第二話・開戦
翌日の朝、大和が入渠しているドックや付近の軍施設は早朝にも関わらず騒がしかった
しかし定期点検もなく、また公試運転もすべて終了した大和にとって今日は休日である
「こんな朝早くから騒がしいな〜・・どうしたんだろ」
艦橋のさらに上にある主砲測距儀のてっぺんから降りて甲板で話をしている技術兵たちの会話に耳をすました
「とうとう米国と開戦か・・」
「真珠湾にいた太平洋艦隊は壊滅したらしいぞ」
「空母機動部隊か、山本長官の博打が当たったってことだな」
「しかしこれで米艦隊は無力に等しくなったな」
「我が神国日本の力を見せる時が来たのだ!」
「そっか、戦争始まっちゃったんだ・・私ってば戦艦なのになぜだか嬉しくないな」
西暦1941年12月8日
南雲忠一中将率いる赤城、加賀ら6隻の主力正規空母から成る空母機動部隊はハワイ オワフ島真珠湾に停泊する米海軍太平洋艦隊を奇襲した
数百機以上の攻撃隊は停泊する太平洋艦隊に壊滅的打撃を与え、主力たる戦艦は8隻中2隻を撃沈、残るすべての戦艦にも大破ないし中破の被害を、その他巡洋艦・駆逐艦にも相当な被害を与えた。また港湾施設、基地施設、真珠湾基地航空隊にも多大な損害を与えた
しかし、山本五十六連合艦隊司令長官が示した本作戦の主目標である正規空母3隻は湾外にいたために被害を免れていた
世界初の空母機動部隊による奇襲攻撃で、日本と米国は戦闘状態に突入した
「太平洋戦争」の勃発である
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