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私と公衆電話

作者: イーちゃん

小学校低学年の頃、私は初めて公衆電話にじっくり触れる機会を得ました。盲学校に通っていたため、クラスは私一人。先生との1対1の授業で、特別な時間を持つことができました。その時間を利用して、公衆電話に触れることができたのです。

公衆電話に初めて触れたとき、私は不思議な感覚に包まれました。家の固定電話とは違い、公衆電話の受話器は独特の形で掛けられています。受話器を耳に当てると、どくとくな匂いが漂ってきて、私はその匂いがなぜか好きになりました。

受話器を取っても音がしないことに驚きました。家の固定電話は「つー…」という音がするのに対し、公衆電話はその都度お金を払う仕組みで、小銭やテレフォンカードを入れる必要があったのです。テレフォンカードの差し込み口には点字がついていて、視覚障害者にも優しい設計になっていました。

小銭やテレフォンカードを入れると、電話が繋がった音が聞こえてきて、番号をプッシュする「ピッポッパ」という音が響きます。この音は固定電話に比べてリアルで、私はその感覚が楽しくて仕方ありませんでした。公衆電話に触れたことで、私はますます電話をかけるのが楽しみになり、外出先で公衆電話を見かけると、「音を聞きたいから私にかけさせて」と家族にお願いするようになりました。

携帯電話が普及し、公衆電話は減ってしまいましたが、私にとって電話をかける楽しさは変わりません。あの頃のワクワク感を思い出しながら、今でも電話をかけるたびに心が踊ります。電話はただのツールではなく、私にとっては特別な体験を与えてくれる存在になりました。


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