二日―それぞれ―
「や、やめろ俺達が悪かった!」
「うるせえくずが」
土方は荒れていた、唯一気が合い語り合える友を失ったのだから……
転生者としてアースガルに飛ばされた時のことはあまり覚えていない、けど好き勝手生きていたのは確かだ。
それで生き残ったら今度は現実に戻されて人を殺せだ……
「命令されんのはきらいなんだよ」
この魂の生前がどんなんだったか調べた、けど今俺の中にいる土方はあの土方じゃない……
俺と言う人格に土方がくっついてるだけだ……技、判断、思考……それらは土方のものだ。
だがあくまでそれらは解放した時の話だ、今は俺だ。
二本の剣を眺めて空を見る……
「またこの青いそらを見られるなんてな」
俺の家は酷いもんだった、DV親父と子供に当たるしか出来ない母、それの被害を受けたのは俺だった。
兄貴がいたが兄貴は出来た奴でむしろ母を宥めてた、代わりに俺が殴られた。学校なんていかなかった。けど体は自然とでっかくなるだから仕事をした最初は牛乳配達だっけか……兄貴はさっさと家を出て行った、それから暴力はさらにエスカレートした母は今でもあんな親父と別れなかったのか今でも分からん……そんでやっちまった……ついかっとなって母を殺した。
それを見た親父も殺した、んで俺は逃げた。
警察からも逃げて、残飯だろうがなんだろうが漁って食った泥水だって啜ったそんで俺はやーさんの下っ端になった。
そんで殺しまくった、俺が上るころにはやーさんは肩身の狭い場所になってた、そんな時アースガルに飛んだ……楽しかったさ……今だって。
「モードレッドどうするの?」
「僕は……」
なんでこんな事になっているんだ。
僕は、なんでも無難に過ごしてきた……決断とか迷いとかそんなのに会わないように、自分の選択に自身がないのはこんなにも不安なのか……
憤りが全身を包む……
僕の両親は教師で厳格な人だった、僕もそうやって育てられた。
けど弟は違った、僕には理解できなかった。
なんでなぜそんな感情が僕を支配して僕は両親に反抗した。
そしたら、僕の居場所は消えた。
父と母にはもうなにもやっても怒りの琴線に触れるだけだった。
だから僕はなにも選ばないことにした……でも実際はそうならないように選び悩んできたのか……アースガルは何をしても成功していただから僕はもう大丈夫だと思ったのに……
どうしたって勝てるわけがない……だから……くっそ!
モードレッド元気ない。
私には記憶がない、この箱と出会ってから。
だからこんな時なんて言っていいのかわかんない。
でも困ってる?からなんとかしたい、笑わせればいいのか?
あいつにあってから元気ない……あいつ許さない。
パンドラ、あいつ倒す。
「目覚めてしまいましたね」
この美しい世界は……僕の目に余る。
この記憶が残る世界は……僕には残酷すぎる。
終わらせよう……僕をこんなにしたあなた達を……
僕は許さない。
「お許しを家康様……必ずやこの忠勝……勝って見せます」
俺が最強だと……証明するのだ主君のために。
「これ以上はバランスが崩れるよ!」
「煩い、存在価値のないゴミに心配など」
「だったらーいっそ飲み込んじゃおうよ人間の世界なんて」
「これ以上は付き合えない」
「じゃあどっかいけよできそこない」
無の空間で三人の女神は過ちに気付かぬまま、もたらした崩壊に身を焼くのはまだ先の話。