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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     狩の稽古
9/92

ステップアップ

(2/3)

(1日目)

Step1

魔牛と対決する前のウォーミングアップに 普通の雄牛と対決!と思ったら・・


龍の草原で飼育している食用牛は ドラゴンの存在に慣れきっているので

ゴンの姿を見ても 動こうともしない。


仕方がないから、ゴンがちょんとしっぽで牛の頭をなでると昇天

 あとは ボロンとミューズの依頼に応じて 牛を魔法で解体して人族の食用に渡した。


「これじゃあ ぜんぜん練習にならないよ」ゴン


「しょうがないだろ。普通の牛は、ドラゴンの気配を感じただけでパニックするか気絶するんだから、ここで飼われている牛は みんなドラゴンを意識しないように暗示をかけているんだ。さもなきゃ ママのおなかの中にいるときからドラゴンの気配に慣れているかで・・」ボロン


「知らなかったぁ」ゴン


「これから どんどん知らなかったことに気が付いて

 君の目の前の世界が 違ったものに見えてくるよ」

ミューズは そういってゴンの背中に立って 首筋をなでなでした。


Step2

次は大牛


大牛は ゴンの姿を見て逃げた、全力で。

 仕方がないから 牛の目の前に飛び降りて しっぽでゴンと一撃

 ワン ツー スリー アウトぉ


あっけなく終わった


「ぜんぜん 勝負にならない」ゴン


「だな」コンラッド


こちらは おいしくマルっと頂いた。

 皮は 魔法でなめして共用の空間倉庫へ入れた。


「おかしいな 前は 突っかかってきたのに。」首をひねるゴン


「勝てない相手からは逃げる、これが 自然界の知恵じゃよ」コンラッド


「ってことは 前は 僕の方が舐められていたんだね。」ゴン


「まっ 生まれたての龍なら 体も力も小さいし 魔法の使い方も戦い方も知らんからな、魔物なら 幼龍を食って 自分の力を大きくしたいと考えるだろうよ」コンラッド


「そういうものなの?」ゴン


「ああ だから 龍の親は 子供が小さい間は自分のかたわらからわが子を離さず

 集団で幼龍を守るんじゃよ。

 たとえ 卵だけ残さざるを得ないときでも 自分と同等以上に強くて信頼できる者に後を託すしな」コンラッド


「僕のドラゴン父さんやドラゴン母さんは どんな人だったの?」ゴン


「大きくて強くて美しかった。

 お前の父親は 誇り高く 戦闘力も高かった。

  均整の取れた筋肉質の大きな体で 炎のブレスは敵を一瞬で消し炭に変えたよ。


 お前の母親は 優美でほっそりとした体だったが、攻撃魔法が得意でな。

  鳴き声で 岩をも砕き、敵の脳を破壊することもできた。


 しかし 強い体を維持するには 大量の餌を必要とするし

 高すぎる攻撃力は 獲物を一度に倒しすぎるから

 だんだんと食料不足に悩まされるようになったのだ。


 しかも ドラゴンは食べれば食べるほど体が大きくなり

 より多くの食糧を必要とするようになるからなぁ。

 魔力を使えば その分食べねばならないし。


 食事量と活動量のバランスをとるのがむつかしいんじゃよ。


 卵を次々産めば 子供達の分の食糧も必要になるしな。

 しかし 獲物が育つ大地の地力には限界がある。


 だから お主のご両親は この世界をお前に残して旅だったのだ。

 こどもが 飢えずに生涯を楽しく暮らせる生き方を教えてやってほしいとわしに願いを託して。

 お前が卵から出て来た時には、幼児期のお前が食べるに困らぬほど、

 獲物達の個体数が増え、自然環境がととのっているようにと、

 龍の生存環境が整うまで、卵の中でお前が眠っていられるようにとまじないをかけて旅だった。


 その後両親の願いがこの世界に届いたのか、お前の目覚めの時にボロンやミューズがやってきたのは 予想外の幸運だったとわしは思う」


「そっかぁ。スカイや君やボロンやミューズに出会えたのは、

 僕の父さん・母さんの引き合わせかもしれないんだね」

 ゴンは 嬉しそうにフェンリルに身を寄せた。

  フェンも ゴンの腹のモフモフに体をすりよせた。


遠目には 真っ白なモフモフの塊が ゴンの腹にくっついているように見えた。

 ゴンのおなかのモフモフも白い毛だったから。

 ちなみに ゴンの背中側は 黄色のふっくら羽毛であった。

(注:ドラゴンクラン幼龍編を未読の方の為に)


大牛は 魔牛と普通の牛との間のミックスです

 一般的には 魔牛雄と普通の牛雌の間にできた子です


 魔牛並みに 体が大きく力が強く 性質は普通の牛並みなので 役牛としての評価が高い


 龍の草原に来てから 大牛と大牛の間に生まれた子もいます

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