001 豆腐にドレッシングて良くない?
*この作品は下記のリンク先小説とクロスオーバーの作品です。
https://ncode.syosetu.com/n8233fc/1/
作品相互の前書き/後書きに、先に起こった話、補完する話、別視点の話、続きの話等、そこそこリンク先の記載があるかもしれません。
上手く出来るかな…
“オマエは録な死に方は出来ないよ”
誰かにナニカ言われた気がした…
誰かに?チガウな…オレに言われたんだ。
まぁ、別にどーでもいいさ…オレはソレをウケイレた…
―――
春の陽気に当てられて白昼夢を見ていた気もしないではないが、思考は既に舌の上の刺激的な味わいによってほぼ現実に引き戻されている。やっぱりサラダには胡麻ドレッシングが一番かな…満足げに1人、俺は唸る。
(冷奴にもドレッシング掛けるのが割と最近のお気に入りかもしれんなぁ…豆腐サラダもあるし、冷奴にもドレッシングはアリだなぁ。玉葱漬けしたドレッシングも捨てがたいし、青紫蘇もいいよなぁ…)
生野菜を咀嚼しながら胡麻の甘味とドレッシングの酸味を味わう。食欲が増進され、唾液がより分泌される口内。ザクザク、シャクシャクと咀嚼音と食感が味わいを引き立てるだけでなく、小気味良い
刺激を与えてくれる。余韻に浸った後、傍らのカレーライスに手を付ける前にグラスの水で口を濯ぎながら飲み込んで口内の食物をゼロにして数拍置いた。
「んで、誰?何か用?」
誰に話しかけるわけでもなく、呟いた抑揚のない言葉がただこの場に沁みていった。
「私はウルスカと申します。代々木和也様からのご要望により、お呼び立て致した次第にございます」
「ふーん」
「この度、代々木和也様が異世界転生する事になりまして、その一環ではありますが貴方様にも御同行願いたいとのお話がありまして…」
「ふ~ん…」
キャベツの千切りが歯の隙間に挟まっているのを舌でどうにか…
(取れた)
「面倒臭い!
先ず1つ、慇懃無礼な態度や話し方は止めて砕けた感じで頼む。
2つ目、この話自体が面倒臭い、断る。
そして、用があるなら本人が出てこいと伝えてくれ。」
「相変わらずですね~」
「あ゛?」
「伊礼田さん、いいんすか?異世界転生して現実逃避したい!チート最強、スローライフ送りたいって言ってたじゃないすか?」
「…スローライフは言ってねぇよ」
(チート無双は言った気がする)
変な場所に変な奴等に呼び出されたみたいだが、特に気にもならなかった。
面倒かどうか、気分が乗るかどうか。
俺、伊礼田明人はソコにしか興味がない。
「キミが仮に代々木君だとして、本物である証拠は?そして俺を転性?に巻き込もうとしてるって何?何か俺に得でもあんの?」
「あっれぇ?見て分かんないんすか?後輩の代々木ですよ?」
「…わかんねーから言ってんだろ?」
自称俺の後輩を名乗る輩と、金髪のウルスカ?お姉ちゃんが目の前に居るわけだが…
(それにどっからどう見ても…)
昼飯を邪魔されて多少苛ついてるのを察した自称代々木某は、
「カレーすか? 伊礼田さんと飯行くといつも生姜焼きか、からし焼きしか食べてないイメージですけど…」
好物を知ってる?…か。
無言の圧力で次を促したが、結果的に予想の遥か斜め上をブッ込んで来やがった
「むみぃ…」
(オィ!?オマェェェー!)
「分かった!…マジで代々木くん?なわけ?取り敢えず信じるけど半信半疑だわ」
間髪入れず、
「そんでもって黙れ!これ以上喋るな!キミしか知らない俺の恥ずかしい、闇に葬りたい話されても困るから聞くの止めとく。
止せ!考えるのすら止・め・ろ!」
金魚代々木くん?は口をパクパクしている。
精神に多大なダメージを与える攻撃の第二陣は未然に防ぐことに成功した。
(普段空気読めるクセに、マジな時に限ってヤツは空気読めない時あるからな。もっと強力なヤベー爆弾投げ込まれては敵わない)
「そんで転性?てどゆ事?」
「え~実は…」
かくかくしかじか…
現在こんなんなってまして、かくかくしかじか…
自称代々木某(50%)は自身に起こった事を簡単に説明してくれた。
…
……
「ん~…ん~…ん~…事情は分かった。
(なんとなく)
正直手伝うのはやぶさかではない!
(なんとなく)
が、条件を整えてくれないと困る?って感じかなぁ…
(なんとなく)」
と、話し半分聞き齧って即座に女神様に向き直って自分の考えを伝えた。
(え?そんな簡単に決められる話じゃねーよ勿論。でもしゃーないじゃん?数少ない割と大切な友達的な奴の頼みなら尚更じゃね?正直メンドクセーって思うよ?お人好し?そーかもね。暇潰しになるなら、まぁいいかもね…とどのつまりソコまで深く考えてはいない)
「ウルスカって言ったっけ?
悪いけど、こっちの世界で神様は居る…みたいな伝承はあるけど、見たことも会ったことも認識した事もない。
敬虔な信者でもないんで、敬ったり崇めたりそんな気持ちは皆無に等しい。
対等な立場で話したいんだけどいいかな?
あと、年齢も分からないから見た目二十歳前後の女性だと思って対応する。
問題ある?
それとも人間如きが神に向かって対等なんてふざけるな!って感じかな?」
「楽に手早くお話が進むのであればどの様にして貰おうと私は気になりません。お話を続けてください」
「OK。1つ確認!
代々木くん?の話だと、どんだけ凄い能力を与えられるか分からないけど、そっちの世界に転性?したらモノを造り出す?万物を創造する神様みたいな力って宿す事出来たりするわけ?」
「前例が無いので確かな事は申し上げられません…人の身に神の力を宿す事は…難しいと思われます。それに加えて、指定の力を持つ神が既に存在しています。ですから両者が同じ地に並び立てる確証、保証もありません」
(成る程、ダメ元で聞いてみたが四つか)
「了解。
俺の事情や条件を考慮に入れて、願いを“3つ”叶えて貰えるのか話し合おうじゃないか」
【先方が求めている要件】
代々木くん?の転性?先でのサポート
代々木くん?による巻き込み転性?
代々木くん?の悪知恵の産物…
【俺が求める条件】
転性?は無理(嫁、子供居る)
代々木くん?は寿命だが、俺は未だ生きている
神殺しにどれだけ時間が掛かるか分からないが、俺が死後なら転性?は…まぁアリかな…
この辺りから導き出せる必要十分条件は…
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