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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
     ゴンとノーム
35/92

ダーさん一家

コンラッドの遠吠えが、外輪山や内輪山に反響して、龍の里にいたダーさん一家のうちタマゴさんが驚きのあまりタマゴ詰まりをおこしかけ、

その一方で 遠吠え事件の翌日には、ゴンがノームの飼育場で生みたて卵を使ったミルクシェーキを飲んでいると聞いてあれって思った皆さまのために ご説明申し上げます。

龍の里で暮らし始めたボロンとスカイが、里の外に行って購入してきたのが

後にタマゴさんと呼ばれるようになったダーさん(雌)。

この時ボロン達は街道で清明と出会ったのだった。


このダーさん雌は毎日無精卵を産んでクランメンバーの食卓を潤す一方で

ボロンの為の騎獣としての仕事もしていた。


翌年、クランの食糧事情も豊かになってきたので、二番ふたつがいのダーさんカップルを購入し、繁殖させることにした。


この二組のカップルは一度に二個の卵産んで一家を構えた。

翌年、メモリー組が第2子として雌雄を一羽づつ産んだ。

その2年後には メリー組がおなじく雌雄1羽づつの第2子を得た。


 妻   ・夫    :第一子           ・第二子

 メリー ・オットー :メリッコ(雌)・メリオ(雄)・メイ メオ

 メモリー・オットット:モリッコ(雌)・モリオ(雄)・もえ トット


このダーさん達の第一子の子育て中に、もともとおしゃべり好きなドラゴンクランのメンバーとの間に 念話での意思疎通が成立してしまい、

「ダーさんは無精卵を提供し、騎獣としての務めをはたし、クランの秘密を守る

 クランメンバーは クランメンバーとなったダーさんを食べない」と言う契約を結ぶことになった。


ドラゴンクラン地中部の一員として 最初に地中暮らしを始めたのはタマゴさんだった。


メリッコ達4羽のひな鳥たちは、4羽の親鳥たちの共同子育てによりすくすくと育った。

そして 夜目の利く騎獣になるために、タマゴさんの元で地中世界生活も送った。

その時、(メリッコ・モリオ)(モリッコ・メリオ)のペアにして 順に研修生活を遅らせた。

その結果 メリッコ達は 地中世界の影響で一般のダーさんよりも早熟になってしまったのか、

あっさりとカップリングしてしまった。


一方メモリーさんの第2子は、兄妹一緒にタマゴさんの元へ研修に行ったら、

今度はタマゴさんとトットが婚約してしまった。

 タマゴさん曰く、「私もそろそろ 自分の子供の世話をしたくなったので。それにトットはお母さん似のやさしさと、育ての親でもあるメリーさんのしっかり者の性格の両方を引き継いでいて、イイナって感じるところがありましたから。でも後任者への引継ぎはしっかりとしますわ。」


モエは「相手がいないんじゃあ どうしようもないしね。私は無精卵を産む職業婦人として頑張るわ!」

というわけで モエはそのまま地中世界に残って、タマゴさんから地中世界での心得などいろいろ教えてもらうことにした。


トットは一足先に地上に戻り、パパどりになるための心得などを両親から学ぶことになっている。

もちろんメリオ達も婚約はしたものの、騎獣として訓練や 親鳥になるための心構えなどを

両親たちから特訓を受けている真っ最中だ。

そしてメリッコとモリッコは地上で無精卵を産みながら、体内の魔素が減少するのを待っていた。


そうこうするうちに、メリーが2度目の産卵をした。

 今回だけは、メリオとモリオもメリッコ・モリッコも、抱卵の実地訓練とばかりに卵を抱かせてもらえた。


おかげで 翌年 メリッコ達は自信をもって産卵し、第一子を迎えることができた。

この時 2組の若夫婦の抱卵・子育てを 初孫を迎える祖父母達が全力でサポートしたのは言うまでもない。


一方、メリーの第2子メイとメオの地中世界体験には、タマゴさんとモエが付き添った。

メイはそのまま無精卵を産む有無ために地中世界に残り、メオが 体験を終えて地上に戻る時に タマゴさんも一緒に地上に戻った。


「長い間 地中でのお勤め ご苦労さんでやんした」オットーが口上を述べ、

ほかのダーさん達も整列してタマゴさんを出迎えた。


ゴン達も「いつも 魔素一杯のおいしい卵をありがとうございました」と一礼してタマゴさんを迎えた。


「どういたしまして。

 私は これから地上でのんびりと過ごして、魔素が抜けるのを待ちますわ。

 トットも良き父親となるための準備は進んでいますかしら?」

タマゴさんは 気取って答えた。


「もちろん! その日が来るのが楽しみだなぁ」トット


「トットは 体が大きくて力も強いから、一人で二輪車を引っ張ることもできるし

 騎獣としての走りもうまいよ」ボロンが太鼓判を押した。


「抱卵の時には トットに僕が付き添うから心配しないで」オットット


「抱卵体験はないけど、心得はたっぷりと教えてもらったからね」トット


「ごめんなさいね、出卵間近の2カップルの抱卵体験を優先してしまって」メリーさん


「どうかお気になさらず。

 メリッコ・モリッコ! あとで出卵体験とか色々聞かせてね!」タマゴさん


「もちろん♡

 私たちが新米ママにとして何とかやっていけているのは、

 両親たちだけでなく あなたのおかげでもあるのだから、何でも聞いて。

 そして これから またよろしくね、先輩!」メリッコ&モリッコ



このようにして、龍の庭では、5組のカップルによる レイチェルたち3羽の若鳥への共同子育てが始まった。


一方 独身雄であるメオは、地中世界で無精卵提供係をしているメイともえが、タマゴさんが居なくなって心細くなっていないか様子を見に行ったが、

「何も 心配はいりません! 大丈夫!」と 早々に地上への帰還を促されもどってきた。


というわけで、現在、地上に1羽・地中に2羽の無精卵提供者がいる。

そして今年の冬には、レイチェル達3羽の雌の若鳥たちも、夜目を養うために地中世界の研修に参加予定である。



そして レイチェル達が無精卵を産み出すころには、

タマゴさんは 産卵~子育てのための 無精卵産出休止期にはいるだろう、

しかしまた 現在子育て中で 無精卵を産んでいないメリッコ達・雌鳥が 再び無精卵提供者に加わってるかもしれない。 




(ある日の会話より)


「早い話が 地上の生き物をを地中世界に送れば、魔獣化するってことだよね。

 念話の使えるダーさんだって 一種の魔獣みたいなものだもの」ボロン


「失礼な! 私たちには理性があります!!」メリーさん


「失礼しました。ごめんなさい」ボロン


「それに 怪鳥を産まないように、ちゃんと地上に戻って 魔素の含まない無精卵を産めるようになってから、つがいとなって有精卵を産むようにしていますわ!」メリッコ


「仰せの通りでございます」ボロン


「その一方で、ドラゴンさんの健康を守るために、私たちが交代で地中世界に行って魔素たっぷりの無精卵を産んで差し上げているではありませんか」メリッコ


「いつもありがとね」ゴン


「しかも 夜目のきく騎獣としての役目も果たせるように 若鳥も地中世界で訓練しているしな」メリオ


「しかし 最近は騎獣としての仕事がめっきり減って、俺たち雄は抱卵中心になっているのがなぁ・・働き者の雌たちに比べて肩身が狭いよ」オットー


「そこは がんばって雌が産まれますようにと念じてつがいの役目をはたさなくちゃね」モリオ


「えっ お前そんなことできるの!\(◎o◎)/!」オットー


「だから 僕たちの子供は 雌ばっかりでしょ」自慢そうに胸をはるメリオ


「タマゴの受精分けは 君たち第二世代に任せるよ。

 俺には無理だから」オットット



というわけで 現在ダーさん一家は第3世代まで育ちつつある


・タマゴさん・トット:婚約中

 現在、番になるためにタマゴさんは地上で魔素が抜けるのを待ちつつ無精卵を産んでいる


    親    :第一子

・メリッコ・モリオ:レティ(雌)・レイチェル(雌)


・モリッコ・メリオ:モーリー(雌)


独身雄:メオ


無精卵提供者:メイ・もえ(地中生活中)


「あのさぁ、気合を入れて、レティ・レイチェル・モーリーの3羽の女の子を産んでくれたのはうれしいだけどさぁ、いずれはお婿さんも必要になるから、

次はトットもモリオとメリオも雄を1羽づつ受精させてね。

もちろん 第二子の出産は急がなくてもいいけどね」ボロン


「うわー 計画出産って その時の産み分けだけじゃなくて 一族全体のバランスを将来にわたって考えないといけないなんて めんどくさー」メリオ


「第三子を作る時は 自然の成り行きに任せようかなぁ」モリオ


「子供を作ることだけじゃなくて、子供を教育することもしっかりと考えて レティ達の子育てを頑張ってください!」メリッコ


「当分 第二子出産予定はありませんから!」モリッコ


「「はい!」」メリオとモリオは、片羽を上げて メリッコ・モリッコにこたえた。



その夜 コンラッドはボロンに言った。

「実のところ 魔素の豊富なダーさん卵は ワシやスカイとミューズの健康維持に有効だから、この先 生まれてくるヒナが全部雌で 地中部でせっせと無精卵を産み続けてくれてもかまわんのだが」


「あっ だったら僕は余計なことを言っちゃいましたね」ボロン


「それもこれも ダーさん達の出産間隔にもよるからな。

 計画出産に長期的展望が必要なことを教えるという意味では、良い指摘だったといえるな」コンラッド


「家畜とコミュニケーションしちゃうと、間引きのために食用にしようなんて言えないので、こっちも頭が痛いですねぇ」ボロン


「まったくだ」コンラッド


「「これからも ダーさん雌が気前よく無精卵を産み続けて、わけてくれますように!」」ボロン&コンラッド


※ 土日休日は 朝8時 夜8時の2回投稿

  月~金は  朝7時の1回投稿です

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