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ドラゴン・クラン(Ⅱ )よちよち編  作者: 木苺
第2章 牧人の里とドラゴンと地中世界
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洞窟温泉と泡泡泡

幻想的な光のともる洞窟温泉は 今日も静かだった。


オフロスキーの習性で ゆったりと広がる温泉と湯気を見ただけで入浴したくなる3人組


ボロンは早速 二個の脱衣かごを取り出した。


ミューズは 濡らすと柔らかくなる特大コンニャクスポンジと

柄杓ひしゃくとくしとブラシを取り出した。


「そこに座って」海パンいっちょになったミューズがゴンに言った。


「あれ?ミューズの体 いつの間にか男になっている」ゴン


「ああ 周りに影響を及ぼさない変身魔法を覚えたからね(注)

 久しぶりに男に戻ったよ」ミューズ


「ミューズは ここに来てから かなりたくさん魔法を覚えたんじゃないか?」ボロン


「そりゃあ スカイとコンラッドという大魔法使い2人と一緒に暮らしていれば 学ぶことは多いよ。

 それに 二人とも 良き教師だしね」ミューズ


「僕はもともと独学だから、魔法の知識は豊富だけど、コントロールの練習が一人ではうまくいかなくてね。

 それで トラブル多発だったんだ。

 でも なんやかんやと面倒がりながらもコンラッドが練習場所を用意してくれて、

 コンラッドやスカイが練習に付き合ってくれたおかげで

 知ってた魔法は全部コントロールできるようになったし、

 ここの環境にあった新しい魔法もいろいろ学ぶことができた」


ミューズの説明を聞いて 眼を丸くするゴン

「勉強って やっぱり知識だけでなく、練習に付き添ってくれる人も必要なの?」


「そうだよ」ミューズ


「実生活では ゴタゴタしたものが多いからねぇ。

 そういうゴタゴタを取り除いて成功しやすい環境を整えたのが練習場所だし、

 自分一人では気づきにくい癖とか見落としとか、言葉では言い表しにくいコツを指摘してくれる教師がいるのといないのとでは大違いだよ。」ボロン


「それに 失敗した時のダメージが大きいと ダメージ回復・修復にも時間がかかるから、失敗を止めてくれたり、失敗の跡片付けを手伝ってくれる師匠が居たほうが、繰り返し練習できるんだ」ミューズ


「そうそう よくいじわるな先輩が、「知識しかない奴はダメだ」とかって後輩いじめをするのは卑劣な行為なんだよ。


 知識だけでは上達できないからこそ 良き指導者が必要なのに、指導もせずに、

 学習者が自力でできる唯一の学習形態である知識の習得を頑張ったうえで

 誰かの手助けが必要な練習の時の師を求めると

 その努力を踏みにじって学習者の才能をつぶすために ああいうセリフを吐いて

 その人の練習の機会を奪った上に人格まで否定するんだから、

 そういう輩を「先人から引き継いだ技術を隠匿する泥棒の寄生虫 

 後輩や同僚の未来をつぶして技術の継承を途絶えさえる=『先人の足跡を汚すろくでなし』っていうのさ」


「ボロンって そういう事柄に関しては めちゃくちゃ口が悪いね。なんか根深い恨みがあるのかい?」ミューズ


「そりゃあ 人生 いろいろあらーな!ってやつです。

 ていうか ドワーフは公教育と徒弟制を併用することによる知識の共有を重視する社会だからさ」ボロン


そんなことを言い合いながら、ボロンとミューズは せっせとゴンにお湯をかけてゴンの毛に水分を含ませた。


「こういう時に 自動くみ上げ式シャワーポンプがあると便利だなぁ」ボロン


「じゃあ それの開発 よろしくお願いしまーす」ミューズ


二人は、交代で ゴンの毛や羽毛の部分をこする人・そこに湯をかける人に分かれて ゴンの体をきれいにしていった。


「やっぱり お湯だけだと 汚れが落ちにくいなぁ。

 植物由来のシャンプ―を使おう!」

ミューズが ゴンのおなかの毛の部分にシャンプーをかけた。


それは 人の体やフェンリルの体に使う程度ならまったく問題のないシャンプーだったのだが・・・


いくら子供とはいえドラゴンサイズで利用すると、排水池の周りに泡が立って泡が盛り上がり そこに住んでいた バイオ一族が泡の中でおぼれそうになって大騒ぎ

 くしゃみ せき 眼が痛い!!!!

 バイオ一族からの苦情殺到である


たまたまそこに 遠吠えで気持ちを落ち着けたコンラッドが到着し、泡泡を吸い込んでくしゃみ連発


泡もこもこに囲まれてしまったコンラッドは

「この馬鹿もん!」しっぽで ミューズをひっぱたいて

フェンリルの力で泡だけ(すく)い上げて結界くるんで空中に浮かべた。


ミューズもあわてて あたりに盛り上がった泡(すく)いに参加。


一方ボロンは、「ええい ままよ! こうなったら最期まで」と ゴンのシャンプー洗いを最後まで敢行した。


おかげで ゴンの体を洗い終わった時には 洗い場の回りに

結界で包まれたシャンプーの泡の塊が あちこちに浮遊して

ちょっと異様な雰囲気となった。


「なんだか カマキリの卵に囲まれている気がしてきた」ミューズ


「それもこれも」コンラッド


「見ないふり みないふり ここまで来たら 見ないふりで

 とにかく お風呂にはいろ」

開き直ったボロンは強い


4人は 一緒に とっぷりと洞窟温泉に(ひた)った。

みんなで 崖下に広がる 地底方向を見ながら。 

(注)

ドラゴンクランに加入した頃のミューズは、竪琴を奏でて 自分や周囲の人々の性別を変更していました。

それゆえ 一時期スカイに竪琴を没収され、自分の性別を男に戻せなくなっていました。


その後、竪琴を使った各種魔法の影響範囲を絞りこむ技を取得して 竪琴を返してもらいましたが

長らく性別はずっと女性形のままでした。


(ぼやき)

この原稿を書き終えて2・3週間後に↓のような事件が

 https://news.yahoo.co.jp/articles/fbf3ea68c87dcf351eefb486c2fa762e214c3852


 ボディソープの原液900キロが川に入り 人間の背丈を超える高さに盛り上がったとか><


小説の中の話を現実の事故にしないでほしいわ

リアルで環境破壊をしないでほしい><


リアル世界にコンラッドやミューズは居ないのだから><

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