終わりの時間
人間。
それは時に残酷で悲しい生き物。
少しでも感情が狂ってしまうと、本人だって分からない内に何かしてしまう事がある。
・・・これを一般常識的に解釈すると”無自覚”が適している。
「・・・・どうして人間だと分かったの?」
「あ?ああ、歯形がな、肩の端についてたんだ。まさしく人間ですって言ってるようなもの。」
「・・・・じゃあもう決まりジャン。そいつ、ランクCだよ。」
そうとしか言いようが無い。
だって、人間が人間を食べるなんて・・・・・――
「それは、分かってる。・・・・・俺が知りたいのは”誰が”だ。」
まぁ、そりゃ正当な意見だ。
でも考えてみなよ。この街、世界にはランクCなんて うじゃうじゃいるんだよ?
そのなかから犯人探し出そうとしても無理無理。
ランクCとは元は僕らと一緒。特殊な体質をもった人たちのこと。
でもランクCは僕らとは違う。
体質は体質でもかなり”いってる人たち”のこと。
感情をもむき出し。心がとても繊細なんだって。
だからその人が傷つく言葉を言ってしまうが最後、
凶暴人格へと進化を告げる。
他にもAランク〜Dランクまで組み合わせがある。
ちなみに僕はもちろんA。
このランクの人たちはみんな品があり
普通の人間とそんなに大差はない。
寧ろ神様的存在だ。
Bは少しだけずれている。
人間どうこうのまえに感情がそんな無い。
だから何をしてもされても無表情。
だから僕たちの間では、ランクBの人の事を”死神”って言ってる。
そして、D。
これが一番最悪。
凶暴どころじゃない、もう人間の元の形・・・・いわゆる原型が無いのだ。
どこか一つが”必ず”欠けている。
そして彼らの主食がこれまた残酷。
なんせ、犬や猫、ましては人間の肉だから・・・―――
まぁ、僕はまだランクDの奴らを見たこと無いけど、てか出来るなら死ぬまで見たくない。
そんなこと無理だと分かっていても・・・
「ナゼン?どうした?」
「え?ああ、うん。何でもない。」
「そうか?なら早く学校行くぞ。今日は遅刻取調べ調査があるんだから。」
「ふえ?今日だっけ??・・・やばっ!急がなきゃ!!あと2分!」
「なに!?走るぞナゼン!」
風のようにすり抜けるこの街は
もうすぐ・・・―――
『さぁ、そろそろ終わりの時間がここにやってくるぞ。』