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幻と真実  作者: シヲ
33/37

修羅の世へ

ガキンッ!


「なっ!?」


「おお。」



今、男の攻撃を受け止めたのはナゼンではない

そこに1人の少女が、片手に太くでかい剣一本軽々と持ち、男の攻撃を受け止めている


さすが・・・・とでも言っておこうか


「・・・・・・・まず、あなたたちの今日の目的は”ナゼンを捕らえる事”ではない。即刻、速やかに退散して。」


「・・・っ、くそっ!行くぞ、魔緒!」


「・・・・(コクン)」



シュルンッ!と素早く消える

奴らにとって命令は”絶対”。それと同時に、下してもいない事を勝手にやる事は禁句領域に入っていくだろう。


そこらへん、話の分かるやつらでよかった。きっと上の立場の奴らだろう。


さて、肝心なのはここから

先ほど助けてくれたは、僕が殺したオルガをジッと無表情で凝視していた



「さっきは助けてくれてありがとうね、”ウジナ”。」


「・・・・・いえ。それに君ならあんな奴等ぐらい1発で仕留めてたのは分かる。分かったからこそ私が助けたの。」


「それは・・・・どういう意味?」


彼女はシュルッと剣を自分の腕の中に埋め込んでいく

そして一言


「奴らはまだ殺しちゃいけないって事。」


「・・・・・・・なんで?そんな邪魔な奴ら片っ端から殺しちゃえば良いのに。」


「私も出来ればそうしたい、けど、まだ駄目。」



何か、今から訪れる未来を見透かしているような瞳

きっと彼女は何らかの未来を予知してるに違いない



「ねぇ、ナゼンは次、何処へ行くつもり?」


「え?ああ、次は”螺旋都”へ行くんだ。そこにちょっと用があるんでね。」


「そう、・・・・・私もついてっていいかな?」



何を言い出すんだこの女

もちろん僕は嫌だ、孤独が好きだから。


でも・・・――なんなんだこの気持ち・・・・。


おかしい、おかしいよ・・・・なんでこうも彼女は”懐かしい”んだ・・・・。


断る事も理由もないから、別にいいかな


「ん、いいよ。ただ、僕の邪魔だけはしないでね?」


「分かってるって、君こそ私の邪魔はしないでよね。」



はは、生意気!そう笑うと彼女も微笑んだ。

心から微笑んだような気がした。僕も、久しぶりに本気で笑えたような気がした。



不覚にもさっきのウジナの微笑みに一瞬ドキッとしてしまった


感情はまだ少し残ってたんだね。



夕闇ふる街並みに

  1人佇む少年たちの

 美しき幻想的な死のシンニー



強者よ修羅の世へ


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