ゴンのしっぽ
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ゴンは日向ぼっこをしながら陽気にしっぽを振っていた。
遠くからは ミューズの歌声が聞こえる
お日様さんさん楽しいな♬
お花はルンルン楽しいな♡
最近 ミューズは 歌の効果を適度に抑える術をものにした。
それからは 毎日のように作詞作曲ミューズの即興曲を作っては歌っている。
「ミューズの歌って いつも 雰囲気ぴったりで楽しいねぇ」
ゴンは 書斎で事務処理をしているボロンに念話を送った。
「ねえ ボロンもこっちに来ない?
書類机ごと転移させようか?」
「やめてくれ! 君が幸せそうな姿を見るのは好きだけど
君が ご機嫌にしっぽを振る傍にいると大惨事になるんだ!」ボロン
ボロンとゴンの念話に気づいていたミューズが会話に加わった。
「そういえば ゴン 君のしっぽの長さは 今どのくらいかな?
計ってあげようか?
ボロンも こっちに来て手伝って♡」ミューズ
「仕方がないなぁ」ボロンが書斎の椅子から立ち上がったところをゴンが転移で引っ張った。
「しっぽの長さ1m」ミューズ
「根元の直系60センチ!」ボロン
「えっ!僕のしっぽ そんなに長いの?
それに足の太さとそんなに変わんないんじゃ?しっぽの付け根・・」
だんだん声が小さくなり
「僕って おデブなの」ものすごく小さな声でつぶやくゴン
「長いしっぽを支えるには、付け根の太さがこれくらいでもいいんじゃないか」
ミューズは ゴンの足をポンポンとたたきながら慰め半分励まし半分の声で言った。
「よかった!」ゴンは嬉しそうにしっぽを振る
ミューズは ひょいとかがみ 頭上を通過するしっぽの風圧は 魔法でさりげなくかわす。
「あー 風速計と風圧計と 撮影機と分析機と物理の本が欲しいよ」
ボロンは嘆く
「何言ってんの?」と言う顔で首をかしげるゴン
ボロンの心の悲鳴に反応したかのように コンラッドが姿を現した。
フェンリルのコンラッドは 地下にあるノームの牧場で 昔馴染みとお茶をしていたのであった。
「なんじゃい 騒がしい!」コンラッド
「コン! この子にしっぽの威力と僕達のか弱さをどうやって説明したらいいのか悩んでいるんだ」ボロンは コンラッドに救いを求めた。
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