無くなる黄昏
「!?誰よ!!!」
キラーンと私の背後で効果音が聞こえる。・・・ような気がする。
「ふっふっ!ここで会ったが100年目!!ルエちゃんトージョー!」
「な!?またアナタなの!?ルエ・クロウ!」
「何の用よ!」
「また邪魔しに来たの!?」
トウトたちの叫びが木霊する。
あ〜相変わらずうるさいなぁ・・・。
「はぁ。あんね〜?あんたらそんなに爺に問い詰めてさ〜、迷惑だって分かんない訳?あーうざうざ!!」
「な!!?あ、あんたこそ!いつもいつもヨクとイチャイチャしてた癖に!!それに爺なんて呼んで・・!失礼だと思わないの!?」
「はぁ?思うわけ無いじゃん。」
「まぁ!?アナタそれでも・・・」
「はいはい!ヤメッ!俺の前で女の醜い戦いを繰り広げないでくれる?まぁ、とりあえずお前らは帰れ、邪魔。」
突然横からヨクが制止に入った。
トウトたちは悔しいながらも、去って行った。
取り合えず周りに居た取巻きたちも帰っていった。
「いや〜お疲れぇ〜、爺さん。」
「まぁ、ホント、こうなる事は分かってたけどさ、ルエまた悪化させたんだろ?爺もご愁傷様〜」
「な!?」
まぁ、そう言われれば悪化させたのは私だ・・・ってか、知ってたなら教えてくれるか止めるかしてくれればいいじゃん!!
「だってお前止めてもやめないじゃん」
「ってなんで思ってること・・・!」
「おい、声に出してるぞ。」
ヨクに指摘され、私はムカつきが低下していった。
「うぅ・・・・。」
「ま、もっと大人になる事だよ。」
「う、うるさい!ショウキの癖に!!」
「こらこら、ショウキに当たるんじゃない。ったくお前って奴はいつもいつも・・・。」
「カカぁ〜ごめんて!ショウキもぉ〜!!(泣)」
ショウキもカカも人の気知らないで!私拗ねてやる!!
「はぁ、カカ ショウキ、俺は気にしてないからルエをそんないじめんな。」
!! 爺〜!私の味方は爺だけだよ〜
「ま、俺の事、爺って呼ぶことに悪いとも何とも思ってないことにはムカついてるがな。」
きゃああ!爺の顔が怖い!!後にドラゴンが見える!!!
「「だよな〜。」」
「声そろえて言わないで!!!」
「と、まぁ茶番もここまでだ、俺もうそろそろ行かなきゃなんねーのよ、」
「あ・・、そうだよね・・・。もう行っちゃうんだ・・・。」
あ〜なんかしんみりしてきちゃった・・・。
「そう、悲しがるな、また会いに来てやるよ。・・・・・・あの事件が収まったらな。」
「そういえばこの町でなんか掴めたのか?情報」
カカが言ったそのあとにショウキも小さく頷いた。
「いや・・・だが、ある障害者がな、ちょっとそれっぽい事言ってたんだ。」
「え?何て言ってたの?その人」
「あ?ああ、『この世界の黄昏が無くなる』って、うわ言の様に何度も言ってたんだよ。」
「黄昏・・・」
この世界のってどういう意味だろう・・・?
無くなるって・・・
「ああ、もうこんな時間だ。じゃあな、お前たちもナゼンに会ったら俺に教えてくれ。コレ、携帯番号、用も無く掛けんなよ。」
「おう、じゃあ用も無くかけまくってやるぜ。」
「大事に掛けるからな。」
「っておいおい、用も無く掛けるなよって言われたばっかジャン!・・・・ヨク、何かあったら電話すんね。・・・・それと、気をつけて、ナゼン・・・あの子の事件何だか嫌な予感がするの。なんか・・・・・これから悲劇が起こりそうな気がする。」
「・・・・ルエのその直感もある一種の体質だな。まぁ、お前の言うとおり、ナゼンの事件は只事じゃない、分かってる。でも俺が動かないと・・・。ま、気にすんな、大丈夫だ。」
そう言うと、ヨクは駅の方に歩き出して行った。
「・・・行ったな。」
「ああ、何か嵐が通り過ぎた感じだな。これでまた平凡な日々に逆戻りかー?ああ、やだな〜。」
「はは、そうだね。」
でも、何かが私の奥のほうで突き刺さった。
何か、モヤモヤした何かが。
平穏な日々なんて無理だと分かっていたのに・・・