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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     ゴンとノーム
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地中世界での牧人達

地中世界への移住を決めた牧人は

 サンドラ(女) アレク(男)の仲良しカップルと

 セーラ(女) フレド(男)の中年夫婦であった。


最初コンラッドは若者4人を地中世界に連れて行こうと思ったのだが、

ある程度社会経験や技術のある者を連れて行った方が

受け入れるノーム達も 開拓をはじめる牧人自身も やっていきやすいと双方からの意見が出て、

野心的な若者カップルと 落ち着いた性格で分別と技術・経験の高い中年夫婦が地中世界に行くことになった。



「うわーまぶしい!!!」

「うわー うすぐらい」

光の洞窟とノームの洞窟についた時の牧人達の感想である。


「地中でも 見るに困らない程度の明るさあがあるのには驚きました」サンドラ


「こう うすぼんやりしているけど 作業をするのに困らない程度には見える

 見えるけど はっきり・くっきりとした明るさではないという微妙さ!」アレク


「そして 眼が痛くなるようなこの輝き!」光の洞窟についた時のフレドの感想

「牧場まで降りて来ても まだ 瞼の奥で光がチカチカしている感じ」セーラ


「そうだろう そうだろう わしらノームだって 光の洞窟の明るさが突き刺さるように感じられるのだもの。地上から来たお主たちも 同じ感想とは 親しみがわくな」ボンボン


「ようこそ 洞窟へ。

 私たちは 眠る時は ランプを部屋の外に出して 出入口にカーテンを引くことにしているんです。

 光石の明かりは まっすぐ遠くまで届くので、覆いをしても、隙間から光がさしこんで ちょっと辛いなって感じるときがあるんですよ」ダーさんのメイ


「は はじめまして。 これからよろしくお願いします」牧人達


「ふふ しゃべる鳥におどろきました?」もえ


「はい」牧人達



コンラッドは牧人達に、以前コンラッド達が使っていた寝室の利用を勧めたが

そこは光の洞窟につながっていて落ち着かなかったので、

牧人達は、地中2F の牧場につながる二つの小洞窟を自分達の部屋として、カップル単位で住むことにした。

 キッチンは 階段を登って昔からあるノームの台所を使った。


ノーム達は長い年月の間に 人やエルフよりも背が低くなってしまったが

ここのキッチンが作られたときは 人族とさほど背丈が変わらなかったので

人間達が利用するにも差しさわりはない。


「私たちも 長年ここに住んでいると背が低くなるのかしら?」サンドラ

「1万年も先のことなど 誰にもわからんぞ?」大ちゃん


「え~~ そんなに 古いんですか?ここ!」アレク


「ああ 龍が 地上にも地中にもたくさん住んでおったころからある」大ちゃん



ここで家畜のえさについておさらいしておこう。

 ノーム達は 光の洞窟で水耕栽培のすくすく葉を育てている。

 これは ノームの主食でもあり、以前は地中牧場(別名ノーム牧場)で飼っていた乳牛の餌でもあった。


 一方ノーム牧場では、ワームが作った栄養たっぷりの土をもとに「やみやみ葉」が育ち、これが 羊やダーさん達の餌となっていた。


 ワームたちは 地中でノームや家畜たちが出した有機物を餌として それらを栄養たっぷりな土に変えている。

 なお ワームたちにとっては ドラゴンと神獣から出たモノは、魔素たっぷりのおやつとなっている。

 その為、ゴンちゃんとコンラッドは、自分達専用トイレに自動システムを設置して、ワームたちのおやつが安定供給されるようにしている。


 結果的に ドラゴンクラン発足時に地上に設置したバイオマスのお役目がなくなったわけだが、

ゴンちゃんもコンラッドも、自分達の専用トイレについてあれこれ言及してほしくないと思っている。


「いやあ バイオマス原料については わしらも同じ立場なんじゃがのう」大ちゃん


「ここでは すべてが自動処理になっていて 自分達で下水・バイオ管理しなくてよいので助かります」セーラ


「しかし おやつ扱いされるにことに気恥ずかしさを感じるのじゃよ」コンラッド


「それは わかる気がするな」アレク



やみやみ葉を育てる土壌も、すくすく葉のストックもたくさんあったので、

牧人達は 地中牧場で、乳牛1頭 乳ヤギ1頭 めんどり4羽を育て、

実験的に 米の水耕栽培を光の洞窟で始めることにした。


さすがに すくすく葉オンリーの食生活に移行する気にはなれなかったので、

当面の食糧といっしょに、種もみと家畜を連れて来たのだ。


(今回連れていた乳牛は、新たに買い入れた乳牛であって、昔ゴンが捕まえて以前ノーム牧場で一時的に飼育していた乳牛とは別である。)




ちなみに乳牛と乳ヤギは 洞窟産のチーズ等乳製品原料となることが期待されている。

 もちろん乳しぼりや乳製品を作るのは牧人達の役目。

 乳と乳製品は クラン内で消費する予定。


ドラゴンクラン地中拠点(=洞窟内)を利用した稲作の利点は、

 水温・気温・日照時間を 稲の発育にとって最適な状況になるように完全管理できること


 欠点は 風がないので、受粉に人の介入が必要なことであった。


・水耕栽培なので 肥料の管理はたやすい。

 水温や気温(室温)を上げることに関しては、地熱・温泉熱を適宜利用


・日照時間に関しては、光の洞窟で育てて 随時箱をかぶせて光の当たる時間を調節することとした。

 (光石を毎日 置いたり・どけたりするよりは、稲を育てている区画をがばっと覆ったり 覆いを外す方が簡単だったのだ。

 もちろん そのための設備作りには ボロンとミューズも参加したのだが)


・そして 初年度は手作業で受粉を行なったが、今後は 送風機を利用することも考えている

 蜂を使っても良いのだが 蜂が魔獣化しないか?と言う懸念もあり、

 その対策として コンラッド達が定住している必要があるので、

 とりあえずは 牧人達におまかせできる送風機がいいかな?と思っているクランメンバーたち。


「僕の一吹きでよければいつでもやるよ♪」ゴン


「失敗するわけにはいかんから まずは 地上で予行演習をたっぷりしてからだな」コンラッド


「ソフトブレス習得までの練習場所を用意できればいいんだけどね

 それをどういう形にすればいいのか 今すぐには思い浮かばないなぁ」ボロン


「なんで 僕がなにかしようとすると すぐに練習場づくりの話になるんだよ~!」ゴン


「それだけ ドラゴンと人族との暮らしを両立するには 双方に気遣いと努力が必要なんじゃよ。

 ほどほどの距離感をもって生活するか、

 一緒に何かをするために あれこれ考えて準備するか、とな」コンラッド


「ふぇ~ん。 ボロン達が龍に変身できたらいいのにぃ~~」ゴン


「俺も たまには変身して お前と一緒に空を飛びたいよ。」ボロン


「夢物語は 夢物語として楽しもうぞ♡」ゴン


(参考)

 安定生産のための栽培のポイント  https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/aom5-7.pdf )


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