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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
番外編 清明の結婚
89/92

バチェラーパーティー

清明が婚約したと聞いたミューズは 楽しそうに言った。

「バチェラーパーティーをしよう!」


「なんです?それ?」デュラン


「独身最後の夜に 新郎予定の男性とその男友達が集まってやるバカ騒ぎさ!」ミューズ


「それも 異世界の風習ですかね?」デュラン


「そうそう。」ミューズ


「いやですよ。せっかくの結婚式に二日酔いで参加するのは」清明


「それって 新婚家庭に不和をもたらす為の嫌がらせ行為じゃないか?」ボロン


「二日酔いの酒臭い息をして結婚式や初夜を迎えたら、一生恨まれそうです。

 それに 私としては、ベストの体調で大切な妻を迎えたいですし、

 せめて新婚の時くらいは 最高の自分を見せたいです。

 どこまでできるかどうかは別にして」清明


「そもそも こうやって 清明の婚活成果を聞きに集まっていることそのものが、バチェラーパーティーみたいなもんじゃないか」スカイ


「ほらさ、結婚したら夜遊びできないから、独身最後の夜を楽しもう!とかって言わないの?」ミューズ


「そもそも 私は 夜遊びなんてしません。」清明


「独身時代に バカ騒ぎや夜遊びする人って、結婚後も なんやかんやと口実を作って同じことをやってるような気がしますけど」デュラン


「だね。

 うしろめたさを紛らわせる口実さへあれば、って感じだね、

 風俗とか バカ騒ぎが好きな人間は。

 結婚前は「男の付き合い」、結婚後は「仕事の付き合い」って名目をつければいいって感じだ。」スカイ


「そうそう そして そういう遊びに世間が白い眼を向けだすと、

 『これは雄の特性だ!』とかって自己正当化を図って、批判する者を悪者呼ばわりの大合唱!」デュラン


「社会人経験の長い人間ならではの意見だな」コンラッドが スカイとデユランを眺めて言った。


「ってことは ドワーフには そういう傾向はないのかい?」ミューズ


「ああ 昔ながらの伝統を重んじる家庭や集団では、やっぱり家族・親族・仲間の親睦に性別は関係ないからな。

男だけ 女だけで集まったって、めいめいの家族もまた互いに親しく付き合っていたら、そんな悪い遊びなんてできないよ」ボロン


「結婚前の仲間を疲れさせるようなことはしませんね。

 やっぱりベストの状態で新生活に送り出してやりたいと思うのが人情ですよ」デュラン


「そっかー。

 でもさー、やっぱり結婚したら 家庭が大事になって ドラゴンクラン出てこれなくなるこれなくなるようなことを、以前清明は言ってなかったっけ?」ミューズ


「そのことについては、ちゃんと事前にキャラハンに確認をとっています。

 私が ドラゴン・クランの一員であり、

 その縁で 国王に即位する前のスカイとも知り合い、今もご厚情いただいているので、

 時々 急に家を空けたり、連続して個人休暇を取ることもあるし、

 その間の出来事については守秘義務で話せないことの方が多いので詮索しないで欲しいし、

 それが結婚生活の維持に必要不可欠だってことは」清明


「ふーん それで彼女は納得したの?」ミューズ


「納得しない人とは結婚できません」清明


「そのあたりの確認には わしも手を貸した」コンラッド


「そっかー」ミューズ


「その代わり 私もしっかりと条件を付けられましたよ」清明


「へー どんな条件だい?」ボロン


「キャラハンの仕事に口を出すなって」清明


「あれ? 彼女は自分の仕事をやめて領主婦人の仕事に専念するんじゃなかったっけ?」ボロン


「そうそう その為に、領主婦人の仕事をに就任するための支度金・領主婦人の仕事を引き受けることに関する年俸などの契約までかわしたんじゃなかったっけ?」ミューズ


「それがね、最初は、単純に 結婚したら領主婦人としての役目に専念するって話だったんです。

 ところが、私が 結婚後も家庭を抜けることがあるって告げたとたんに、仕事は止めないとか言い出して、領主婦人の仕事に専念してほしければ、支度金を出せ・年俸を払えって話になっちゃったんですよ」清明


「なんだ 年俸云々は そういういきさつで決まったのか」ボロン


「そうなんです」清明


「つまりそこまでして結婚したい相手だったんだな、キャラハンは」スカイ


「いえいえ全然。なんかもう 完全に妥協です。

 契約結婚っていうのかな?こういうの・・」清明


「そこに愛は?」ミューズ


「これから (つむ)ぎます」清明


「ええ~~~~~」ミューズ


「まぁ 悪い人ではなさそうですし、婚活に疲れました。

 それに 恋が結婚につながるわけでもないと悟りましたから」清明


「それって 将来に浮気が発生しそうな」ミューズ


「それはないです

 だって 自分がのぼせた相手って どう考えても結婚につながりそうもなかった人だってのは 十分わかってますし

 この先 誰かにのぼせたとしても そういうのは封印しますよ。

 トラブルは嫌ですから。


 それに 私は どっちかと言えば ”結婚生活”へのあこがれが強いんです

 そして そのあたりについては キャラハンともいろいろ話して まあご理解いただいたというか、わりと共通点があったというか・・・」清明


「なんか 心配になってきた」ミューズ


以上が 清明の婚約直後、結婚3か月前の話の前半である。


このあと、キャラハンと清明の仲についての さらに詳しい話は 次のページへ。

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