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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
番外編 清明の結婚
83/92

コンコーネ公爵

コンコーネ公爵清明といえば、今ではスカイ国王の盟友、ドワーフの友、

そして 一時経済的に下り坂にさしかかっていたコンコーネ領を復興させた立役者として、王国では一目置かれる存在となっていた。



もともとコンコーネ領はやせ地であった。


そこにブドウ畑を作りぶどう酒の産地として栄えさせたのが初代コンコーネ公爵


しかし 王国全体の経済活動の活性化により、第2次産業が芽生えてくると、いつまでもブドウ畑にすがった領地経営ではジリ貧である。


そこで これまで農業に向かないとみなされてきた土壌を活かして、焼き物をはじめたのが、中興の公爵と呼ばれた先々代のコンコーネ公爵であった。


そして 清明の父の時代に、食器の販路を王国全体に行きわたらせ、コンコーネ領にも公爵家にも富が蓄えられた。

 それが お家騒動の源となったのだから、皮肉というか 人の欲の愚かさというか・・


しかも 清明がコンコーネ公爵家を継いだ時には、高級食器が王国内の貴族にいきわたり、新規購入者が激減していた。


そこで コンコーネ領の経済活性化に清明は 次々と新機軸を打ち出した。

 ドラゴン・クランやドワーフギルドの協力を得て。



領主がクランと協力して 経済活動を展開するというのは、当時の王国としては非常に画期的なことであった。


また 人間の領主がドワーフギルドに仕事を依頼するというも 近年無かった話であった。

 言い換えるなら、ドワーフギルドが、開拓や町づくり・道づくり以外の仕事を 領主から請け負うというのが きわめて珍しいことだったのだ。

 さらに、領主個人から ドワーフの親方が鍛冶仕事を請け負うことはあっても、

 ギルド案件になるほどの大規模な発注を領主から請け負うというのは、

 現役の今のドワーフ達にとっても 本当に久方ぶりのことであったのだ。


「種族を問わず、窓口に訪れた個人の人柄を見極めて対応するドワーフギルドの基本方針が、かつての少年(清明)の命を助け、今のドワーフギルドの大口顧客(領主清明)につながったということじゃのう」とドワーフ老人達は 忘年会で杯を傾けたとかかんとか・・・



コンコーネ領の立て直しが軌道に乗るまでは、スカイは 清明との関係を

ドラゴンギルドの それこそ龍の庭限定での付き合いにとどめていた。

 それは えこひいきだのなんだのと心無い噂をたてられて、清明の努力を否定されるのも、逆に皇太子~新米国王であった自分への中傷につながるのも避ける為であった。


しかし、今では、スカイ国王も、「仕事中毒の王様」と国民から広く認知され、

清明も「コンコーネ領復興の救世主」と領民から称えられるに至った。


しかも 官僚たちからは、「仕事中毒の国王の関心を逸らせることのできる唯一の救世主」として清明が仰ぎ見られるようになった。

 これは もともとはアランの新婚旅行がきっかけなのだけど。


というわけで、30歳も過ぎ そろそろ40の声が聞こえるようになった清明とスカイは、最近 よく一緒に駄弁(だべ)るようになった。


 その 主な話題は・・・結婚したいなぁ、しようかなぁ、でも お相手が・・・

 出会いは・・・ であった。

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