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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     ドラゴンクランの日常的お仕事
55/92

家畜の世話(ダーさん)

ダーさん小屋に行く前にデュランは 改めて注意を受けた。ボロン・ミューズの双方から。


「ダーさんの居るところでは くれぐれも言葉に気を付けるように。

 ドラゴンクランにいる動物たちは 人語を解しているかもしれないから

 館の外にいるときは クランメンバー間の会話には気を遣うようにと言ったけど、ダーさん達は 念話で普通におしゃべりに加わってくるから余計に気を付けなきゃだよ。


 しかも ダーさん達は自分達の秘密は守り通す口の堅さがあるから

 家畜であると同時に異民族の隣人くらいの心構えでつきあわないと

 どんなしっぺ返しが来るかわからない」



ダーさん達は「マイ(ほうき)」を持っていて 自分達の住処はいつもお掃除していた。


しかしダーさんの体格に合わせて箒をあつらえるのは人族もっぱらボロン


毎朝ダーさんが 掃き集めたごみを回収するのは お世話当番(ボロン・ミューズ・デュランのうちのいずれか)


無精卵を回収するとともに 生活上の不便はないか聞いて回るのもお世話当番の仕事。


当初は ダーさん一家は2家族だったが、今や子供達も分家してダーさん一家は4家族に独身区画の計5区画となっている。地上部だけで。


それゆえ 毎朝のお世話も人族三人が同時に出動する日も増えた。


何しろ順番に回っていると、だれの所が早いの遅いのと ダーさん同士で言い合いをする日もあるのだ。

 もちろん そんな風に騒ぐのは子供で 母鳥たちはそんな子供たちに「騒ぐでない」といろいろお説教やらしつけやらをしているのだが とにかくにぎやっこい。


以前は ダーさん区画の中に閉じこもっていた鳥たちだが、牛達の自主営業ぶりを見たダーさん達は、自分達も 成鳥になったら 区画の外を散歩する自由が欲しいと言い出した。


「もちろん 子供達は 父親と一緒に区画の中で過ごすことが必要です。

 安全確保としつけのために。

 しかし 私たち母鳥には 外で自由に過ごして体と心を休める時間が必要です!」

メリー&メモリー代表の言葉に メリッコとモリッコもうなづいた。


「確かに もともと君たちは 卵を産んだあとは 雌だけ別の区画に入って生活していたね。

 今は 家族単位で いつもまとまっているけど」ボロン


「そうなんです。

 だけど 夫と子供達の世話に明け暮れる生活っていうのは ほんとに苦しくて・・」雌ダーさん達。


「親子の情は大切だけど だからって 24時間365日まといつかれて頼られていては身が持ちません!

 一緒に居れば やっぱり 子供や夫のことが気になって優先してしまうのが情ってものですから」メリッコ


というわけで 雌のダーさん達のくちばしが届く所に蝶番をつけて

ダーさん達が気軽に散歩に出たり、雄どり達が仕事に出かけられるようにした。


どうして 雄どりに散歩タイムがないのかと言えば・・・

夫婦一緒に居れば 雄どりは気を抜いて子供の世話をしない。

それゆえ 雌鳥が休憩したければ 雌だけで外に出ざるを得ないのである。


夫婦一緒に居るとき 子供の世話をしない夫だけが 外に出て休憩するのはズルい!というわけ。


「ダーさんを見ていると 結婚後の自分の在り方を問われている気がしますね」

館に戻ってから デュランはぼそっと言った。


「全く同感だよ。子育て中の夫の心得その1 その2・・・ いろいろ勉強になるよ」ボロンも相槌(あいづち)をうった。


※ 土日休日は 朝8時 

  月~金は  朝7時の1回投稿です

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