永久なる夕闇
そこは辺り一面夕景色。
オレンジ色の太陽が今にも地に潜り込みそうだ。
ここは1日中ずっと穏やかな世界。
”永久なる夕闇” これが街の名称だ。
誰がつけたのかは知らないが、とても良いネーミングセンスだと思う。
この街には七不思議がある。
それを探すのが僕の仕事であり、遊びだ。
目を開けると其処はベッドの上だった。
時計を見ると10と書かれた字のところを鋭く短い針がさしている。
いつもならもっと遅く起きるのに、
きっと変な夢を見たせいだ。
すると隣の棚の上から奇妙な機械音が聞こえる。
僕はそれを手に取り画面を見た。
【メール4通】
まぁ、この内の3件は何時もの挨拶コールだろう。
じゃあもう1件は?
「・・・・・」
やばい、すっかり忘れてた。
今日はリオと約束してたんだった。
僕は急いでメールを返信する。
それからメールが来るのに時間は掛からなかった。
だってその内容が 【11時 駅前広場で待つ】
それだけだったからだ。
あいつを怒らせるとかなり厄介だ。
僕はすばやく準備をし始めた。
外に出ると其処には幾つもの店や家が敷き詰められている。
この街の特徴は3つある。
1つはこの家と店の造り、そして道の造り。
2つはこの街の最上階の突き当たりにある駅。
そして最後の1つは、大きな時計塔があることだ。
この時計塔にはいろんな”七不思議”が詰まっている。
と言っても此処だけじゃないけど。
僕は見慣れすぎてしまった退屈な道をうとうとしながら歩いていった。
人はそんなに外に出ていない、
それは、この街が少し特殊だから。