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タイトルどうしよう……

一応、いじめの表現があるので苦手な方は注意してください

———苦痛だった————


「ちょっと!こっち見ないでよ!汚らわしい!」

「えっ?こっち見てたの......?きもっ」


 罵倒され......


「ギャハハハハハハ!びしょ濡れじゃん!」

「おいwwwさすがにやりすぎだろwww」

「でもあいつだしwww」


 水を掛けられ......


「ちょっとお前!放課後校舎裏な!」

「もし来なかったら......分かってるよな?」

 

 人目がつかないような場所で暴力を受け......


「またシャツ汚して......洗うの大変なのよ?」

「お前、また成績下がってるらしいな?学費払ってやってるんだからしっかり勉強しろよ」

「臭い、どっか行って」

 

 家に帰っても心が休まることはない




何度死のうと思ったことか。でも、ダメだった。首を縄で縛ろうとしても寸前でやめてしまうし、ビルの屋上から飛び降りようとした時も恐怖で足がすくみ、無様にも吐いてしまった。


遺書も書いた。この世に未練もない。


———でも怖いのだ


それに、死ぬ瞬間の痛みに比べたら、今は耐えていた方が良いのではないか?もしかしたらこの世の中に1人でも自分を必要としてくれる人に出会えるのではないか?そう思うと死のうとする気が失せてくる。3年も耐えてきたんだ。高校卒業までの2年間くらい耐えれるはずだ。ここから離れた大学に入って家を出れば自分は自由の身になる。それまで我慢すれば良いだけなのだ。




———結論からいえば


無理だった———


と言っても自ら命を絶った訳ではないのだが......



—————————————————————————————————————


「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!ほんとむかつく!」


誰もいない家の自分の部屋で叫ぶ。自分に家族がいない訳ではないが、今はみんな家族旅行に行っている。なんで俺が家にいるかって?簡単なことだ、自分のことを家族だと思ってないからだ。まあ別に旅行に行きたかった訳でもないし、お金は机の上に置いてあったからこれといった問題はないのだが。というわけで、今日はありがたく日頃から溜まっているストレスを解消するのに使わせて貰おう。それくらいなら許されるはずだ、ってか許せ。


というわけで、ひとしきり叫んだ(ちゃんと近所の迷惑にならないように壺みたいなものに向かって叫んだ。効果があるかは知らない)後、自分の大好物であるチーズを買いに家を出る。


別に引きこもりという訳ではないので普通に外に出ることはできるが、1つだけ問題がある。それは自分の容姿だ。


顔は普通以下だし、両親は服を買ってくれないので中学の時から着ているサイズが合ってない服を着ている。そして極め付けは体型だ。日頃から溜まっているストレスを解消するために暴飲暴食をしている。食べている時だけはストレスを忘れていられる。その結果いつの間にか体重がやばいことになっていった。


そんな訳で、自分の容姿はお世辞にも良いとは言えない。そのせいで周りの人から距離を取られたり、あからさまに避けられたりされる。さらに、視線が痛い。チーズを買った後は、いつも逃げるようにして帰っている




「おっ?新商品か?美味しそうだな」


家の近くのコンビニに行っていろんな商品を見ていると、ある一つの商品に目が留まった。それはつい先日発売されたばかりのチーズだった。キャッチフレーズが「まるで異世界に行ったような美味しさ」である。......胡散臭い。でもチーズ好きとしては見逃せない。いつも買っているチーズを買わず、新商品の方を棚にある分買い占めた。非常に迷惑である。でも好奇心には勝てなかった......





まあそれが失敗だったのだが





そんなことは露知らず、期待を胸に家に帰るのであった。



家に帰ると早速、今日の戦利品(※チーズです)を机に並べる。


「......流石に買い過ぎたか......?よく考えれば味も知らないんだよなぁ......」


気がつけば、机の上に置けないほど大量のチーズがレジ袋に入っていた。そういえばレジにいた店員さんの顔が引き攣っていた気がする。やっぱりチーズの事になると我を失ってしまう、気を付けなければ。


まあ過ぎたことは仕方ないのでこの件は置いといて、早速チーズを食べてみる事にする。果たして異世界に行ったような美味しさなのか?......絶対違うだろ……


恐る恐る一口食べてみる……





「……美味い!!!」


何だこれは!あまりの美味しさに今まで食べてきたチーズは何だったのかとすら考えてしまう。本当にこの世界の食べ物だと思えないな……あっ、だから「異世界に行ったような美味しさ」なのか!これには嫌でも納得させられてしまう。まあ、最初から分かってたけどね(唐突な手のひら返し)


これは手が止まらない。次から次へと袋を開けて口に運ぶ。












……そして事件が起きた。











「うっ……」








チ ー ズ が 喉 に 詰 ま っ た の だ 


……いや、これは笑い事ではない。こういう時はどうすれば良いんだ?吐けばいいのか?でも、さっきから吐きそうなのに一向に出てくる気配がない。指を喉に突っ込もうにもチーズが邪魔で余計苦しくなる。水を飲めばいいのか?でも、上手く呼吸出来ずに立つことができない。台所から水を持ってくるのは不可能だろう。


じゃあどうすればいいのか……

分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない


酸素が足りてないのか上手く考えが纏まらない。思えば迂闊だった。あのチーズは結構粘性があったから、あんな一気に食べるべきでは無かった。せめて水を用意しておくべきだった。あまりの美味しさにそこまで考えが回ってなかった。……不覚だ……。



思えば人生、一回もうまく行ったことなんて無かった。中学生の時に、周りに趣味がバレてしまった時もそうだ。ただ普通に生きていたかっただけなのに、多くを望んでいるわけでも無いのに。


信じていた友達に裏切られたように、チーズにも裏切られるのか……まあいい。これでもう我慢する必要は無いのだ。そう思うと気が楽になる。そうだ、いいんだ。みんないつかは死ぬのだ。ただそれが他の人よりも早かっただけなのだ。何も気に止むことはない……何も……気にすることなんか……



いや、ある!これまで耐えてきた3年間は何だったんだ!俺は我慢した!死ぬのが怖かったというのもあるけど、いつかは救われると思って!必死に生きてきた!


……なのに……どうしてこんな事に……


本当に来世というものがあるかは分からないが、もし来世があったら……






……今度はみんなから頼られるような人間になりたいな……

最初はトラックにするつもりでしたが、友達とのノリで死因をチーズにすることになったので結構無理矢理です。後悔はしてない。公開はしてるけど(抱腹絶倒ギャク)。

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