美食家
「カカ!生きてたのね!?」
「はは、何言ってんの?ちゃんと生きてんだろ?」
よかった、カカは生きてる・・・でもショウキが・・・。
「ね、ねぇ、カカ、ショウキが・・!」
「え?ショウキがどうした?」
平然と、何にも知らないような素振りで返してくる。
「え?そこに倒れて居るのはショウキでしょ・・?何で・・・、気づかなかったの!?」
そういえばおかしい。
何でカカはこんな暗い部屋に居た・・?
何でショウキが殺された事に気が付かない・・?
「・・・ルエ、勘違いしちゃ駄目だ。」
「え・・?」
突然部屋の明かりが切れた。
そしてカカは下を向き、顔が見えない状態だった。
黒い髪が、ちらちらと目に映る。
「ショウキが殺された・・・?何を言ってるんだ。ショウキなら此処にいるだろ?」
「は・・?何・・言ってるの?ショウキはそこのソファーで・・・・・!!?」
ソファーを見ると、そこにはショウキが立ってこっちを見ていた。
「な・・・んで・・?さっき、そこで・・・」
「はは、何言ってんだよ。お前ホント大丈夫か?俺ならずっと此処に居ただろ?」
は・・?確かにアンタはここに居た。
でもそれは、ショウキじゃなくてカカでしょ?
「あなた・・・誰・・?」
「俺?ホントどうしたの?俺はショウキだぞ?狂ったのか?」
そうか・・・私は狂ったのか・・・。
でも・・・
「さっきは確かに心臓を抉られていたよ・・・・。なんで生きてるの・・?ショウキ。」
「・・・・俺は、ショウキだよ?でもね、カカでもあるんだ。」
何を言ってるんだ?
そういえばさっきからカカが下を向いたまま動かない。どうかしたのかな・・?
「そこの俺に触っても、今は死んでるから意味無いぜ?」
「死んでる・・・?どういう意味?」
「分かんない?じゃあ、説明してあげる。
カカとショウキは、1つに”戻った”んだ。また、ね。」
1つに 戻る・・?
「だから、俺はカカでもあるしショウキでもある。ね?すごいだろ?」
彼の目は、右目が青で左目が赤に染まっている。
一体どうなっているのか・・・。
「なぁ?コレって凄いよな?俺が”ショウキの心臓喰ったら、こんな体になった”んだ。・・・・なあ、これから、他の人間の心臓喰ったらどうなると思う・・?」
そういう彼の口の周りには、血がこびりついていた。
手も血で濡れている。
「今俺が食べたいのは、体質の持ち主かなぁ。なぁ、ルエ。」
ドキッ!
「・・・・・わ、私を、た、食べる気!?!?」
「大丈夫。全然痛みは感じないから。安心してって。な?」
「い、嫌だ!!やめてやめて!!どうしたの、カカ!?おかしいよ・・・。」
彼に向かって泣いて叫んでみた・・・・。
微かな希望を持って。
でもカカは・・・―――
「さぁ、食事の時間だよ、ルエ。高い悲鳴を上げて痛みを感じてな。」