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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
第1章 悩めるパパたち
7/92

宴のあと・ゴンのリボン

(6/6)

こぉけこっこ~

うわぁ~

 翌朝 雄鶏の時の声に続いて ボロンの叫び声が響いた。


「だ だ だれだ? 君は!」

目が覚めると 隣に金髪の美少女が眠っているのに気付いたボロン


彼の悲鳴で起こされたのか 目を開けた美少女は 

 にこ~と笑い 上半身を起こした。


「なんだ 君か びっくりした」ボロン


「やった! やっと君をびっくりさせることに成功した!」

ガッツポーズを決めるミューズ


「まいった 参りました。

 君 眠っているときは すっごい美少女でお姫様だ」


ボロンは少し顔を赤らめベッドから降りようとしたら

「ここは 君の部屋。

 またね~」

そういって 手を振りながら ミューズが陽気に部屋を出て行った。


(はぁ 木綿の透けない生地とはいえ、ネグリジェなんか着てベッドにもぐりこんでいたミューズは あれは絶対に計画的だな。あーびっくりした)

ボロンはベッドの上に座って ミューズを見送った。


そのあと、朝ぶろに入り、階下に降りてオレンジジュースを飲み、桃を食べ

寝室に戻って2度寝することにした。

 二日酔いの解消には ビタミンと水分と睡眠が一番! とばかりに。


一方ミューズは、1階のお風呂に入って酒の臭いを落としてから 

家畜たちの世話をしに行った。

 キッチンの伝言板に「朝の仕事は僕がやるから、ボロンはゆっくりと休んで♡」とメッセージを残して。


 そう 今では 館の2階にボロンの寝室と共用の浴室が追加されていた。

(以前は ボロンはゴンと一緒に地下の給湯室とその隣の部屋を使っていた。ミューズの寝室は 以前から2階にある。最初は共用の浴室は1階だけだった。)


・・

2度寝をしているボロンの部屋に、体を小さくしたゴンが入ってきた。

 かごの中の ふわっふわのパンケーキはミューズが焼いたものだ。


「おっはよ~ もうお昼だよ~」


ゴンは テーブルの上にかごを そっとおろしてから、

ベッドの中のボロンを羽でつついた。

「いっしょにお昼ご飯食べよ~」


ボロンは ゴンが入ってくる気配で布団をひっかぶっていたのだが、

顔を半分だけ出して

「おはよう。昨夜は 騒がしくしてごめん」と言った。


「悪かったと思うなら 僕と一緒にお昼ご飯食べてね。

 せっかく 運んで来たんだから」ゴン


「はい。

 身支度するからちょっと待って」

ボロンは大急ぎで身なりをととのえて テーブルに着いた。


ゴンは 椅子の上にちょこんと座って待っていた。


かごの中には パンケーキのほかには、自家製のチーズ・ヨーグルト(ブルーベリージャムつき)、野菜サラダ(3種類の葉物とオレンジ)が入っていた。


「君 その大きさの体で ずいぶんたくさん運べるんだねぇ」ボロン


「(^ー^* )フフ♪ 変身するときに 体の大きさだけでなく 発揮できる力の大きさも調整できるように練習したんだ♬」ゴン


「すごい! ほんとに君は 勉強家で進歩も早い!」ボロン


「でも ナイフやフォークはまだ使えないから 食べさせてね♡」ゴン


「はいはい」


ボロンは パンケーキを切って、自分とゴンの口にかわるがわる運んだ。

ヨーグルトやサラダも ゴンの希望に合わせて 口に運んでやった。


ゴン嬉しそうにしっぽをたてて、パクパク食べた。

 しっぽの先には きれいなリボンが蝶結びしてあった。


眼が点のボロン。


「これね しっぽを振るとすぐにとれちゃうの。

 だから うれしい時は しっぽをぴんと立てるだけにして

 振らないことにしたの」ゴン


「そうか。そのリボンはだれが?」ボロン


「コンラッドの提案で ミューズが結んでくれたの」ゴン


「そうか よかったね。

 よく似合っているよ」ボロン


「ありがとう♪」ゴンは嬉しそうにしっぽをぴくぴく動かした。


「今度 コンラッドのしっぽにもリボンをつけようか?

 だって コンも うれしい時にしっぽを振るモノ」ゴン


「うーん・・ コンのしっぽは揺れても事故は起きないんだけど」ボロン


「んん」


「だめだよ ドラゴンのしっぽを変化させては!」ボロンは慌てて言った。


「ざんねん!」ゴン


「いいもん いつか 大きくなったら フェンリルに変身するもん!」ゴン


「そうか 大きくなる楽しみがたくさんあっていいね」ボロン


「ところで 僕 昨夜素敵な夢を見たんだ」ボロン

ボロンは見た夢の説明をした。


「わーお

 ボロンの怖がりをなくすには、僕が君を落とさないように飛ぶだけではなくて

 君が落ちても ちゃんと僕が受け止められるように練習しておけばいいんだね。

 今度 スカイが帰ってきたら 一緒に練習しようよ。

 わーい 愉しみが増えたぁ!」


思わずしっぽを振って リボンを吹っ飛ばしたゴンであった。


「んんん 信頼できる仲間ができた喜びと感謝を伝えたかったんだけど・・」

ボロンはちょっと困った顔でつぶやいた。


「それくらいわかってるって。

 君の中では 僕はおっきくて 小っちゃくて、

 小っちゃくても大きい存在だってことは」

ゴンは リボンを拾ってきて テーブルの上にポトリと落とした。


「食べ終わったら また リボンを結んでね♡」ゴン

※ 土日休日は 朝8時 夜8時の2回投稿

  月~金は  朝7時の1回投稿です

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