家禽の世話(七面鳥)
家禽とは、鳥類に属する家畜のことで、飼い主の楽しみのために飼われるペットとしての飼い鳥とは異なる。
番犬代わりに飼われた七面鳥は、ごく一般的な七面鳥だった。
七面鳥の産卵時期は 環境により異なる。
暑い地域では春になる前から産卵が始まる。
涼しい環境では6月ごろに卵を産むらしい。
さらに 室内飼いをして、雄鳥・雌鳥それぞれの点灯時間を調節することにより、7月から卵を産み始めたさせたり、冬季に産卵させることもできるらしい。
12月にクリスマスターキーとして出荷するための若鳥を育てるためには
6月までにふ化させる必要がある。
一方卵を利用するために飼育しているならば、年間通じて採卵できるように
産卵時期が少しづつずらすために、親鳥をグループ分けして生活環境(点灯時間と餌の配合)を変える必要がある。
野生の七面鳥は 受精後巣作りをはじめ、10日ぐらいたつと最初の卵を産むらしいが、飼育している七面鳥は交配後翌日から受精卵を産むそうだ。
庭で放し飼いをしていると、ほかの鳥が産卵した巣の上に卵を産むこともあるという。
1回の交配で2~3週間の持続性があり だいたい12個くらいまで受精卵を産む可能性がある。
若雌は 春の産卵期に30~40個の卵を産む。
産卵数を増やすために 巣から卵を取り上げて、いつも巣の中にある卵は2~3個の状態にしておくと、雌鳥は頑張ってせっせと卵を産み続けて、年間に100個以上の卵を産む。
しかし 抱卵によりひな鳥を孵そうとするならば、
雌の七面鳥に抱卵させるならば 1回に卵15~18個、雌の鶏に抱卵させるならば1回に8~11個が良いという。
七面鳥の雌は一般的に抱卵がうまく、巣によく気を配る。
餌を食べるときと水を飲むとき以外は巣を出ないので エサと水はできるだけ巣箱の近くにおいてやる。
孵化率はやや多湿のほうが良いので、乾燥するときは、20日目・25日目・27日目の3回くらい軽く霧吹きをするか、敷草の下の砂を前もって湿らせておくとよい。
いわゆる 梅雨時が七面鳥の抱卵に向いていると言われるゆえんである。
一方 ひな鳥は 雨にぬれたらすぐに体をふいて保温してやらないと死んでしまう。
ひな鳥には 湿った土も暑さ・寒さ・風も強い日差しも対的である。
このあたり 人間の赤ん坊と同じと言える。
七面鳥の母鳥は 1羽で抱卵数の2倍の雛どりを育てることができるそうだ。
だから より多くの若鳥が欲しい飼育場では、育雛の旨い雌鳥に2巣分の雛を育てさせ、雛を取り上げた雌鳥には さっさと抱卵なり産卵なりをさせる。
飼育場においては、雌の七面鳥の能力をみきわめて、産卵用・抱卵用・育雛用と役割分担をさせるのだ。
一方ドラゴンクランでは、最初のうちは 七面鳥まで十分に手が回らず成り行き任せにしていたが、今では、点灯による受精時期の管理はしないものの、
産卵・抱卵・育雛に関しては、雌の七面鳥の性格に応じて ちょこちょこ手を出して、それぞれの雌鳥に役割分担をさせながら、卵と若鳥を食用にいただくことにしていた。
さらに、雛や繁殖用の成鳥に与える青菜として燕麦の幼芽の栽培畑も作った。
燕麦1キロの種子で約10キロの青菜が得られる。
燕麦をまいて毎日水をやると、10日で約2~3センチまで伸びる。
これが 雛や繁殖用成鳥向けの青菜となるのである。
ちなみに クリスマスターキーとして太らせたい場合は、
収穫予定の45日前から 特別食を与えて太らせる。
Ⅰ期 最初の15日間
七面鳥が朝の散歩から帰った正午ごろに 肥育用の粒餌を与えて特別食にならす。
Ⅱ期 次の15日間
午後の散歩から帰ってきたら、煮たじゃがいも・トウモロコシの粉を水か牛乳で練って与える
Ⅲ期 最後の15日間
煮たジャガイモとトウモロコシと肥育用の粒餌をたべさせる
ラスト8日間は、Ⅱ期で与えた練り餌さを腸詰状にして、1話づつ捕まえ口から押し込み飲み込ませるのを追加する。
この嚥下作業は、まず腰かけて七面鳥を膝でおさえ、左手の親指お一刺しゆっびで首をつかみ、中指でくちばしを開ける。そして右手で練り餌さを水か牛乳で湿らせて七面鳥の口へ押し込み、首を植えから下へしごいて飲み込ませる。 しっかりと餌をごっくんしたら次の練り餌さを入れてやる。
練り餌さを2・3本食べさせたら 牛乳を少し与える。
この作業は 早朝、宿舎から出す前か、夜宿舎に入れる前に行う。
仕上げ前に 練り餌さに豚脂を少しまぜると さらに脂ののった七面鳥肉を得ることができる。
・・・
ここまでの説明を聞いたデュランは
「本当に そこまでやるのですか?」と尋ねた。
「スカイがね、コンラッドへのプレゼント用と僕たちの試食用に2羽の七面鳥をそうやって仕上げた年もあったけどね、僕には そこまでのことはできない。 だって無理やり食べさせるのって かわいそうじゃないか」ボロン
「それに 脂ののった鳥を食べたければ 何も七面鳥でなくても アヒルやガチョウを太らせることもできるからね」ミューズ
「ぼくは どっちかと言えば 脂ののった鳥肉が好きだったんですが・・
今の説明を聞いて ちょっと食の好みを変えたほうが良い気がしてきました」デュラン
「出荷前の家禽を太らせるっていうのは 一般的に行われていることではあるんだけどね」ミューズ
参考 https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/10411346_07.pdf
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