牧人をめぐって
ゴンの相手をノームの大ちゃんに頼んで、コンラッド達3人組は 牧人の処遇について話し合った。
「将来的には 龍の里に牧人の家族が住み着いて、農業や畜産・林業などを行うのは良いと思うんだけどな。」ミューズ
「しかし ここは 魔力のおかげで通常よりも繁殖力が強い。
牧人には人間の血も流れているから、どん欲さに火が付くのが心配じゃ」コンラッド
「そこまで人間不信なことは言わないけど、やっぱりここで暮らすと よそでは暮らせなくなるよね、いろいろな意味で。
それに 牧人の繁殖力まで上がると 人口過剰になってしまう><」ミューズ
「出稼ぎみたいな形態はだめなのか?」ボロン
「最初は それを考えておったのだがな、一時的な飢饉ではなく、牧人の里の人口過剰状態による食料不足なら、村を分割せざるをえんだろう・・」コンラッド
「それのどこが問題なんだ?」ボロン
「たとえば スカイが3歳以後暮らしたが牧人の森の端に新たな村を作るとしたら・・必然的に牧人の目が森の外に向く。
王国とは逆方向の場所に牧人の里を新たに作るとしても、牧人が森の外にも世界があるということを身近に感じて、森のふちにそって移動を始めると・・結局王国に行きつくだろう。 それが心配なんだよ」コンラッド
「コンラッドって ゴンには過保護だけど、人族に対しては けっこう行動制限とか目隠しとかしたがるよね」ミューズ&ボロン
「まあな」コンラッド
「どうして 牧人の里の今の位置を起点に拡大したらだめなんだい?」ボロン
「森の中心から切り開いていくと、森全体が伐採地の周辺から枯れていくからな。
枯れ木を切り出すと さらにその周辺が枯れていく
だから むやみと里を拡張したり、道をつくってはいかんのだ」コンラッド
「確かに それはあるねぇ。斜面だとまだしも、平坦なところを切り開いくと 土地が乾燥しすぎて周りの木が枯れたり虫や病気にかかりやすくなることもある」ミューズ
「だから あ奴らの人口増加に伴う居住地を拡大するには、自然と調和した開拓のやり方を指導する必要があるのだが、今は わしもミューズもゴンの側をはなれるのはな・・」コンラッド
「気がすすまないね。
あの子が力の制御を身に着けるまでは スカイも含めて僕たち魔法使い3人のうちの2人は常にゴンの側についていないと 不測の事態に対応できない」ミューズ
「しかも あの子には伸び伸びとした子供時代をすごさせてやりたいからな
牧人を 龍の里に住まわせたくないのだよ。
2・3か月程度ならよかったんだが」コンラッド
「じゃあ どうすればいいのさ?」ボロン
「八方ふさがりじゃよ」コンラッドは 長々とため息をついた。
「いっそ スカイに協力を頼めば?」ミューズ
「うーん スカイにさらなる重荷をかけたくないが・・・やむおえぬかのう・・・」コンラッド
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