表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私だってあなたなんて願い下げです!これからの人生は好きに生きます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/53

第1話:そんなに私の事がお嫌いですか?

新連載始めました。

よろしくお願いしますm(__)m

 今日も私は1人、端っこである人物を見つめる。私の視線の先には、大好きな婚約者、シャーロン様と楽しそうに話しをする令嬢たちの姿が…


 私、ジャンヌ・マリアーズは15歳の伯爵令嬢。シャーロン様は侯爵令息で私の婚約者。美しい金色の髪に青い瞳をした、この国で3本の指に入るほどの美青年なのだ。その上お優しくて勉学や武術にも優れている為、シャーロン様の周りにはいつも令嬢たちがいる。


 ちなみに今日は、シャーロン様の16歳のお誕生日パーティが開かれているのだ。一応婚約者でもある私をエスコートしてくれたが、すぐに令嬢たちの元に行ってしまった。


「シャーロン様、またジャンヌ様がこちらを睨んでいらっしゃいますわ。本当に恐ろしゅうございますわね」


「ジャンヌ様は元騎士団員ですからね。きっとお強いのでしょう。シャーロン様はジャンヌ様に脅されて婚約させられたと聞きましたわ。お可哀そうに…」


 令嬢たちの声が聞こえてくる。


 オレンジ色の髪に少し吊り上がった真っ赤な瞳をしている私は、なぜか怒っていないのに周りから怒っていると思われているのだ。さらにお父様が現騎士団長で、私もかつて騎士団に所属していたことから、令嬢たちには怯えられている。


 確かにお美しいシャーロン様と釣り目でいつも怒っていると思われている私とでは、全く釣り合わない。そんな事は、私も分かっている。


 現にシャーロン様は、私を避けている様だし…


 きっと私の様な令嬢ではなく、お優しい顔立ちの令嬢と一緒にいたいのだろう。


 私だってそんな事は分かっている。でも…それでも私は、シャーロン様の事をお慕いしているのだ。4年前、シャーロン様と婚約を結んだときは、嬉しくて天にも昇る気持ちだった。まさか私が、シャーロン様と婚約出来るだなんてと。


 シャーロン様の気持ちに寄り添いたくて、大好きだった騎士団も辞め、令嬢としてのマナーを徹底的に叩き込んだ。見た目にも気を使い、極力上品な振る舞いをする様に心掛けた。


 でも…


 シャーロン様は、やはり私の様な令嬢を受け入れてはくれなかったのだろう。彼はいつも、他の令嬢と楽しそうに過ごしている。


 これでも昔は、仲が良かったのだけれどな…


 ふとシャーロン様の方を見ると、この国の第二王女殿下と楽しそうにお話をしている。とても美しい第二王女殿下は、婚約者の私が見てもシャーロン様とお似合いだ。


「あのお2人が一緒にいらっしゃると、本当に絵になりますわね」


「本当ですわ。でも、シャーロン様とご婚約されていらっしゃるのは…」


 そう呟いた令嬢と目があった。すると


「申し訳ございません。どうかお許しを!」


 そう言って急いでその場を去って行った。きっと私が睨んだと思ったのね。元々私、こういう顔なのだけれど…


 周りの婚約している令息や令嬢たちは、2人で仲睦まじく過ごしている。その姿を見ていると、婚約者に相手にされていない自分が、本当に惨めになる。


 なんだか今日は猛烈に疲れた。これ以上ここにいても辛いだけ、そろそろ帰ろう。でも、一応エスコートしてくださったシャーロン様にご挨拶をしないといけない。


 楽しそうに話しをしているシャーロン様の元に近づいた。


「あの、シャーロン様…」


 私が声をかけると


「それではシャーロン様、また後程。ジャンヌ様、あの…ごめんなさい」


 なぜか第二王女殿下が私に謝罪し、その場を去って行ったのだ。もしかして、私が文句を言いに来たと思ったのかしら?


「あの…」


 違います。そう言おうとしたのだが…


「ジャンヌ、僕はただ、王女殿下と話をしていただけだよ。それなのに嫉妬して、あんな風に殿下を追いやってしまうのだなんて…さすがにまずいのではないのかい?」


「申し訳ございません。私は決して、殿下を追い出そうと思って話しかけたのではありません。そろそろ帰ろうと思いまして…それでシャーロン様にお声がけをと思いまして」


「そうだったのだね。それじゃあ、そろそろ帰ろうか」


「いえ、私1人で帰りますわ。どうかシャーロン様は、この後もお楽しみください。本当に申し訳ございませんでした」


 必死に頭を下げた。どうして私は、こうも誤解されるのかしら?


「僕は君の婚約者だ。婚約者を1人で帰す訳には…」


「シャーロン様はお優しのですね。でも、ジャンヌ様は勇ましい令嬢ですので、きっと大丈夫ですわ。あちらで私たちと話をしましょう」


「でも…」


「私は大丈夫ですわ。どうか令嬢たちと話をして下さい。それでは失礼いたします」


 ペコリと頭を下げて、急いでその場を立ち去ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ