邂逅―おしゃべり魔道師―
「す、すごいですね!」
パタパタと少女が駆け寄ってくる
遠目で見ただけだったから気づかなかったが思っていたよりもっと幼いようだ。
「……」
僕は現状を理解することに精一杯だったのと、なんて言えばいいのか分からない。
普通に返していいのか……そもそもこれはすごいのか
「あのー……もしかして異国の方ですか。言葉分かりますか?」
僕が言葉に詰まっていると少女が次々言葉を繋げる
「大丈夫、言葉分かるよ」
やっと出た言葉がこれか……子供相手なんてしたことないしましてや女の子は苦手だ……
「ふうよかった!私はアルラスカ王国所属宮廷第一魔道師を勤めますアイシア・ケルターと申します。先ほどは助けていただき本当に感謝しています。このご恩は必ずお返しします……それで……」
少女……いやアイシア?王国?魔道師?
「魔道師がなんで魔物に追われてるの……」
しまったと思ったときには後悔していた、自分がそうであるように人間だれしも向き不向きはあるものだ。
どんないに才能があったってたとえば生物には攻撃できないだとかそもそもこの世界?に攻撃や防御に関する魔法やらはないのかもしれない。
普段のゲーム感覚で突っ込んでしまった。
「あはは、本来ならお付の護衛団がいたのですがなんかこう、でっかい割れ目みたいなのが光ったと思ったら私しかいなくて……引き返そうかと思ったんですがなにせ国家間における大事な会議ですし……仕方なく一人でって……ああっとこれ言っちゃいけないんだった!今の忘れてくだしいぃ」
おしゃべりな少女アイシアは慌てふためき僕の頭目掛けて固そうな魔道杖?を振りかぶった。
僕はとっさにのことに避けれず杖を脳天にくらい瘤ができるかと思うほどのダメージを負った。
「いてえ」
「ま、魔法が発動しない?」
これだから三次元女は苦手なんだよ。
なにが魔法だ……え、魔法?
「魔法ってどういうことだよ、僕に魔法をかけようとしたのか?」
「い、いえええすみませんでしたああ」
大泣きを始めた、この子は僕が一番嫌いな人種だ……
物事を丸く治めようと勝手に奔走してややこしくするやつ
とりあえず、ここは僕が冷静にいかなければ……
「とりあえず、状況を説明してほしい。割れ目が光って護衛団?がきえて引き返せない大役だからそのまま進もうと思ったら魔物に襲われた、そんで僕が助けた。ここまではOK?」
彼女は涙を浮かべながらも激しく頷いた。
「はい、じゃあ、僕からいくつか質問するから答えられる範囲でいいから答えてほしい。いいね?」
またも頷く、ってか早くしゃべれよなんかいじめてるみたいで心苦しい……
そして彼女から色々と聞き出し始めた。