俺の価値観とお前の価値観
思いつきで書きました。
よければ見てください。
〝人間〟は…
〝可哀想〟だと思う----。
俺は魅城秀斗、16歳、男。
東京都のとある公立高校2-Cに在籍。無口でクラスに馴染もうとしない、性格歪んだ男の子。
…さっきも言った通り、俺は人間が可哀想だと思っている。
だって…
人間は、産まれてもどうせ死んで行くだろう?
産まれて直ぐに死んでいく奴だっているし、寿命だってせいぜい60~80くらいだし。
それに、いくら頑張って勉強して科学者になっても、スポーツ選手になっても、自分の夢を叶えられたとしても、結局のところ死んでいくんだから。
…かと言って、俺は勉強などをしない訳ではない。
勉強をしないと親が五月蝿いし。
将来の事なんて、全く考えていない。今考えたってしょうがないんだから。
理由は色々あるよ?
明日、大地震が起こって俺は死んでしまうかもしれないし、突然の心臓発作で死ぬかもしれないし、車に轢かれて死ぬかもしれないし…、とにかく色々。
こんな仕事に就きたいとか、コレが欲しいとか…欲求もない。
…いや、一つだけある。
早く死にたい。
さっさと死んでこんな可哀想な人間達を見るのをおさらばしたい。
自分の事さえ、そう思ってるんだから。
死ぬ事が幸せなんだと、俺は思う。
…それから、
このクラスの中で可哀想だと思うのは…
「魅城くん!」
コイツ。霧島由宇。
いつもいつもクラスの奴等に囲まれて、いつもいつもヘラヘラ笑ってて。
コイツを見てると俺のココロは、〝可哀想〟という感情で一杯になる。
しかも、最近は俺にばかり話しかけてきて…
自分が哀れな目で見られているのに気づかないのか?
「……ねぇ、魅城君」
「…………。」
「……魅城君ってさ、
私達クラスメイトの事…〝可哀想〟って目で視てるよね」
「ッ!?」
何だコイツ。
気づいてた…?
「やっぱりね♪
このクラスの中でも、一番可哀想っていう目で見られてるのは…私」
「…そこまで解ってんなら、何でいつも笑ってる?
何で俺に話しかけてくるんだ?」
俺が尋ねると、霧島はとんでもない事を言ってきた。
「私はね、
魅城君を助けたいんだよ」
「…はぁ?」
助ける?
どういうことだ?
不老不死にするってことか?
そんなマンガみたいなこと、出来るわけがないのに?
…やっぱり、俺はコイツが理解できない。
「ホラ、いっつもそんなネガティブ思考だったらさ、気疲れしちゃわない?
疲れちゃうくらいなら、何事もポジティブに考えて、楽しく生きたほうがいと思わない?」
「…それは、お前の価値観だろ。
俺の価値観は、お前とは間逆だ。
人間は、産まれてもどうせ死んで行く。
産まれて直ぐに死んでいく奴だっているし、寿命だってせいぜい60~80くらいだ。
それに、いくら頑張って勉強して科学者になっても、スポーツ選手になっても、自分の夢を叶えられたとしても、結局のところ死んでいく。
だから、俺は、生きて幸せそうに笑ってるお前なんかが…
一番可哀想だと思うんだよ」
皆が皆、同じ価値観だと思うんじゃねぇ。
「う~ん…子供だなぁ…」
「はぁ!?」
子供だと?
俺がそうだというなら、お前もそうだろ。
極端な価値観しかもっていないんだから。
「アハハ♪
…実はね、私も、中学生の時は魅城君と同じ考え方だったんだよ」
「!?」
俺と同じ…考え方…?
じゃあ、何で…何で笑っている?
幸せそうな顔をしているんだ?
可哀想だと…思わないのか?
「でもね、ある時〝本当に可哀想なのかな?〟って思ったの。
そして、それをきっかけに、今の考え方になっていったんだ…。
今の考え方になったときから、毎日が楽しくなったんだ。
いつもいつも、人間を〝可哀想〟って思ってた自分が恥ずかしくなってきて、
そして、〝人生は短いんだから、精一杯楽しく生きないと!!〟っていう風にも思ったの。
だから、魅城君も…ね?」
「……」
俺は…間違っていたのか?
俺以外の人間は、皆…そうなのか?
俺も…〝幸せ〟になれるのか…?
「ッ!!」
駄目だ駄目だ駄目だ!!!
完全にコイツもペースに引きずり込まれている。
いつもの自分に戻らなければ…!!
……だが…
「…霧島」
「ん?何?」
「俺は考え方を改めれそうにはない」
「…そっか」
「だが、それなりの努力は…する…」
「本当!?」
「……あ、あぁ…」
ただ、コイツに着いて行ってみたいと、思った。
新しい景色が見れるかもしれないと、何かが変わるかもしれないと、そう、思っただけ。
あともう一つ付け足すと、コイツ(霧島)に、興味が沸いたんだ。
〝可哀想〟とかじゃなくて…
違う
何かが----
感想貰えると嬉しいです。
ちなみに、作者は(どっちかというと)秀斗君の考えです。