ノームの魔力
実は ノーム達は魔法が使える。
このことをコンラッドが再発見?したのは、ちょっとした会話からだった。
・・
川が流れる地中トンネルでの飛行訓練のあと、ノームの洞窟に行き、ミルクシェイクを飲みながら温浴するというぜいたくを楽しんでいたコンラッドとゴン。
二人に付き合いながら ゆで卵を食べていたノーム達。
「おじさん達が空を飛べたらなぁ。
そしたらみんなで張り出し岩の上にある温泉にって、一緒に浸かれるのに」ゴン
「お前さん達が使っているスカイボードがわしらにもあればな
ここの 洞窟の中にとどまらず、もっと自由にで出歩けるのだが」
大ちゃんが控えめに言った。
「しかし スカイボードを操るには魔力がいる」コンラッド
「以前 牧人達といっしょに乳牛やらめんどりやらが来ただろう。
その家畜たちがここで繁殖して それらから産み出された魔素成分たっぷりの鶏卵やら乳を飲み食いしていたら、わしらの枯渇していた魔力も回復してきたみたいなのだ」どっこい
「ていうか 休眠する前よりも 魔力が増えているよ、僕は」ピーター
「そういえば お前さん達は わずかであったが 魔力を持ち
魔法が使えたの」コンラッド
「そうだよぅ、魔力がなければ休眠魔法は使えないんだから」ポンポン
「いや すまん。忘れておったわ」コンラッド
「まあね。お主と再会した時のわしの体には 魔力なんぞほとんど残ってなかったからな」大ちゃん
「休眠中に魔力が尽きれば 体はチリになるし
目覚めたときに魔力が尽きてもチリになる。
大ちゃんがわしらを起こす前に 魔力補給を行なってくれたから
わしらは無事に目覚めることができたんじゃよ」どっこい
「そうか 手伝えなんですまなかった」
コンラッドが大ちゃんたちに頭を下げた。
「いいんだよ。わしらは 顔みしりであったが、そんな助け合うほど親しい仲ではなかったのだから。
むしろ 再会してからの協力体制があればこそ、わしらの今があるのだ」
「そう言って頂けるお心遣いに感謝する」コンラッド
「どういたしまして!」ピーター
「お前が言ってどうする」ポンポンがピーターの頭をはたいた。
「それでな ものは相談なのだが、わしらにも スカイボードを売ってもらえんだろうか?
その、値段は交渉の上ということで」大ちゃん
「ふむ 考えさせてくれ」コンラッド
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