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しばらく歩いても、まだ先は真っ暗でした。
出口付近に街灯などの光がないとすれば、近くまで行かないと出口が見えないのかな、と思いました。
最初は二人でたわいもない話をしていましたが、だんだんと無口になっていきました。
私もそうですが、おそらくとうやも同じことを考えていたのでしょう。
けっこう歩いたのに、まだ出口にたどり着かない。
とうやが一通り懐中電灯を振り回した後、言いました。
「なんで出口に着かないかな」
時計を見るともう三十分は歩いています。
軽く往復出来る時間です。
「本当に九百メートルなのか?」
「それは郷土資料館のデータを見たから、間違いない」
そのまま歩きました。
そしてさらに歩いたとき、とうやが言いました。
「おかしい!」
半ば叫んでいました。
私はしばらく考え、とうやに言いました。
「とりあえず引き返そうか」
「えっ、でももうすぐ出口なんじゃないの」
「何時まで経っても出口に着かないじゃないか。引き返そうぜ。あまり遅いと父さんに叱られる」




