衝撃―正体不明の敵(アンノウンエネミー)
環境復帰できないのでぐだぐだですがシナリオはでてくるのでアップです
「ごめんなさい、私のせいで……」
アイシアは村での一件からすっかり落ち込んでしまった。
自分が原因とはいえ、女の子が沈んでいるのはなんともいいがたい気持ちだ、けど自分には彼女を元気にさせる言葉なんて思いつかないし、笑わせたりするようなユーモアもない。
情けないがこういう人間だ、僕は。
「気にしてないよ、そもそも悪いのは僕だしね……」
当り触りのない言葉が一番だ。
「い、いえそんなことはないです!」
アイシアさんは随分と思い詰めやすいようですね……
うーん、どんな旅になるか分からないけど。
この世界なら、なんとかなりそうかな……
「アイシア!」
「は、はい!」
「僕のためにおこってくれてありがとう、うれしかったよ。これからはアイシアを悲しませないために頑張るよ、だから笑っていてほしい」
あれ……なんかかっこよく決めようと思ったけど微妙に違うぞ。
アイシアもなんか下向いて震えてるし、失敗したなこれ。
「あ、ありがとうございます……で、でもそういうのはまだ早いって言うか……そのーまだお互い知り合って浅いって言うか……お気持ちは嬉しいのですが……あ、いや、別に嫌いってわけでもないですよ!どっちかっていたら好きですけど……」
あれ?なんかえらい勘違いしてるなこの子。
ってか俺みたいなのでいいのか……まあこの世界じゃちょっと特別みたいだけど……
「あーまあ、元気になってくれたらそれでいいよ」
「は、はい。なんとなく元気になりました」
うーん、これ夢かなんかじゃないかな……
でも腕切れてるしな、夢じゃないけど……
「それじゃ、サクッと行きましょうか!」
そう言ってアイシアは僕の手をひっぱり歩き出した。
まあ、色々あったけど元気になったならいいか。
どうせ、すぐ戻れるだろう。
しばらく、アイシアに先導されて森の中を歩いていると、どこかから人の話声のようなものが聞こえた気がして、大きな火の玉が真横から飛んできた。
「危ない!」
僕はアイシアを担いで横へ不器用ながらもころがる。
転がりながら彼女をはじへ飛ばし、僕は背中を打ちつけた。
「いってえ」
しかし、すぐに視線を上げてあたりを見回す。
何もないとこから火の玉が現れた、魔法か……いやここはまだ沈黙の森だったはず……じゃあなぜだ
「だ、大丈夫ですかダイチさん!」
アイシアもこちらに目くばせしながら警戒している。
戦闘慣れはしていないが知識はやはりあるようだ。
「アイシア、今の火の玉何だかわかるか?」
「すみません、見てませんでした!」
まあ、そうだろうな。
見てたら反応で来てたはずだ。
「この森で、魔法が使えるやつとかいるのか?」
「い、いないと思いますよ。ここじゃ魔力が集束しないので魔法の形成ができないはずです……でも素の魔力が相当高かったら火の玉ぐらいならだせるかもです……」
ふむ、つまり強大な魔力をもっていたらなんとかなるのか……
でもアイシアでも無理ならかなり難しいんじゃ、それともまさか……?
結局、それ以降敵らしいものもなにも現れなかった。
いったいなんなのか、俺には想像もつかない。
最悪の予想が当たらないことを祈るばかりだが……
僕たちの冒険は終わらない。