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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
第3章 地底世界の探検 :新しい仲間
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エキゾチックカフェ

ドラゴンクランハウスでの面接を終えたデユランは ホッと一息ついた。


(せっかくだからエキゾチックカフェで食事をしていこう)とこの後の予定を決めた。


エキゾチックカフェというのは、チョコレートとカレーの店である。


そこのおすすめランチは、トロリとしたカレーにふんわりとした白パン+スパイシーなドリンクヨーグルトや、甘いミルク紅茶 (チャイ)・さわやかなフルーツ入りティーのうちどれか1種類の飲み物+チョコレートのデザートがセットになっている。



店内には、客が注文した料理を調理する過程で出てきたスパイスやカレーの香りが漂っている。

客は そうした香りを楽しみながら 自分が注文したカレーが出来上がるのを待つ。


 客が多い時は 店内で待つ時間も長くなるが、その分 いろいろな料理の香りを楽しむことができるから、満腹感に悩まされる心配なく何種類もの料理を鼻で楽しむことができる。


中には スパイスの刺激が苦手だが、その香りは楽しみたいというチョコレート好きの客もいる。


 カレーによって刺激された味覚が よりチョコの味わいを深め、口の中を穏やかにしてくれるとチョコとカレーの組み合わせを喜ぶ客もいる。


そういう 五感を震わせるコラボ好きが集う店、それがエキゾチックカフェである。



エキゾチックカフェのもう一つの特徴は、カレーに白パンが添えられていることである。


一般的な店のカレーには、ライスやナンが添えられている。

 ライスやナンの表面を包み込むようにカレー味の汁気がまとわりついて口の中に運ばれる。


其れに比べてフワフワの白パンは、カレーの旨味をぎゅっとパンの中に吸い込みお口へと運んでいく。

 だから カレースープの刺激が舌をいじめることなく、

 うまみだけがほんわりと口の中で広がる その感じがいいのだ。


 たとえて言えば 山崎のふんわり肉まんの皮、それは広州や天津で売られている華饅いうふんわりほんわりとした甘みのある肉まんの皮にもにているのだが、そのフワフワ肉まんのうすーい外皮をめくって、中のふわふわさんをむき出しにして、ソースをしみこませて食べるときのイメージである。


 白パンの欠点は 焼きたてでないとおいしくないということ。

  焼いて2時間もすれば固くなり酸っぱさが出てくることもある。


だから カレーに白パンが出てくるのは平日のランチタイムオンリーで、白パンの販売個数もきっちりと決まっており売り切れ御免である。

 それ以外の時に 白パンを食べたければ、予約が必要である。


 というわけで エキゾチックカフェのランチは極上のサービス価格で提供する極上の限定品だ。


それゆえ、王宮科学院勤めのデユランには 休暇中でもなければ食べることのできないエキゾチックカフェのランチ(白パンつきカレー)であった。




デュランは食前酒の代わりに キリっと冷えた梨のジュースを頼んだ。


王都では最近、料理の前に酒を勧めるのではなく、ノンアルコール飲料が充実した店が人気である。

 のんびりとランチを楽しみ 午後からの仕事に備えたい者にとっては、

 食前酒よりも ビタミン豊富な あるいは味覚を刺激する軽い飲みモノのほうが良い。


デユランは 店内に漂うスパイスの香りを楽しみながら、面接の結果に思いをめぐらした。


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