表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     ゴンの冒険!
75/92

はじめの一歩

(ボロン達がカンカン関係で忙しくしていた頃のゴンの冒険談)

ゴンはいつものようにコンラッドと一緒に 食事をしていた。


今日は 魔ウサギの踊り食いである。


 魔ウサギの巣の上で どんと足を鳴らす。


 巣穴から飛び出してきた魔ウサギをしっぽで跳ね上げてパクリ!


仲間が食われたのを察知したほかの魔ウサギたちが 一斉に襲い掛かってくる。


魔ウサギの歯は鋭いので、ゴンの柔肌では まだ嚙みつかれるとケガをする。


それゆえ 襲い掛かってくる魔ウサギをかわしつつ、しっぽでポイポイと魔ウサギを跳ね上げてはパクリの連続技


 これ 食事兼反射神経を養うトレーニングでもある。


コンラッドと一緒の食事は たいていこんな感じに、狩の練習やら 何やらのトレーニングを兼ねている。


おかげで あんまり食べた気がしないのだけど、「野生の暮らし」ってのはこんなものだとコンラッドは言い張るので 従っている。


「でもさ コンって あんまり野生の暮らしをしているようには見えないんだけど」

食後のデザートに魔牛の乳で作ったミルクプリンを二人で食べながらゴンは言った。


「そりゃまあ 歳だから」コンラッド


「ほんとに~?」ゴン


「というか わしだって 人間たちに出会う前は 荒野を走り回っておったぞ。

 今は 人族ばかりの世の中になってしまったが。

 地中に潜れば そこは野生の世界だ」コンラッド


「だけど 地中世界は 温泉以外は ボロンにはつらそうだねぇ」ゴン


「だったら しばらく わしと二人で 飛行訓練をするか?」コンラッド


「いいの?」ゴン


「わしは かまわんぞ」コンラッド


「でも ボロンが寂しがらないかなぁ」ゴン


「ふふっ これからは お前さんがボロンをさみしがらせてやってもいいのではないか?」コンラッド


「あー ぼくのことを ママのエプロンにしがみついている赤ちゃんだと思っているでしょう」ゴン


「ああ いつも ボロンが見えるところ、ボロンの気配のする所にいたがるチビさんだな」コンラッド


「でもさ ボロンは 僕ほど活動的ではないから、昼間は 僕もコンラッドと一緒に空を飛んで、朝と晩と お休みの日にボロンと一緒に過ごせればいいかなって最近思うようになってきたんだ。」ゴン


「ほぅ お前さんも はじめの一歩を踏み出したか」コンラッド


「なにそれ?」ゴン


「ママから離れて 家族以外の仲間と一緒に活動することを始める はじめの一歩

 おや ドラゴンだから はじめの一飛ひととびかな?」


「うん、それ! 僕もやってみたい!」


ゴンは この間ミューズに読んでもらった絵本「ケンケンケンちゃん」を思い出して言った。

 これは ケンちゃんが けんけんしながらお散歩して

 出会った生き物たちとじゃんけんしては 仲間を増やしていくお話なのだが

 「けんけんケンちゃん けんぱっぱ♬ じゃんけんしようよ♪」

 のフレーズが楽しくて・・


ゴンは 心ひそかに思ったのです

 地底世界に行って 誰に気兼ねすることもなく ケンケンしたいなぁ

 しっぽを振り回したいなぁ と。


※ 土日休日は 朝8時 

  月~金は  朝7時の1回投稿です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ