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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     ゴンの冒険!
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空中鬼ごっことかくれんぼ

地中洞窟で暮らす4人のノーム達が スカイボードを乗りこなせるようになった!


これで ノーム達が、第1のり出し岩から 第2の張り出し岩までスカイボードで移動して 温泉プールを楽しめるようになった。


ちなみに 地中洞窟の栽培活動にあたっている牧人達は、ボードに乗せてもらうのは怖いからと言ってお留守番だ。

 最初は 遠慮しているのかと思ったが 本当に怖いらしい。


たぶん 最初の頃 練習中のノーム達が、飛行感覚をつかむためにミューズのボードにのせてもらっていて、ボロボロと落ちるのを目撃したからだろう。

 ノームというのは案外丈夫で 2mくらいの高さから落下しても「イテテ」程度ですむのだ。

 一応地面には 巨大エアクッションも敷き詰めてあった効果も大きいのだが。


 体型的にノーム達はバランスをとりにくいのか?と思ったが

 どうやら「バランスをとること」そのものに慣れていないかったらしい。


「わしらは 洞窟暮らしが長いからなぁ」大ちゃん


「飛び跳ねたことすら ないな。」どっこい


「しっかりと踏ん張る。体がぐらつかないように踏ん張る」ポンポン


「だから 足元が傾いたら 体も一緒に傾いて・・落ちる」

ピーターが笑いながら言った


というわけで 魔力の無い牧人達は「空を飛ぶのはご遠慮します」となったのだ。

 なにしろ ノーム達は 一人でボードに乗るようになっても

「わわわ」「うぉー」と叫びながら にぎやかに かしいだ体でバランスを回復したり、妙なスタイルでボードにうずくまっていたり、その乗りこなしスタイルがユニークなのだ。


ミューズやスカイのような エレガントさやかっこよさは皆無

二人は まるで 磁石で足がボードに吸い付いているかのように、体の軸はまっすぐ安定して乗っているから、たとえボードが傾いていても 絶対に落ちないだろうと見ている者にも安心感があるのだ。


それに比べてノーム達は 見た目「なぜ落ちないのか不思議」なスタイルでボードにのっていたから、牧人達は とてもではないが ノームの操るボードには乗れない・載りたくない!と思ったのだ。



・・

そして いよいよ ゴンちゃんが楽しみにしていた「空中鬼ごっこ」の日


場所は 白の台地だ。


ノーム達は 何千年ぶり?かでかつての故郷の地底に降りて感無量。


まずは 海に向かってお供え物をして、帰郷を報告した。

 地底の海は波も小さく穏やかだ。でも塩水。広い

 海面には うっすらともやがかかっているので 水平線は見えない


別に海神信仰をしているわけではないが、見事になにもない故郷の荒れ地を前にしては、帰郷の報告をするにも どこに向かってしてよいかわからない、だったら 穏やかそうな海にしておこうか、というのがノーム達の考え。

 割とアバウトである。

 というか 彼らの本当の居住区は 今はジャングルに埋もれていて近づけないから

 とりあえず、地底にまで下りた記念にと言った感覚もあった。



海に向かって 「これから また地底に来れますように。地底では無事に過ごして洞窟にもどれますように」とお祈りをしたあと、

みんなで 鬼ごっこをして遊んだ。


ルールは シンプルに

 鬼は一人

 鬼にタッチされた人は・・


「ドラゴンのタッチって どうやるんだ?」ピーター


「僕が小型化して 君たちの頭の上に止まるってのはどうだい?」ゴン


「じゃ ちっちゃなドラゴンに俺たちは どうやってタッチすればいい?」ピーター


「僕のしっぽにさわればいいよ。そっとにぎってもいいよ」ゴン


「しっぽで吹っ飛ばされそうな気がするんだが」ポンポン


「大丈夫。だって 鬼になって追いかけるのも楽しそうだから」ゴン


というわけで みんなで鬼を決めるためのじゃんけん。

 人族は皆、掌で形を作るが ゴンは「ぐー・ちょき・ぱー」のどれかを口で言う


というわけで 台地の上で 心行くまで飛び回って遊んだ。


「君が 小さくなって飛び回るなら、 ここまで来なくても第1張り出し岩の上でもよかったな」どっこい


「だねー。今度からは 向こうで遊んでくれる?

 それなら もっとたびたび遊べそうだから都合がいいな♪」ゴン



というわけで それからちょくちょく ゴンは 大ちゃん達の所に遊びに来るようになった。


そして、張り出し岩周辺で かくれんぼをしたり、「けいどろ(警官が泥棒を(つか)まえて囲い設定の場所につれてくる、泥棒はつかまった仲間を助けに来て、鬼に気づかれることなく仲間にタッチできれば捕まっていた仲間は逃げることができる。警官が泥棒を全員捕まえたらゲームセット)」などいろんなバリエーションの鬼ごっこをして遊んだ。

 「けいどろ」の時の鬼(警官)はもちろんゴンだ。

  

 ちなみに手つなぎ鬼でゴンが鬼になったときは、つかまったノーム達はゴンの背中に乗せられた。


 乗せるノームの人数が増えるほど、ゴンの体が大きくなっていくから、

 ゴンは 体を大きくしても静かに飛べるようにように 大いに気を使った。

だって  逃げてるノームを捕まえに行くときに、スピードを出しすぎて通り過ぎてしまうと困るから。

 それ以上に羽ばたきで吹っ飛ばしてはいけないから。


逆にゴンが鬼に捕まった時は、鬼役のノームの頭の上に乗っかるのだが、

スカイボードに乗っている鬼さんは結構スピードを出して急カーブや反転するので

しかも ノーム達はボードを操縦するときに 激しく体を動かすので

そのノームの頭の上に乗っかっているのは 意外とむつかしかった。

 足に力を入れすぎると 『痛い!』って言われるし

 ケガさせてもいけないし

 でも 鬼の頭から落っこちるのも興ざめだし・・


というわけで 結果的に ゴンは 風にそよぐ小枝にまるのが上手になりましたとさ。


「念のために」とコンラッドがゴンといっしょに地中まで下りてきたときは、

コンラッドも一緒にかくれんぼや鬼ごっこに加わった。


コンラッドがかくれんぼの鬼になると・・百発百中で発見されてしまう。

 「ぼくも 頑張って嗅覚きゅうかくきたえようっと。

  どうやって かぎ分けるか教えて♡」ゴン


 「うーん 臭を覚える工夫をせよとしか言いようがないなぁ」コンラッド


「神獣ともなると、足跡の臭いをたどらずとも 居場所がわかるとはさすがだな」

とは大ちゃんの弁


「そういえば 僕たち みんな空中移動して隠れているのに 見つかっちゃってたね」ピーター


「フェンリルの嗅覚って 広範囲なんだねぇ」ポンポン


「嗅覚だけではない。五感をませるんだ」コンラッド


「わしは 観察と経験をもとに 隠れていそうな場所を推測して見て回るんで十分だよ」どっこい

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