友情は適切ではないと考えます」



 まだ婚約して十四日ですしー。

 私に至っては、目が覚めて数時間ですしー。

 婚約と聞いても?

 ??という所で。



「じゃあルーファス様は、何が適切だと考えますか?」



 逆に質問してみる。

ちなみにルーファス様が成分分けの例として上げたのが、 恋心五十パーセント、友情三十パーセント、崇拝二十パーセントだ。


 これを真似したとは言わないまでも、参考にはさせて頂いた。

 崇拝却下で、友情アップ。

 恋心の扱いが分からなかったが、今後の断罪イベントを考えてスルー。

マズかったか?



「友情は五パーセント以上三十パーセント以下くらいが適当でしょう」



 ほほう。

 そりゃあ、ルーファス様が上げた例通りですね。

 まんまですがね。

という事は答えはこれか。



「友情と恋心の数値を置き換えましょうか?」




 ルーファス様の望む答えを予想して答える。

 正解でしょ? 正解。

 私が思う成分? とは懸け離れてしまっていますが……。

 今の所、敬愛三十二パーセント。

 同種同族意識意識十八パーセント。

 恋心五十パーセント。



「その上で同種同族意識十八パーセントというのを友情に変えますね」



 これで完璧。

 友情は三十パーセント以下だし。

テストだったら百点満点の気分だ。

 褒めて下さい。




「ミシェール」



 名前を呼ばれて、ルーファスを見ると、長い指が私の顎に掛かる。

そのまま上を向かされた。

 ん? これは前世の知識でいう所の顎クイ?


 

「一つ目にやって欲しい事が決まりましたよ?」

「え?」

「あなたが今言った通りの成分分けで、僕の事を見て下さい」



 言った通りの成分分けというと、最後の答えーー



 敬愛三十二パーセント。

 友情十八パーセント。

 そして恋心五十パーセント……ーー。

 という奴ね。



「分かりますか? あなたの心を僕の言った通りに変えるんです。命の恩人である僕があなたにする令です」




 令。

 令とは命ずる事を言う。

 言い付けの事。




「敬愛に関してはあなたから言い出した事なので、問題有りませんね。そして友情も既にある。ならば分かりますね? 足りないのは恋心だ。僕を恋慕う心。それをその身の五十パーセントに満たして下さい」



 令って。

 命の恩人は、随分と上から目線。



 私は顎を掴まれていたので、首肯出来ず、瞼を閉じる事で答えた。

 どうしよう?

 私、本当にこの人に逆らう事が出来くなった。

 まあ、身分的にも端から逆らえないけどね。



 ルーファスという王子様は、容姿を武器にすることを忌避していたけれど、自分のした事、命を助けたことに関してはむしゃぶり尽くす気ですね。

 逞しいです第二王子!



「ミシェール? 震えてるの?」



体が少しだけ震えてしまったのを見咎められる。

 いや…だってさ、この体勢でこの距離で脅し的なさ。

 ええ。本当の事を言います。少し怖いです。




 「大丈夫だよ。可愛がってあげるからね」



 そう言うと、閉じた瞼の上にそっと口づけを落とされた。




 やっぱり、顎クイの次はそれですよね。

 そうでしょう。そうでしょうとも。



 なんというか甘いキスではなく、悪魔契約みたいなキスでした。

 苦くて心も震えています。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

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