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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
第2章 牧人の里とドラゴンと地中世界
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テントの中で

洞窟温泉に入ってのんびりした後は、温泉から少し離れた場所でキャンプをした。


なにしろ ゴンの体が大きくなったので、温泉の側の床暖広場が、ゴンの体洗いでびしょびしょになっていたから。

 「地熱で ぬれた床も早く乾くかなぁ?」ボロン


 「どうだろ そこまで床は熱くないと思うけど」ミューズ


温泉から離れると 洞窟の中の台地は少しひんやりとしていた。


そこで 昔 ゴンの為に作ったゴン専用寝袋の拡張版の中に入って みんなで一緒に寝た。


が しかし・・ やはりゴンの寝相は悪かった。

 ボロンは 最初からゴンの背中の上に乗っかって寝ていたのだが、寝返りを打つゴンに跳ね飛ばされた。


 ミューズとコンラッドは危険を察知していち早くテントの外に転移した。


というわけで ボロンとミューズとコンラッドは 昔 ゴンのために作った専用寝袋1号の中に納まって眠りなおすことにした。


 「ついつい ゴンにせがまれるままに 一緒のテントで眠ったが 危なかった」コンラッド


 「やっぱり こどもだもの、寝相は悪いね」ミューズ


 「やはり ゴンの添い寝は ぬいぐるみのキューちゃんにお任せするよ」ボロン


 「それにしても コンラッドって フワモフだねぇ。

  今夜のことを知ったら スカイはうらやましがるかな?」

ミューズは コンラッドの背中をなでてから 少し離れたところに寝た。


 「コンラッドの足の間は スカイとゴンの専用席だね」

ボロンはニコニコしながら相槌を打った。


「ねえ コンラッドが小さい時ってどんなだったの?

 コンラッドのパパやママの思い出を教えて?」ミューズ


「わしは 神獣だから そんな昔のことを覚えておらんわい。

 そもそも両親なんていたのだろうか?」コンラッド


「もしかして 神獣って 大人の形でポンと生まれてくるの?」ミューズ&ボロン


「さぁー?」コンラッド


「コンラッドは 育児方法をどこで覚えたの?」ミューズ


「ほかの生き物の親子の姿を見ておれば 自然と覚えるものではないか?」コンラッド


「僕は 一人でさまよっていた千年の間 親子の姿を見た記憶はあまりないな」ミューズ


「そりゃ お前さんにとっては ほかに興味のあることがあったからじゃろ?

 おおかた 大人をびっくりさせたり 気を引くことに忙しかったのじゃろう?」コンラッド


「もう!ひどいこと言うね!

 僕は 友達が欲しくて探してただけだよーん!」ミューズ


「フェンリルを知らん者どもは わしを ただの犬と思うのだ。

 そして 犬とぬいぐるみの区別もつかぬ幼き者どもがよってくるから

 必然的にその親たちとも知り合うことが多かったからな。

 暇な時は うっかりすると子守り犬扱いされることも昔はあった。


 今はそれが面倒で 町には近づかんことにしておる」

コンラッドがぼそっと言った。


「その点 僕は美形男子だったから、人さらいに狙われるは、

 有力者から眼をつけられるわ さんざんだったな。

 

 ほら エルフって成長が遅いからさ、10代の少年に見られた期間が長くてねぇ

 せめて20代なら 女性からモテたのかもしれないけど

 10代だと 御稚児さん趣味の男たちがうるさくってさぁ

 それで 女に変身したんだよ。

   大人の女性に」ミューズ


「なぜ そこで大人の男に変身しようとは思わなかったんだい?」ボロン


「だって 大人の男の外見って職業と結びついているから

 見てくれをかえたらそれらしいふるまいをしなくてはいけないから面倒じゃないか。

 その点 男中心社会の女性ってのは、男基準の「女」イメージの格好してれば中身は問われないから 化けるのが簡単だったんだ」ミューズ


「そういうもんか?」ボロン


「そういうもんだよ、人間って。」ミューズ&コンラッド


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