万動石花と「シー・ユー・アゲイン」
万動石花は、女子高生である。彼女、石花は、数人の友達が要る。万灯真理子、捏根小石、石動魔技花。この三人。彼らは、港の工場の見習い。学校の研修で来ている。
つくねは、思った。
「この天才児童、ひょっとしてアスペルガー症候群かな。どうかな。
「つうか、天才と馬鹿の違いってなんなんだ。ねえ誰か教えてくれよ。この世の真理とは。果たしてこのセキカは人の役に立つのか」
彼女、セキカは、少し狂っていたところがあった。たびたび言動がおかしかったり、少しくらいの忘れ物をしょっちゅうやっちゃったりしちゃったりするわけだ。さあそれはともかく。
彼らはいつもこう思う。
「なぜセキカは、こうも天才なのだろう。こんなに早くエンジンの動力作ることができる。彼女は物作りの天才だ。はたして天才的だ。凄い。賞賛に値する。はたして。世間で通用するのだろうか」
彼らが彼女、セキカの友達をやっているのは、そのあまりにもの天才性に惹かれたためだ。ただセキカにだって人間としていいところはある。ああ、それは優しいというところだ。人間としての本質とは。ーー答え・優しさ。勇敢さなんかは二の次だ。そういうものだ。ともあれ。
「ねえ、マギカ、あたし達って、まあセキカの取り巻きみたいな所あるじゃない。そんなんでいいわけ?」
「いいじゃない、つくね。まあ、彼女は天才なわけだし、ね、大目に見ようよ」
「うん、マリコもそう思う」
と、ガールズトークに花を咲かせる彼女達。と、そこに、噂の女、セキカがやって来た。ところで。
「やあ、君たち。いつも友達のいない私に変わって友達の役をしていてくれてありがとう。いつも。こんないいやつら、そうそう居ないよ」
「やっ、そんなことはないよ、なあ」
と、みんなに呼びかけるのはマギカ。
「ところで、君達に話がある。校長先生によれば、明日、学校がなくなるそうだ」
「えっ」
「校長先生によると、ええと、私たちは、ここの工場で働くことになるらしい。よかったな、みんな」
「ええーっ」
「まあ、そういうことだ。シー・ユー」
と、いって、セキカはその場を後にした。
その三人は固まってしまって動けない。学歴はどうなるのか。ええ、私たちの将来は。
ああでもなんかセキカがなんとかしてくれそうなきがする。
(シー・ユー・アゲイン)
セキカは心の中で言葉をリフレインする。まあ彼女はもうあの三人の友達に会うことはないのだ。
なんてったって、校長は学校と引き換えに彼女をそう売ったのだから。
それを知ってか知らずか、彼女は呟く。
「シー・ユー・アゲイン」
彼女のために学校は廃校になった。




