第2話 転生
ゲームメインで書きたいけどゲームをやる前の話も重要なのであと3.4話くらい続きます……
第2話転生
「知らない天井だ」
いや、正確には知っているのだが。どうやら無事に転生できたようだ。あの出来事は夢かと思ったが、よく考えれば死んで夢を見るというのはおかしいだろう。なぜ死んでるのに夢を見れると思ったのか……疑問である。
頭の中の記憶を辿って、今の状況を少し整理してみる。
まず自分の名前は七瀬碧だ。性別は女で、年齢は5歳。現在幼稚園に通っており、習い事は特にしていない。まあ普通だな……中身が高2の男じゃなければ……。とりあえず自分の顔を見てみたい。本当に自分は美少女なのだろうか。別に女神様を疑っている訳ではないのだが、美しいと思うものは人によって違う。ちゃんと自分の考える理想の美少女になっているのか。鏡を見———
「碧ーー!ご飯だよーー!」
———ようとベットから降りて洗面所に行こうとしたところで母の私を呼ぶ声が聞こえた。……うん、鏡を見るのは朝ご飯を食べてからにしよう。お腹も空いてるし、お母さんの作るご飯美味しいし。
階段を降りてリビングに向かうと、すでに私以外の家族が揃っていた。
「碧、おはよー!」
今、私に向かって挨拶をしたのが姉の楓。4歳年上で、いつも私のことを気に掛けてくれるとても優しい姉だ。大好き(唐突の告白)。あとは、父と母がいる、普通の4人家族だ。
「碧?どうしたの?」
「な、なんでもない。おはよー!」
危ない危ない、不審がられるところだった。流石に無いとは思うが、中身が高校生だという事はバレないように生活しなくてはならない。当たり前のことだが、幼稚園生が急に大人っぽい喋り方をしたらどうなるだろうか、絶対家族からも友達からも変な目で見られる。ちゃんと年相応の喋り方をしなければ……。言わずもがな急に考え込むような事もしてはいけない。幼稚園生が考え込むようなことなんて無いだろ(偏見)。
そう、無邪気に。僕は幼稚園生なんだ。……どうやって話すんだろう……?まあなんとかなるか(適当)
「碧、今日は入学式があるんだから早く食べなさいよ」
そう言う母の声で思い出した。……そういえば今日から小学生じゃん……なんで忘れてんだよ……。
いつもよりも早めにご飯を食べ終え、洗面所へと向かう。自分の顔ってどんな感じなのだろうか。別に、今まで自分の顔を見てない訳ではないが、そこまで注意して見ていないためよく覚えていない。ワクワクする反面、不安もある。どうか美少女でありますように。
そこでふと思った。自分が美少女である確率は1/2ではないのか?と。この世には美少女とそれ以外しかいない。つまり数学的に考えれば、全事象は2通りしかない訳だ。よって自分が美少女である確率は1/2。Q.E.D。何このガバガバ理論。俺は馬鹿か。……そうかも……。
そんなくだらないことを考えていたら洗面所に着いた。別に着いたと言ってもそこまで長い距離がある訳ではないが。そして、恐る恐る顔を見てみる。
するとそこにはまごうことなき美少女が立っていた。
……え?誰?俺?え?まじ?やば。
人間って脳の処理限界を超えると語彙力失うよね。それを今理解した。
ちなみにどれくらいかって言うと、ロリコンじゃなくても惚れるレベル。かくいう自分もやばかった。それはもう目の前にいる美少女(美幼女?)に襲いかかってしまいそうなくらい。って鏡じゃん。危ない、鏡に襲いかかるとこだった。ナイス自分の自制心。
っていうか冗談抜きでやばいぞこれ……。まだ小学生だから大丈夫だが、これから成長していったらどうなるのか......。満員電車に乗ったら絶対痴漢される。ちゃんと自分の身を守らないと。もうちょっと成長したら親に頼んで護身術習おう。
そう固く決心した碧なのであった。
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入学式が終わって家に帰ってきた。
……疲れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……。小学生のフリするの大変だった。まず、初対面の人と話すのが大変だった。一回死んでもコミュ障は治らないんだね…...泣きたくなってくる。あと、とにかく元気が凄かった。体は小学生でも、中身がおじいちゃん(※高校生です)にはキツかった。......最近の若者は元気だね......。
でも、友達は出来て良かった。まあやっぱり顔が綺麗だし、みんな話しかけても快く答えてくれた。人って顔が10割なんだね......。やっぱり人生はクソゲー。
まあとにかく第一目標であった友達を作ることはできた。あとは、友達が離れないように、頼られるように自分を磨くだけだ。頑張るぞ!
……あれ?配られた教科書見てみたらかけ算書いてあるんだけど.......?小1で習わないよね......?教科書を確認してみたらちゃんと小1って書いてあるから別の学年の教科書っていう訳でもなさそうだし……まさか……
教育水準上がってる……?
これはやばい……前世の知識使ってテストで楽々1位取る予定だったのに……。前世で全然勉強してなかったから中学生くらいまでの知識しかない。確か九九は前世では小学生2〜3年で習ったはずだから......下手したら小学生のうちに中学の勉強が終わるかもしれない......。まだ決まった訳ではないがその可能性も十分考えておかないと......はぁ……。
勉強は嫌いという訳ではないが、自ら好んでやるほど好きでもない。でも俺は「理想の美少女」になると決めたんだ。そんなこと、他の人が聞いたら変に思うかもしれない。でも俺にとっては1番重要なことだ。俺はあの子に少しでも近づきたくて美少女になった。今更引き返せるわけがない。
前世で勉強をさぼっていたから優等生になるのは大変かもしれない。学校のテストでいつも下から数えた方が早かった人が頑張ったところで学年トップになれないかもしれない。でも……
やってやろうじゃないか!早速計画立てる!
やってやろうじゃないか!(大事なことなので2回言った)
ちなみに転生した直後だと情報量が多すぎて脳が耐えられないため、少し経ってから前世の記憶を思い出すっていう設定です。神様優しい。