いつもの人 4
数日後、慎也は優菜の会社に居た
先日の追加の内容で合意が取れたので、契約変更に伴い説明に来ていた。
会議は白熱し、一時は白紙になりかけたが
慎也の持っていた別のプランを紹介してすべて穏便に纏った
会議終了後複数の人間が慎也のもとに来て
「長井さん頼りになるよ!これからもよろしく!」
「この件は長井さんじゃなければうちは降りてるよ」
「さすがoo社のエース!」
誉め言葉などの声を掛けられた
「いえいえ、こちらも無理言ってますし、御社とはこれからも良好で居たいので」
と謙遜したが心の中では
”っまこんなこともあろうかとプランいくつか用意してよかったぜ”
”いくつか用意しとかねーと纏んねーよこんな案件”
そう心で呟いた
会議終了後、帰社とタイピン引き取りの為受付に行った
だが受付には優菜の姿はなく、別の女性社員がいた
だが慎也はその女性に見覚えがあった
「あっ加藤さん!こんにちは」
女性は、慎也を見て
「あっ長井君!久しぶり!元気だった!」
加藤と名の女性は慎也とは顔なじみだった
「お久しぶりです!復職されたんですか?」
加藤は出産の為休職していたが先々月から復職していた
「そうなの!やっと保育園見つかってさ!よかったよ!」
「いやぁよかったです!加藤さん復職されたなら色々安心です!」
「なに~!なんか怖いんだけど!」
二人はたわいのない話をした。
「あっそうだ、この間来た時タイピン落としたんですけどあります?」
「タイピンねぇ...待ってて確認してくるから!」
加藤は確認のため後ろの部屋に入っていった
そしてすぐ戻ってきた。
「これでしょ!このタイピン!」
手には慎也のタイピンを持っていた
「あっありがとうございます!よかった見つかって!」
「それ結構長く使ってるの見るけど思い入れあるの?」
「まぁちょっと思い入れがあるくらいですね」
「なに~元の彼女?」
「いやいや違いますよ!」
加藤とたわいもない話をしていると
”あっ今日来てたんだあの人...."
受付の反対側で二人が話しているところを
柱に隠れて見てる社員がいた
それは、優菜の姿だった
"加藤さんと話すときあんな感じなんだ.....私の時と違う...”
”あんな顔するんだ...あの人....”
「なんかジェラシー感じるな....」
優菜がつぶやくと