存在しない者
「おい、大丈夫か?少し休む?」
リオが心配な顔をして尋ねてくる。
心配性だな・・・・いや、過保護なのかな?
「心配後無用。大丈夫だから先に進むよ。」
「・・・・・ま、そう言うんならいいけど。」
そして進みだす。これから起こる事も知らずに・・・・―――
「ここだな。」
そこはそれなりに広い応接間だった。
ここにどんな七不思議があるというのか。
「あ、ナゼン、そこ危ないから隅っこの方にいろ。」
はいはい、といいながらドアの方に向った。
リオは僕の反対側に位置する机の上で何かしている。
すると10分もかからない内に変化が起こった。
ガガガガと音を鳴らしながら、部屋の真ん中の床の部分が割れた。
そこから地下に繋がるであろう階段が下に続いていた。
最後にガタンと音をたてて完全に拓いた。
「へ〜隠し通路ってやつ?」
「ん〜まぁそんなとこか。」
カツンと靴の音を鳴らせながら降りてゆく。
中は真っ暗でよく周りが見えない。
「そういえばさぁ、今どんな七不思議を解決しようとしてるの?」
「あれ、言ってなかったか?ほらお前も知ってるだろ?”十三日の金曜日は必ずどこかで人が居なくなる”ってやつ。あれだ、あれ。」
「は!?あのいくら探しても見つからなかったやつ?本当で?」
「ああ、実はあれ”居なくなる”んじゃ無くて、もとから”居ない”んだ。」
「・・・・・・・どういう意味?」
「そのまんま。つまりこの街には本当は”存在しない”奴等が居るって事だ。知ってるだろ?昔起きた怪奇事件。アレの名残だ。で、そいつらが”ある機械”でその十三日の金曜日に消されていくんだ。」
「つまり、僕たちの中に存在してない奴等が紛れ込んでると、」
「まぁな、でも実際そいつらにも自覚は無いからな、・・・もしかしたら俺たちどっちかも存在しないのかもしれない。」
おー怖。僕もしかしたら人間じゃないかもって?冗談じゃない。
・・・・まさかね?
「くすっ、ほら行くぞ。」
進んでく。やっと下に着いた。
そこには、暗闇の中に無数の小さな青や赤、緑などの光が規則正しく並んでいた。
よく見るとそこに大きな機械があった。
なんだ?この胸騒ぎは・・・・。
なんでこんなにも悲しい?