清明の婚活
スカイの方は 国王である前に魔法使いでもあったので、あまり婚姻をせいてはいなかった。
というか 立場上 わずらわしさが先に立って、現実的に考える気に成れなかったという面もある。
「僕にとっては、王の務めは義務。
僕の本命は魔術の研究。そこで 僕の余暇がだいぶん費やされて
ぜんぜん 恋愛パワーまで回らないよ」スカイ
「私は やっぱり 家庭生活と言うものに憧れますねぇ。
生活が安定したら、結婚して子供を持ちたいです」清明
「じゃあ がんばって婚活したら?」スカイ
「縁戚関係からの見合い話は 怖いんです。
おじさんやら おばさんやら 年上の人がもれなくついてきて、
お見合い相手の女性と会う前に、山盛りてんこ盛りの因縁話つきの年長者の相手がたいへんで・・挫折しました」
「ふむふむ」
「町での出会いを求めて 喫茶店とか飯屋に出入りしてみたんですが・・
客としてきているお嬢さんたちからは 年寄扱い
店員さん達からは 金づる扱い
だめでした」
「それはそれは」少し笑いを含んだ声で相槌を打つスカイ
「交流会にも行ったんですが・・
なぜか 商談の場になってしまって・・」
「うん その話は わりとよく聞く。
今時の女の子ってしたたかなんだよ。
ていうか 若い男性が自分を売り込むために交流会に行くのと同じ感覚で
女性達も仕事上の売り込みに交流会に参加してるんだよな。
ところが 男の方は 交流会に来る女性は皆 異性との出会いを求めていると勘違いしているのが問題なんだ」スカイ
「だったら なんで 交流会で出会った子と結婚する人が多いんですかね?」
「それは 交流会の質が違うんじゃないかな?
僕たちが参加する交流会と 結婚目当ての人が行く交流会と」スカイ
「なぜ そう言えるんです?」
「あー 一応 王家の影が 公爵や伯爵達が参加する交流会については把握しているから。ごめん」スカイ
「で?」
「つまり 君は というか 君が参加したと報告があった交流会は、すごくまじめというかまっとうなものばかりだから・・
それにコンコーネ公爵って、仕事ができる、女性に礼儀正しいって評判だから
仕事上で接点を持ちたい女性達から狙われるんだよ。
しかも 君、婚活目的の女子はスルーして、まじめ系の女性の相手ばかりしてるってもっぱらの評判だし、影からの報告でもある」スカイ
「ショックです。
私は たんに まじめな信頼できる女性を伴侶としたいだけなのに。
じゃあ 婚活メインの交流会紹介してくださいよ」清明
「xxxx」スカイ
「xxxxって けっこうみだらな噂もある会ですよね」
「そりゃ 男も女も玉石混交だから」スカイ
「ぎらついた連中の居るところには近づきたくないんですよねぇー」
「確かにね。
そういうのを巧みにかわしながら 好みの相手を見つける手管ってのは、僕にも君にもなさそうだよね」スカイ
「うーん
そんなに貴族系の情報を持っているなら、だれか紹介してくださいませんか?
まじめで 優しくて よく気が付いて しっかりとした子」清明
「そういう女性は お見合い市場に載る前に売れていくから・・」スカイ
「だからこそ 早めの情報を!」清明