氏名=瞬間
『見て、ナゼン。これが星だよ。』
『これ・・・が?』
『そう、とっても綺麗だよね。ね、人はね、死んだら星になるんだって』
『死んだら・・・あれになるの?』
『うん、だから死ぬのを怖がっちゃいけないよ。絶対に・・・―――』
*****
驚いた・・・・”彼女”とそっくりな人間がいるなんて・・・・
一体誰だろう・・・?
「えっ・・・と、君は誰ですか?」
「聞いてるのはこっち。大丈夫?」
あぁ、手ごわいな。でも、こういう性格の人間は嫌いじゃないよ。
「あ、すみません、僕は大丈夫ですよ。」
そう言うと、彼女は少し安心したような顔を一瞬だけ見せた。
すぐに無表情に戻ったけどね。
「そう、・・・・・・私は”ウジナ”。漢字は”氏名”って書く。」
氏名・・・・・?僕と似たような名前だな・・・・。
ふーん、”ウジナ”・・・ね。
「へぇ〜そうなんですか。僕はゼナです。漢字は”是名”と書いてゼナ。宜しくお願いしますね。」
「ゼナ・・・ね。うん、宜しく。・・・・・・敬語じゃなくていいよ。」
「え?いいの?じゃぁ、タメね。」
「うん。その代わり、隣いい?」
「全然いいよー。」
ニコニコといつもの仮面をかぶる。でも彼女は動じなかった。
この子、きっと普通じゃない。
でも・・・・・彼女といても悪い気はおこらなかった。
ただ、懐かしくて
そんな感じ。
「ゼナはここに元からいた人?」
「え?違うよ、ちょっとした事情でね。ここに来たのは4日前。」
「そうなんだ。私も一昨日来たばっかりだから。」
どうやら彼女にも僕同様の事情があってこの街に来たらしい。
どんな事情で?そりゃ分かんないけどね。
「・・・・・・・ゼナは色々と苦労してそうだね。いつも、”何かと戦ってる”みたい。」
「・・・・・そう見える?僕って。」
「ふふ、もう分かってるよ。全部。知ってる。君は”ゼナ”なんて名前じゃない・・・・・。」
!?
なるほどね、最初から分かってた訳か・・・・彼女も体質者かな?
まぁ、話が早くて良いか。
「・・・・いつから気づいてた?」
「最初、君が話した”瞬間”。」
「・・・・へぇ、君の体質は”瞬間の出来事で正体が解かる”ものらしいね。」
聞いた事が無い。たぶん彼女も僕ぐらいにレアな存在だろう。
きっと、僕に何らかの関係はあるはず。
「正しくは”瞬間的な可能性”が見れる体質。君・・・ううん、”ナゼン”は名前が関連する体質だっけ?」
「ふーん。正体もばれてたんだ。・・・・・そう、僕は”名前の無い物を見ると精神が歪む”体質。とっても不便で、とっても便利な体質さ。」
「神と魔に選ばれし呪われた愛子・・・・・噂どおり。私の好きな性格してる。」
「好き・・・とは?」
彼女は口元を斜めに上げると
妖艶な笑みをし
「その歪んだ性格。」
と、はき捨てた。
うん、きっと彼女となら僕うまくやっていける気がするよ。
「僕も、その君の死んだ性格は大好きさ。・・・・・・神と魔に選ばれし健気な愛娘よ。」
「うん、そう来なくちゃね。」
もうすぐ、夜が来る。
さぁ、邪魔な虫を駆除しに行くとしますか。
(それが僕らの出会い)
はい、久しぶりに自己紹介でもやろうかと思います。
この子、ウジナさんは銀色の髪に青い瞳の美少女です。
性格は・・・まぁナゼンさんの言ったとおり、”死んだ性格”です。
身長が163cm
好きな食べ物は、赤い物全部。
嫌いな食べ物は以外にキュウリ。