GPA2.05
大学に入ってからの「恋愛」って、どんなものだろう?
人それぞれだと思うけど、自分みたいなちょっと鈍くさいタイプにとっては、まさに「奇跡みたいな体験」だった。
もともと自分は頭が良い方じゃない。GPAはずっと3.0以下をうろうろしてて、正直、もう希望なんて捨てかけてた。
だけど、大学2年のとき、彼女に出会った。
彼女はとても大人しくて、どちらかというと目立たないタイプだった。厚い眼鏡をかけていて、静かで、控えめ。だけど、その眼鏡の奥の瞳が不思議と心に刺さった。初めて、「ドキッ」とした。いや、ドキドキなんてもんじゃない。完全に一目惚れだった。
「どうしても彼女に近づきたい。」
そう思った。でも、現実はそう簡単じゃなかった。彼女はゲームもしないし、SNSもほとんど使わない。Messengerも返信が遅いし、Facebookは非公開で、友達申請すらできない。まるで、壁を作ってるみたいだった。
それでも諦めずに、一歩ずつ距離を縮めた。気づけば、1年が経っていた。そして、ようやく彼女と少しずつ仲良くなれた頃、「告白」することに決めた。
当然、ドキドキした。だけど返ってきた言葉は、想像もしなかったものだった。
「GPAが3.6になったら、付き合ってもいいよ。」
……え?冗談だと思った。だって、自分のGPAはその時2.0ちょっと。普通に考えたら無理ゲー。でも、彼女の顔は本気だった。
そこから、自分の大学生活は激変した。ゲームをアンインストールして、SNSを凍結して、ネットも遮断。文字通り「本の虫」になった。
なぜそこまで?答えは簡単。彼女が好きだから。
美人の前では誰だって英雄になれない。
自分も例外じゃなかった。
必死に勉強した。眠い夜も、遊びたい休日も、全部我慢して。
気づけば、GPAは奇跡のように3.6まで届いた。あと1科目の成績だけが未定。でも、それが一番苦手な「統計学」だった。
試験は最悪だった。手応えゼロ。終わったあとは、本当に絶望してた。
落ち込んでいる自分を見て、彼女は静かに言った。
「もう、十分じゃない?……付き合おっか。」
……え?
耳を疑った。
聞き間違いかと思った。
でも、間違いじゃなかった。
それは、今までの努力が報われた瞬間だった。
言葉なんていらなかった。ただただ、嬉しくて涙が出そうだった。
付き合い始めてからも、デートはとても「学生らしい」ものだった。
動物園も、映画館も、ショッピングモールも行かない。
代わりに行くのはMixueやCircle K、Wi-Fiと椅子さえあればOKなカフェ。
彼女が勉強してる横で、自分も勉強する。
自分が分からないところは、彼女が教えてくれる。
人生で、こんなに机に向かったことがあっただろうか。
こんなに自分を変えさせてくれる人が、いただろうか。
彼女は本当にすごい。頭も良いし、努力家。
学部のGPAトップ5に入っていて、しかも名門大学。
「朱に交われば赤くなる」っていうけど、彼女と一緒にいると、心がどんどん明るくなった。
そして、信じられないかもしれないけど、
自分のGPAは、2.05から3.73まで上がった。
まさに大学時代の大逆転劇。これは、紛れもない「現代のシンデレラストーリー」だと思う。
恋をしたから、変われた。
ただの「大学の恋愛」なんかじゃない。
自分を変えてくれた、人生のターニングポイントだった。
今も、彼女の横で勉強している。
これからも、ずっと一緒に歩んでいきたい。
GPA3.6以上の奇跡を、二人でこれからも作っていきたい。