012 ●●してみた!…みたいなノリ
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「ALMIGHTY:アバタークリエイト」
俺と同等の力を与える。
俺の持つ知識を与える。
決して裏切らず二心なく俺に尽くせ。
鏡に映った俺の対となる存在。
男装の麗人。
DualWorldの知識の結晶であり、この空間の管理人兼執事。
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俺は心無い行動をするだろう…故にお前には良識ある心を持っていて欲しい。
また俺は多くの命を無慈悲に刈るだろう…故にお前の剣には心を通わせて欲しい。
奪う側でなく、守り導く存在。
俺の剣であり盾であり影であり鏡であり…
願わくば俺を理解し、また諌めるような存在であれ…
名を与えよう。『忍』…今からその名を名乗れ。
―――
「皆様、お初にお目にかかります。忍と申します。至らぬ箇所多々ありますが、よろしくお願い致します」
裸の女性が突如出現して恭しく丁寧に自己紹介をしている。どうやら上手く出来たようだ…
まぁなんだ、命を創ってみた。
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DualWorldに足を踏み入れるや否や、代々木くんは活動限界を迎えて崩れ落ちた。疲労からくるものだろう。ソファーを事も無げに作り出し、彼を無造作に転がした。どうやら思った以上に無理して頑張ってくれたらしい―――
それにしても何もない寂しい空間だな。まるで自分の胸の内を表しているように閑散として何もない。
「少しだけ待ってくれ。マシな空間にするから」
とは言っても俺にデザイナーやクリエイターの様なセンスは多分ない。機能的、利便性が第一で、見てくれや統一感に頓着しない。
(当面はここが活動拠点になるだろうけれど…)
この空間を空ける事もあるだろう。外部に窓口を設ける可能性もある。ウルスカを含め出入りする人物、引き込む仲間も増える事を考考慮すると、監視の目が要る。防衛面も考えると人手が欲しいな。
▼▼▼
「…とゆーわけだったのさ!」
「そんな軽い気持ちで生命を“ポン”と産み出されては…敵わんのぉ」
「オーディンの持っていた創造の力…今やアキトが神そのもの…ですか」
呆れた表情の二人を尻目に何処吹く風と聞き流す。
「お返ししますわ、コレ」
「…人でしかないよ、俺は」
勘弁してくれ。首を竦めてウルスカに向き直ってグングニルを受け取り体内に収納する。
「人だから神の力を得ても神にはなれないしなる必要もない。人だから間違いも犯すし、力に呑まれて壊れたりもするかもな。そうならない為の保険なんだよ、彼は」
「彼?彼女ではないのですか?」
「代々木くんはあんなナリだ。彼として接した方がバランスが取れるだろう?」
ワルガキみたいにニヤリと不敵な笑みを浮かべて代々木くんの寝顔を覗き込む。
代々木くんはどうだかしらないが、異世界ハーレムを作る気は特にない。コッチの世界の男女間のパワーバランスは知らないし、興味なし。
穿った見解だが、客観的に男はプライドが邪魔をする生き物であり、女は感情的で制御に難あり、ってのがオレ的な認識。
勿論異論は認める。
あくまで全部が当てはまる訳じゃないのを理解している上での考えだ。
俺は効率厨で超合理的。
身内には似た様なのが居ても構わないが、職場には様々な思考を持つ人物が欲しい。それぞれが持つ考え方や能力が化学反応、相乗効果をもたらし、時には反発しながら様々なモノを作り出したい。例え考え方が歪でも一芸が魅力的なら多少の問題点は構いやしない。最終的な目標に皆のベクトルが合ってさえいればその他諸々は些細な事にすぎないわけだ。技術者、戦闘員、支援者、信用出来る人物なら男女関係なく欲しい。社員急募、要面接、手厚い福利厚生に、週休何日?ホワイト企業目指します―――てな訳で人材が欲しいわけなのだが…
“ガリガリガリガリ”難しいよなぁ…乱暴に頭を掻き毟りながら嘆息する。
特に目的と信用の部分…俺達の目的に賛同するか?俺達の目に敵うか?技術や能力のテコ入れは融通がきくが、神々との戦争にどんな馬鹿が協力するというのか。女神と精霊と戦オカマ以外のこの世界の一般的な人達の様子も探る必要がある。
(それに・・・代々木くんとはいずれ道を分けなきゃいかんよなぁ…)
難しいなりにではあるが、俺のプランの青写真は既に書き上がっていた。
Continued on the following page…
2019/01/09/Wed/12:00-




