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3. 生活パターン



 自分をクリーンで綺麗にして、夕のお仕事を再開させる。


 それなりの人の往来はあるのだが、家路を急ぐ人や仕事中の人も多い。夕食の時間帯になって来るのだから、ゴミ処理を頼みたいような人達も、それなりに忙しくしている事が多い。


 フレッドが町中を巡回するといっても、特に時間が決まっているのでもなく、ただ思いのままに町を歩いている。


 人通りが少ない方向に進路を変えたり、いつも利用してくれるお店などを優先させたりはしているのだが。



 特に飲食店は欠かさずに巡回するようにしている。


 残飯を貰って食べたり、売れ残りのどうしようもない食材なんかを格安で、時には無償で貰ったり、お返しに無償でゴミを処理したりしている。


 お店の側としても有り難い話なので、ここでは普通にWin-Winが成立していた。


 これがフレッドの夕食となり、朝食にもなっている。中には腐りかけの食材なんかもあったりするのだが、フレッドの胃腸は強い。いや。お陰で強くなってしまっているのだが、フレッドは気付いていない。


 むしろ腐りかけが1番美味しいとさえ感じている。実際にそういう味覚であり、それで体調を崩す事もなくなってしまっているのだから誰にも止められないだろう。止める人も居ないのだが。



 ゴミの種類確認後の、料金を先払いで貰うようにしてからは特に大きなトラブルはなく、たまに大口というか、処理数が多いお客が現れたりもして、それなりに稼げるようにはなっていた。


 その殆どを教会に上納する事にはなるのだが。なんの疑問も抱かずに。



 実際に便利なスキルなのだから当然と言えば当然なのだが、如何せん、ゴミはその辺に捨てる物。という認識もない事もないだけに、ゴミ処理に金を払うなんて発想もない輩は多い。


 それでも町で暮らす人達やお店からしてみれば有り難い能力なのだから、フレッドの仕事がなくなる事はないのだろう。文化的な生活を営む人がそれなりに居ればだが。



 ここは魔物がいる世界。


 その中に『スライム』という名前の魔物がいる。物を溶かして吸収してしまう能力を持っている。


 率先して人間を襲って来る事はないのだが、知らずに触れてしまうと軽い火傷をする事になる。当然、ずっと手を入れたりすれば、少しずつ溶けて行ってしまうだろう。


 動きも遅い上に、溶かす時間もそれなりに掛かる為、その前に痛みで気付く事になるのだが。間違った使い方さえしなければ、益虫ならぬ、益魔物となる。


 安全に囲ってやれば、スライムがゴミ処理をしてくれる。そういう仕組みは出来上がっており、どこの家庭でも最低1匹は飼っているのではないだろうか。


 飼うと言っていいのかは微妙だが、トイレの糞尿の処理。それがスライムの1番のエサとなる。その他のゴミ処理も出来ない事もないのだが、溶かすのに時間が掛かり過ぎる為、各家庭ではそういう使い方はされていない。そういう世界なのだ。



 だからこそフレッドのゴミ処理の有用性は計り知れないのだが。町の外で捨てればタダなのだから、それはそれで値段設定が絶妙という事なのだろう。


 1処理、銅貨1枚。単純に100円くらいと思っていいだろう。黒パンが1つ銅貨2枚~。大きさにもよるが、銅貨1枚では何も買えない事もないのだが、態々ゴミ箱を担いで外に捨てに行く事を考えれば安い金額設定だろう。



 物によっては安過ぎると思うのだが、そんなに大きな物をスキルの確認以外で処理した事はなく、誰も知らないのかもしれない。


 まさか、3m×3m×3m(縦×横×高さ)の大きさのゴミを1度に処理できてしまうなんて、誰も簡単には信じられないだろう。自らの目で確認しなければ。


 それはフレッドの側にも問題があるのだが、それが逆に良かったのかもしれない。変に目立つ事もなく、只のゴミ坊主、ゴミ野郎として認識されていた方が。



 処理回数もそうだが、そもそもゴミスキル。いや。ゴミ処理スキル。これは、魔力を必要としないレアスキルに当たるのだ。


 他にも当然魔力を必要としないスキルはあるのだが、これだけ便利に使えるにも関わらず、それなりの魔力を使っていると思われるのに必要としないスキルなど、レアスキルに数えられる程のものなのだが。


 当然誰も気にしてないし、フレッドも気にしていなかった。魔力もかなり多くなってしまっているし、元々そういうものだと思っていたから疑問にすら感じていないのだろう。



 フレッドに関しては、比べる人も、そんな対象も居ないのだから仕方ないのかもしれないが。


 教会には、日記という形で定期的な活動報告をしていたのだが、臭く汚い日記を読む者など居ようはずもなく、ただただフレッドの趣味でもあるスキル等の確認作業は黙認されて行ったのだった。


 実際には最初しか見ていなかったので、黙認というには無理があるのかもしれないが。それはそれで良かったのだろう。フレッドにとっては。



『ゴミ箱設置』にも、任意でサイズを調整できるのだが魔力は無関係。


『ゴミ処理』にも、最大容量だろうとも、最大処理回数まで魔力なしで使えてしまう。それ以降は使えないのだが、ゴミ箱設置とゴミ箱回収は出来てしまう。当然、魔力は必要ない。



 ゴミ処理が出来ないだけで、言ったら簡易アイテムボックスならぬ、簡易ゴミボックスとして、どこか知らない空間にゴミ箱に入れた物を保管しておく事が出来てしまうのだ。


 それを少し前に発見したフレッドは、ゴミ箱設置可能数『5』のうちの1つを、適当なサイズに調整して便利収納として活用させている。


 最大処理容量の3m×3m×3m(縦×横×高さ)でも行けるのだが、結局取り出す時は手作業になるのだから、あまり大き過ぎても扱い難いという理由だけで。


 これも度重なる確認作業で見付けた活用方法なのだが、ゴミ箱に食材を入れて保管しても何も感じない。そんなフレッドだからこそ発見できた活用方法だろう。


 しかも、入っているのはゴミに見えない事もない残飯や売れ残りのどうしようもない食材だ。フレッドのスキルのゴミ箱の中を確認しようとする人など居ないし、そもそも見せる人など居ないのだが。



 更に、フレッドにとっては腐りかけが1番美味しいと感じているのに、保管している物がなかなか腐って行かない事を残念に思っているくらいのだ。


 時間停止機能と言えばいいだろうか。ゴミ箱にそんな能力が必要なのかは分からないが、そういう仕様になっているのだから受け入れるしかない。フレッドは残念に思っているのだが。それを理解し合える人は勿論居ないのだが。



『便利収納保管箱』フレッドにしか出し入れ出来ない専用宝箱仕様のゴミ箱。使いようによっては、これ程便利な能力はない。アイテムボックスのスキルもあるだけに、そんな事はないかもしれないが、時間停止機能はレアスキルに当たる。


 日々のお仕事をゴミ箱1つで処理しているフレッドにしてみれば、あと4つ、便利に使える収納保管箱を持っている事になるのだが。それも現在確認作業中の為、そこまでの発想には至っていない。


 中に入れる物によって効果が変わるのか。お湯は、食材は、ゴミは、変化があるのか。それを確かめている最中だ。



 そもそもこのゴミ箱の中には入れはする。生き物だろうと自分自身だろうと。しかし、ゴミ処理は出来ない。当然と言えば当然なのだろうが、ゴミ箱回収をすると、ゴミ処理対象外の物はその場に残る事になる。


 但し、ゴミ処理をせずにゴミ処理回収をすると、生き物以外の対象物であれば回収できてしまうのだ。まさかこんな使い方まで出来るとは思ってもみなかったが、便利に使えるのも事実。


 生き物以外なら何でも仕舞っておけるし、自分にしかゴミ箱は設置出来ないのだから、フレッド以外に取り出せない。


 1度に食べきれない程の残飯を貰ってしまった時には焦ってしまったが、この便利収納保管箱のお陰で、少しずつフレッドのみ摂取可能な食料は増えている。


 仮に見られてしまってもゴミ処理前のゴミにしか見えないだろうが、それを見る人も居ないのだから安心だ。



読んで頂きありがとうございます。

2日目にして、『22』PV。じゅ、順調です。

私は負けません。

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