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化け物が生まれた  作者: クラゲ&ニファシスター&ミリタリー 
9mm拳銃
6/39

 第4話 Broken everyday

俺は、普通という枠に入れたのかもしれない。




俺は、鬼に化ける必要がなかったかもしれない。































     20^^年


「よう…会えてうれしいよ」

一人の男を路地裏で拘束した。

隅には、小さな子供がいる。

「お前!」

「あの後…お前らはリオの金でたらふく儲けたそうじゃないか?」

「頼む!許してくれ!アース!」

「さぁて、質問に…答えてもらおうか?お・と・う・さ・ん」




            第一話 Collapse


路地裏に恐怖に怯える一人の男とその子供。

そして狂気に満ちた男の姿。


この場を支配しているのは誰か。

そんなものは誰が見ても一目で分かるだろう。


「さぁて...」

ナイフを取り出し、男の首にそっと添える。

この男は、リオを殺して稼いだ金で生きてきた。


「このガキは、アイツの金で太ったのか?」

「すまない!」

「答えろ!」

そう叫びながら、醜い顔を思いきり蹴り飛ばす。

男の顔は前歯がかけて、かなり間抜け面になった…

「その顔のほうがよく似合っているぞ?

次の質問だ。お前らは赤酒の手下か?」

「赤酒の傘下だ!お願いだ!…許してくれ!」

「ライトニングあたりってところか?」

「パパぁ~うえぇーん!」

子供が泣き出した。

とても甲高く、耳障りだ。

小学二年生くらい…だろうな。

「僕~ごめんねぇ?」

「パパをいじめないでぇ~グスンおまえなんかしんぢゃええ」

「そっかぁ…ところで、君の姿はまるで豚のようだね? パパにたくさん愛情を注いでもらっているんだね?」

そっと、頭をなでてやったが…さらに大きな声で泣き叫んだ。

「でもね…君のその肥えた体は、命は…パパのおかげじゃないんだ…」

「パパぁ~」

「俺の恋人の命と、人間としての尊厳を奪って得た金のおかげだ…何かいう事はあるんじゃないのかな?」

「お前なんて、パパが!パパの仲間がぶっ殺すんだぁぁぁ」

あぁ…そうか…

ため息を吐きながらゆっくりと立ち上がり…片足を軽く上げる…

「やめてくれ! 息子は、息子だけは!」

「感謝の言葉も言えねぇのか!」

まだ、骨も柔らかい少年の頭は、ブーツとアスファルトの間に挟まれ、つぶれていく。

グチャっと、汚い音を立てながら、つぶれていく。


「ありがとうございます。だろ!? 私のこの肥えた体もあなた様の彼女様のおかげです!だろ?オイ! 何とか言えよ?このクソガキァ!」

「あ、あ、あああああ!」

「…あぁ…逝っちまったから、何も言えないか…」

男が泡を吹いて倒れていた…






























「っは!」

男が次に目覚めたのは、暗い部屋の中だった。

手足を椅子に縛り付けられている。

「やぁ…パパ?」

「ヒぃ!」

失禁する男の前に、木でできた安物の机を置いた。

「ディナーだ…」

「ごめんなさい!ゆ、許して!」

俺は、そっと…彼の目の前に、盛りつけたステーキを置いた。

「食べろ。」

「も、もう許し…」

「食え。」

男は怯えた犬の食事のようにステーキを頬張る。

なぜ自分が肉を食わされているのか疑問に思い始めた頃、

「その肉は、お前の息子の肉だ…」

彼が放った言葉で、男は思わずステーキを吐き出す。

「おいおい吐くなよ…もったいねぇだろ?」

「リオのおかげでぶくぶく太れたんだ…感謝して食えよ?」

男は気が狂ったのか、

「ありがとうございます ありがとうございます」

と叫びながら食べ始める。

哀れだ。



男が食べ終わりぐったりしたころ…

テープレコーダーを置き、音声を流す。

「実はあのガキ、まだ生きてたんだ…」

録音された音声を大音量で流すと…部屋の外へと向かう…

「これから、最後の声を聞かせてやるよ」

そう言って、ドアを閉めた。

ドアの向こうから、耳障りな雑音が聞こえる。

「ぱぱあああああたぢげでええええあああああああ」

「あああああああああああああああああああああああああああ」

こんなもの、俺が食らった毒に比べれば…

なんともちっぽけなものだ。

次は誰からいこうか。


まだ相手はたくさんいる。


これは、俺の壊れた日々だ。

俺の死後の物語・・・






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