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私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます  作者: Karamimi


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第47話:もう騙されません

「ジャンヌ、一体どういたのだい?大きな声を出して」


「シャーロン様…さっきの悪党たち、本当にあなたが倒したのですか?私はこれでも騎士団員です。彼らの動きやあなたの動きから見て、明らかに彼らは手を抜いていた…それはどうしてなのでしょうか?」


「君は何を言っているのだい?彼らが手を抜いていただって?そんな事、ある訳ないだろう?そもそも僕は、君のピンチを助けに来たのだよ。それなのに、どうしてそんな事を言うのだい?泣いて感謝されてもいいくらいなのに」


「泣いて感謝ですか…シャーロン様、先ほど1度ならず、2度までも私を助けたとおっしゃいましたよね?私は全て知っておりますよ…4年半前、私を助けてくれたのは、あなたではなくグラディオンだったという事を…」


「グラディオンの奴、そんな事をジャンヌに吹き込んだのか!ジャンヌ、信じてくれ、きっとグラディオンは、君を手に入れるため嘘を言ったんだ。君を助けたのは、僕だよ」


「…あの時の私は、本当にバカでどうしようもない人間でした…グラディオンがなぜ、あんな大けがを負ったのか…グラディオンがどんな気持ちで、私に“おめでとう、幸せになれよ”と言ったのか…グラディオンは、嘘なんてつかない。シャーロン様、私は手柄を横取りしたあげく、未だにあの時の恩を売って来るあなたが大嫌いです!」


 呼吸がしづらく息苦しい。それでも伝えたい思いがある。もう私は、あなたなんかに騙されたりはしない!そんな思いで、シャーロン様を睨みつけた。


「だからグラディオンが勝手に言っているだけだよ。それに今回、君を助けたのは僕だよ。その現実は、覆らない事実だ」


「本当にそうでしょうか?どうしてあなたは、私がここに連れてこられた事を…知っていたのですか?ここは王都の外れです…それに私たちは、騎士団からそのまま馬車出来ました。だから…本来あなたがこの場所を…突き止める事は不可能ですわ…それとも私に、居場所を特定できる器具かスパイでも付けていましたか?…あの当時、グラディオンに付けていた様に…」


「そんなものは付けていないよ。なんだい?僕の事を疑っているのかい?まるで僕が、彼らを利用して君を陥れたみたいなことを言って」


「私はそう思っておりますわ。それから…はっきり申し上げます。グラディオンは4年半前の事件に関して、私に何も言ってきませんでした…私は別の人物から、全てを聞いたのです…もう二度と、あなたを信じたりはしない。絶対に。だから私は、グラディオンとの婚約話を白紙に戻さないし、あなたと再度婚約を結び直す事なんて、絶対にありえません。いい加減諦めて下さい」


 これ以上この男と話をしていても無駄だ。頭がボーっとする中、必死に立ち上がった。


「待って、ジャンヌ、どこにいくつもりだい?」


「私はもう、帰りますわ…今回の件、正式に調査をしたら、真実が見えてくるでしょうし。今度こそ、真実を暴き出して差し上げましょう」


 にっこり微笑み、そう伝えた。


「ジャンヌ…君はどこまで僕を拒否すれば気が済むのだい?そうだよ、君を手に入れるため、彼らに頼んでジャンヌを呼び出してもらったんだよ」


「どうしてこんな事をしたのですか?もしこのような事がバレれば、あなただって…」


「僕はどうしても君が欲しいんだ。僕がどれほど君を愛しているか!だから昔みたいに君を助ければ、ジャンヌがまた僕の元に戻ってきてくれると思ったんだ。全て僕と君の幸せのためだよ。ジャンヌ、分かってくれ。僕がここまでしなければいけなかった気持ちを。僕はもう、ジャンヌしかいないんだよ」


「私を愛しているですか?私を手に入れるためなら…どんな事をしても許されるとでも?私の気持ちは?あなたは自分の事ばかりですね。その結果、彼らを巻き込んで…私はそんなあなたが大嫌いです。もう一度言います、私はあなたとは結婚しません。卑怯な手を使うあなたを、心底軽蔑します」


 今もてる全てを声に乗せ、シャーロン様にぶつけた。


「ジャンヌ、今自分が置かれている状況を分かっているのかい?君はファビレスに飲まされた薬の影響で、頭が朦朧とし、手足が上手く動かないのだろう?それにここにいる奴らは、皆僕の味方だよ。本当にファビレスが騎士団に残っていてくれて助かったよ。簡単にジャンヌをおびき寄せられたからね。相変わらず意思の弱い男だ」


「ファビレスを悪く言わないで下さい…彼はもう、あなたの思っている弱い男ではないですわ…彼が私に、4年半前の事件の真相を教えてくれたのです…彼は大切な私とグラディオンの仲間。仲間を馬鹿にする人は、許さないわ!」


「仲間だって?ジャンヌ、頭は大丈夫かい?現にこの男に騙されて、今君は窮地に陥っているじゃないか。でも、何でも信じるジャンヌ、僕は好きだよ。どのみち全てジャンヌにバレてしまったんだ。穏便に済ませるなんて無理だよね」


 ニヤリと笑って近づいてくるシャーロン様。夜会で見た時と同じように、背筋がゾクリとした。


「ジャンヌ、我が国の貴族は、非常に体裁を気にする。もし今僕が君を抱いたら、さすがにグラディオンとは結婚できないよね…そうなったらもうジャンヌは、僕と結婚するしかなくなる訳だ…ちょうど人も沢山いるし、証人は多い方がいいからね…」


「あなた、何を言っているの?頭は大丈夫…ではなさそうね…イヤ…来ないで…無理…あっちに行って…」


「へぇ~、ジャンヌでも涙を流すんだ。ジャンヌが泣いたところ、初めて見たよ。いいね、感情が高ぶるよ…」


 ゆっくりシャーロン様が私に手を伸ばして来る。


 イヤ…本当に無理だ…


 助けて、助けてグラディオン。

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