下見(付:内輪山内側の地図)
コンラッドは一人になりたいと言って洞窟温泉に入りに行った。
「コンが一人になりたいって珍しいね」ゴン
「だね」ボロン
「ねえ 熱川まで行って、あそこにマイ温泉とバイオ槽を作って、シャンプーOKの天然浴場を作らない?」
ミューズが提案した。
「じゃあ とりあえず下見に行こうか」ボロン
というわけで コンラッドが一人で洞窟温泉につかって鼻づらだけを出している間に、ボロンとミューズはゴンの背中に乗って飛び立った。
・・
「ゴンの背中はフワモフで座り心地がいいね」ミューズ
「これなら 鞍がなくても安心して乗ってられるよ。
ありがとうゴン」ボロン
「どういたしまして。」
ゴンは 楽し気に羽ばたいた。
森林地帯と荒地の境が熱川である。
ここには100度近い温泉が流れている
「ねえ 川は山の回りをグルりと一周しているけど マイ浴場はどこに作る?」ゴン
「城に一番近い所か、逆に一番遠い所か?」ボロン
「一番遠い所、つまり山をはさんで城と反対側が 僕の狩の稽古場&お食事所なんだよ」ゴン
「君としては そこから近いのと離れているのとどっちがいいの?」ミューズ
「うーん あんまり近いと温泉が楽しめないし、でも一方向ばっかり固まっているのもつまらないから・・」ととりあえず荒地を1周して竜の山から見て西側を予定地にした。
「それじゃ コンラッドに報告に行くか」ボロン
「だね」ミューズ
・・
洞窟温泉に行くと、コンラッドは温泉につかったまま うたた寝をしていた。
「温泉は湯温が一定だから 湯冷めの心配がなくていいね」ボロン
「あごをうまいこと縁にのっけて鼻づら出して、足はなんとまあ側壁を掘って自分の足を伸ばして置ける場所を確保して、ほんとにコンラッドサイズに湯船を掘って
天然洞窟温泉にするなんて すごいねぇ」ミューズも感心した。
「ぼくだけ 体が大きくなって ここで一緒にはいれないなんて残念だなぁ」
体を小さくして洞窟の中に入ってきたゴンは、首を伸ばし頭をこすりつけるようにしてコンラッドをつついた。
「おっ すまん いねむりをしておった」
コンラッドは湯からあがり、素早く洞窟の外に出て しぶきがゴン達にかからぬ場所で体をブルブルして水分を弾き飛ばした。
「あのね、地上でも 僕が大人になっても みんなと一緒にはいれる大浴場を作りたいんだ。」
ゴンが計画を説明した。
「それで 浴場専用バイオマスを使えば、野外の天然浴場でもシャンプ―できるし
家畜用の水あび場も草原の中に作れると思うんだな。」ミューズ
「なるほど 家畜の水浴び場なら、湧き水とここの温泉水を混ぜて、排水用の川を境川につなげても良いな」コンラッド
「温泉にとっぷりとつかるのならば、シャンプ―も石鹸もいらぬから
洗い場の床を用意する必要もない。
実のところ 洗い場の床にはるタイルの強度について思案しておったのだ」コンラッド
「なるほどね、シャワーだと使う湯量は少なくて済むけど、汚れをしっかりと落とす為には石鹸などが必要になり、石鹸などを含んだ排水をきちんと処理するために防水床が必要だとコンラッドは考えてたのか。
なんで 今まで作った温泉方式ではだめなのか不思議だったんだ」ボロン
「重曹温泉かけながしに全身つかるなら、シャンプ―や石鹸はなくともこすれば汚れは落とせるからな。
ただ 成龍が浸れる温泉となると、大洞窟か地底の温泉しかないので、
地上で過ごすときにどうするか?と悩んでおったのじゃよ」コンラッド
「うわぁ 僕のために いろいろ考えてくれてたんだね!
ありがとう♡
だったら ぼく あこがれのシャンプー・リンスがなくなっても我慢する」ゴン
「あー 環境問題を考えると・・ すまんな」コンラッド
というわけで 牧人の里への食糧援助と、その他の問題は切り離して対処することになった。
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