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第六話 ぶっとび間抜け後日談

長いこと間が空いて記憶が確かでないこともあって、おおまかダイジェストな後日談となります。


 一年生文化祭を終え、あっという間に自分二年生になる。


「駅にて」の続編を描き、文化祭アーチのデザインを担当することになり、更には文化祭グッズのバンダなのデザインのほか文化祭ポスターのデザインも担当することとなった。

 もっとも生え抜きの同世代が自分だけなこともあって、なりゆきで決まったことなのだが。


挿絵(By みてみん)


 「駅にて」の続編こと「ある道にて」偶然撮れた綺麗な夜空が気に入って絵にしてみたものの、いまいち伝わっていない気がしてならない。

 それでも「駅にて」に比べると各部の描写力が上がったと自画自賛してみる。


 アーチのデザインは既存の絵のパロディなどにしない幾何学模様をモチーフとした、マスキングテープを多用して手間こそかかったものの評判はいまいちであった。

 基本的に自分のオリジナルデザインは幾何学模様を基調としているのだが、ポスターはぱっとしなかったもののバンダナは販売する生徒の親御さん方にヒットしたようである。

 紺色とえんじ色を組み合わせ校章を取り入れたデザインで、来年度に関しても色違いのバリエーションを発売するぐらいにはウケたようだった。


 そして三年生になる前に自分が部長になった、古株故に以下略。

 個人的に風景三部作と名付けていたアクリル絵の三作目は「スキマテツロ」という作品だった。


挿絵(By みてみん)


 割と自信作にして、優良な環境を以てして描ける自分の限界作品でもあった。

 画質の悪いガラケーでたまたま撮った風景写真がまるで一枚の絵のように見えたことから模写に取り掛かった。

 細部こそ雑なものだが遠目に見ればそこそこ風情があるかもしれない、当時はそう思っていたことだろう。


 そうして三年生後半になり、良い意味で自分の鼻っ柱を折ってくれた恩師が退職することとなり美術部に関しても縮小が確定的になった。

 そこでおそらく自分の過ごした美術部は終わりを迎えたのだろう、あとは片手間の新顧問による消極的な部活動になっていった覚えがある。


 それから二年して、自分は文化祭の美術展示を訪れた。

 正直美術部無くなっているのではないかと思っていたものの、予想を裏切って自分と接点の無い後輩はアニメーションを作っていたのだった。

 正直驚いたというか、自分のやりたかったことを実現する努力・気力・胆力・実力がその優秀な後輩にはあったのだろう。

 無能な自分は元部長アピールを展示についての感想欄に書き込んでからしばらくウロウロするというとんでもないマヌケな行為をして、後輩に気を遣わせてしまう……本当に小物である。

 そして文化祭自体、実のところその学校自体をあまり好いていない自分からすれば一度ぐらいは行っておこうと思ったのであって今後行くつもりはない。

 二年も経てば自分たちの居た痕跡なんてなくなるというもの、自分のデザインしたバンダナが売られていた形跡もなかった、そんなものだろう。

 ……もっとも自分の恥だけを残していってしまったのが残念ではあるが。


 

 そうして自分の高校美術部な日々の話は完全にお仕舞いである、

 その間に幾らかエピソードもあったはずなのだが、時間が経ってしまえば忘れてしまうもので詳細に書き記せる自信も気力もないことから割愛させていただく。

 高校美術部に入ったあたりから自分の性格がガラリと変わったと親に良く言われた、部活動に所属したこと自体か、無能でも仮そめでも部長を経験したのが大きかったのだろうか、どうやらそれを境に意識が変わったらしい。

 

 そしてあれから自分はアクリル絵を一切描いていない。

 もっともそういう場が無く、画材もないからこそ描かないのであって、機会と時間とやる気さえあればまたいつかと思ってはいるのだ。

 とはいっても結論を言えば自分において美術方面ではぱっとせず、後に繋がることもなかったといっていい。

 

 それでも、美術部の活動と何ら関係ないかもしれなくてもアニメな絵は時折描いている。

 今も本当に気まぐれに絵に触れているのは、もしかすると美術部の活動があったからこそなのかもしれないし、実はそうでもないのかもしれない。

 意外とそういうものなのだ、高校で部活動にいくら熱中したり注力したとしても大人になってしまえばそれは思い出でしかない。

 でもその思い出は自分の中では掛け替えのない、少なくともそれらが輝かしい青春の一ページとは言えなくても、思い出しても悪い気分はしない日々だったとは思うものたちだったのだ。


 ――といった後日談の具合で、この小説も打ち切りとさせていただこう。

 これから先に続く物語は存在しないことからの、文字通りの完全なる結び、完結である。

  

 それでは、ここまで付き合っていただいたことに心から感謝する。

六年越しのやっつけ完結です、放置しておいてもしょうがないので書くはずだった内容を詰め込んで終えます。

ありがとうございました。

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