地中世界 (付 地底イメージ図)
パパ達が大人の問題で頭を悩ませていた頃、ゴンは大好きな大ちゃんをはじめとするノーム達と一緒におしゃべりを楽しんでいた。
ここで 少しドラゴンクラン地中拠点の地理をおさらいしておく。
地中拠点では ノーム達が暮らしている。
地中拠点の中心は光の洞窟である。
光の洞窟は 壁面から放たれる強い光を利用して「すくすく葉」の水耕栽培をしている。
このすくすく葉は ノーム達の主食でもある。
光の洞窟の周囲には熱泉を利用した風呂場や、ゴンやボロン達が冬の間使う寝室、調理室などがある。
生まれたてのドラゴンは寒さに弱いので、ここは ゴンの避寒地でもあった。
この光の洞窟からトンネルを通って地中の台地に出ることができる。
この地中の台地の一部は 地底世界に向かいに向かって張り出しているので第2の張り出し岩と呼ばれている。
なぜ「第2の張り出し岩」と言うかと言えば、この大地の斜め上の方に、
「第一の張り出し岩」があるからだ。
この「第一の張り出し岩」には 昨夜ゴン達が入った大温泉プールと床暖付き脱衣場がある。
この第一の張り出し岩の背後のがけには、断層にように切り立った亀裂の出口がある。この亀裂は 張り出し岩の背後の地中の奥から走ってきている。
亀裂の底は急流である。
背後のがけから流れ出している川は、「第一の張り出し岩につながる第一の台地」を横切り、温泉とは 反対側の台地の端から さらなる地底へと滝のように流れ落ちている。
一方「第二の張り出し岩につながる台地」の奥は、人間が立って歩ける程度のトンネルにつながっていた。
このトンネルは 光の洞窟につながっている。
(地底イメージ図
緑色の部分は地底世界の底=地面
白の部分は地底の地面における崖のラインを示す
実際のがけ面は垂直ではなく凸凹 湾曲しており、
多数の洞窟や大きなくぼみから張り出す岩がある
この図では第一の張り出し岩と第二の張り出し岩の水平方向における位置関係を示す
亀裂だけは水平位置と高さのイメージで描いている)
第一の張り出し岩の一部は地底の地面までつながっているので第一の台地とも呼ぶ)
ゴンが1歳の時は、このトンネルを使って第二の張り出し岩から光の洞窟に入ることができた。
しかし最近は、ゴンの体がトンネルにつっかえてしまうので、ゴンお得意の転移魔法を使って、第一の張り出し岩から光の洞窟に直接移動することが多い。
もちろん光の洞窟から第2の張り出し岩まで移動するだけなら、ゴンが自分の体を小さくしてトンネルの中を飛んでいくこともできるのだが、第一の張り出し岩から光の洞窟まで行くのなら、大きな体のまま、地中の絶壁沿いに飛んで、第一の張り出し岩に行って、それから体を小さくしてトンネルをくぐるなんて手間暇・危険を冒すよりは、転移したほうが簡単なのである。
ただし、ご多聞に漏れず、転移するときには 転移先にモノがないことが安全の基本条件なので、今では 光の洞窟の端っこに、転移場(空地)を用意している。
そして転移前には コンラッドから大ちゃんに連絡を入れることにしていた。
転移魔法はゴン0歳の時から使えたが、ゴンの念話力は まだ限定的だったので、長距離念話は コンラッド頼みであった。
それに まだ 幼児さんなので お出かけの時には 家を出る前後に親同士で連絡を取り合うのがお約束なのは 人もドラゴンも同じである。
・・
「ただいまー。今日は僕一人で来たよ」
ゴンは光の洞窟の中に立って、呼びかけた。
「よっ お帰り。よく来たな」
コンラッドから連絡を受け、ゴンの到着を待ちながらすくすく葉の手入れをしていた大ちゃんは 転移してきたゴンを暖かく出迎えた。
「今まで いつもコンラッド達と一緒におでかけしていたから、
今日みたいに 僕一人で来たのは 初めてなんだ♡」
ゴンは ちょっぴり得意げに言った。
「そうか そうか。 初めてのお出かけの場所に うちを選んでくれて光栄だ」大ちゃん。
「ほかの者達は 下に居るんだ。
よかったら 下で一緒に一杯やらないか?」大ちゃん
「うん。こっから転移するね。」ゴン
「ああ だったら5分後に転移してくれるか?
俺が先ぶれするから」大ちゃん
「わかった」ゴン
光の洞窟を地中1階とするなら、その下が地中2・3・4・・階である。
現在地中2階が、羊の飼育場&ダーさんとノームの居住区
地中3階がワームと廃棄物処理場&肥料づくりの場所である。
地中1階と2階は光の洞窟と食堂との間にある階段でつながっている
地中2階と3階は、階段&滑車を使った昇降機(荷物用)で行き来する。
ノーム達は最初のころは 光の洞窟につながる小部屋で生活をしていたのだが、
やはり まぶしすぎる光の傍では居心地が悪いからと、今では地中2階の牧場を囲む壁面に穴を掘って、そこで生活をするようになっていた。
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