【十五話】王子様への成分分けは?
質問が長くなりそうです…。
「尊敬は敬愛に含むのであれば三十パーセントではないですか?」
え?
そこ拘るとこ?
二パーセントくらいどっちに転んでも良くない?
王子様がとても細かい事を言い出しましたよ?
気になるんですね。
ニパーセントの行方が……。
「私的には、ルーファス様への感情は敬愛と尊敬を足して三十二パーセントでなかなかしっくりくる数字なのですが」
ちょっと抵抗を試みてみましたがどうだろう?
むしろ私が細かいのかっ。
「まあ、良いです。残り六十八パーセントを細かくお願いします」
二人共細かいという事か(笑)
同族ヤバイ(笑)
「敬愛って敬い愛する心ですかね?」
ルーファス様がボソボソと言っているので、私はハッキリキッパリと答える。
「親しみを込めて敬う事で、愛じゃないと思います」
「そうですか?」
「正式にはそうですよね」
良く、敬愛する先輩とか言うし。
愛じゃ無いよね?
「ミシェールは僕の何を敬っているのですか?」
「何をと問われれば、ハッキリ答えられます」
なんせ先程覚醒したての感情ですしね。
「人の命を大切に思う所でしょうか?」
何かニュアンスが違う気がするぞ。
どちらかと言うと、私の命を大切に思ってくれた数少ない人。
というカテゴリなので、そんな広義の意味ではない。
「あなた僕のことをなんだと思っているのですか? 聖人君子とでも思っているのですか?」
思ってない。思ってない。思った事もない。
そもそも言葉尻を捕まえて脅迫? 紛いな事をするような人間、聖人君子じゃないでしょう?
敬っている場所が気に入らなかった分けよね?
了解了解。
気難し屋さんですね。
「ごめんなさい。ちょっと言葉を間違えたわ。私の命を助ける為に問答無用で婚約してくれた事に対する、特別な信頼感という感じでしょうか」
「まあまあの返事になりましたね」
何を人の返事を採点してるんですか? 王子様。
潔癖なの? それとも完璧主義?
「それで残りの五十パーセントは友情だと思います」
ここで大きな数字を言いましたよ!
ラスト十八パーセントに一気に進みました。
大詰めです。
「五十パーセントが友情!?」
「………」
予想外の大きな反応。
いやルーファス様、貴方と私の間にある絶対的なものって友情だよね?
間違えていないよね?
「残り十八パーセントは同種同族意識です」
突飛な質問で、最初は戸惑ったがなかなか上手くまとめられたと思う。
私は大満足です。
でも目の前の王子様が不服そうですよね。
どうしたんだろう?
五十パーセントの友情辺りから、止まってる感じだよね。
「やり直して下さい」
「え? そうは言っても、この手の質問は私の感情をダイレクトに聞いているものなので、間違えようがなくないですが?」
「一考しろと言っているのです」
「しろって」
えー。
いきなり命令。
一考も何もこれが今の所の正解な分けで、一考しろとはとどのつまり、王子様の要求する答えを推察しろという事だよね。
この人は、『友情』で動きが止まっていたんだから、まあ普通に考えればそこが気に入らないという事になる。
友情ねー。目茶苦茶シンプルでスタンダードな言葉なので、疑問に思う余地がないのですが。
しかも好意的な単語だし。
なんなのよ。
なんか文句ある?
だって親友じゃなかったわよ?
どちらかというと友人よりだたのクラスメートの方が近いくらいじゃない?
王子様が不服そうなので、ちょっと探ってみますか?
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
ブクマ&評価して頂けると嬉しいです!