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化け物が生まれた  作者: クラゲ&ニファシスター&ミリタリー 
THE BROKEN
15/39

第七話 愛情


今日は珍しく特に任務が無かった。

特にやることもないので部隊の皆と談笑していたら

やけに上司たちが騒がしい。

何か起こったのだろうか?


「緊急事態発生。」

普段あまり聴かない放送が流れる。

「「「「?」」」」

M団K団が走っていく。

「なんかあったの?」

「しらねー」

Y団隊員がのんきに、その風景を見つめる。

「なんかいっぱい走ってて草生えるw」

「それなw」

緊張感の無い隊員をよそに、眠猫に緊張が走る。

(ゾクッ)

「隊長…」

「…」

「隊長!」

「…っはい!」

「大丈夫か隊長?らしくないな、ボーッとして。」

「あ…ごめんちょっと考え事を…」

(なんだったんだろう…あの異常な寒気は…)

(一瞬身体が動かなかった…)

寒気が治まっても、眠猫の気が休まることは無かった。





2026年 10月30日


お台場


お台場温泉を中心に、ライトニングによる銃乱射が発生。

現状まだ暴走は続いている。

自衛隊が皇室近辺を護衛しているが、

民間人の被害が大きい。





自衛隊だけでは戦力不足と判断した政府は

CEOの出動を持って事態を収束させる決断を下した。















































――――20:31――――



この光景を日本で見たくはなかった。

銃を撃つギャング、殺される民間人。

燃え盛る炎…


まるでそれは悪魔の金床、ヴェルダンのようだった。




「犬甘!」

「はい!」

眠猫部隊が市街地を走り回る。

彼らの目的は、民間人の保護とギャングの制圧、しかしこれは想像以上に困難な任務だった。

「クソっ!」

「大丈夫か?」

吉蛇が両足を損失したM団隊員に駆け寄る。

「何があったんだ!」

「日本刀を持った奴が…」

「日本…刀…?」

吉蛇の脳裏に、彼女の姿が通り過ぎた。

「隊長!」

「どうした!」

「まだ可能性でしか無いが…リーンが裏切った可能性がある…」

「はぁ!?」

眠猫が困惑する。

(まさか…そんな彼女が…?)

彼女の予想は良くも悪くも、よく当たる。

(いや…そんな…彼女が裏切る訳がない!でも…)


残酷にも、狼狽している間に戦況は変わりゆく。




――――――20:55分――――――

「Y団、それに怪獣部隊が全滅したそうだ…」

烏丸が眠猫に通信を送る。

眠猫は青ざめた。

何故なら、怪獣部隊は眠猫部隊に並ぶ最高戦力部隊だからだ。


「各員戦闘態勢! 警戒しろ!」

隊員全員が緊張する。

すると、AKのような銃を持った男たちがゆっくりと、こちらに近づく。


まだ、こちらの存在には気づいていない…



現在残存している眠猫部隊 


隊長 眠猫 

熊田 

吉蛇

副隊長 犬甘



敵対勢力


使用武器 AK?

人数


目視できるだけでも200名。



「撃て!」

「うぉっしゃあああ!」

眠猫の合図と共に、吉蛇がM16A4を敵に打ち込む、

ライトニングは数人殺され動揺したが、反撃を開始する。

次に動いたのは犬甘。

G11改良型で四人無力化した。

その様子を見た眠猫が叫ぶ。

「犬甘!フルオート射撃を許可する!」



犬甘は、少し息を荒げながら銃を撃つ。

彼女は許可されないと何もできないところがある。

眠猫以外の目入れは一切聞かない。


吉蛇が建物の小道を伝って、敵の裏側に回っていく。











―――――――――21:00――――――――――



「こちら輸送班! とっておきを降ろすぜ!」

ヘリコプターから何かが落ちる。


レイだ。


「レイ、GO」

その合図と共に、ゆっくりと立ち上がる。

「「なんだお前は!」」

銃を突きつけ、警戒するギャング達に彼女は静かに、刀を抜き切りつける。

奴らの弾なんか当たらない。


当てれるものなら、当ててみろ。


「…!」

敵を斬っていくうちに何かに気づく。

今まで体験したことのないような感覚。


強者の匂いと言うべきだろうか?。

何度も、何度も、

血を浴び、流してきた人物が近づいてきている。

――――――――――――――――――――――――――――――


「ここはなんとか片付いた…」

「はいぃ!」

「隊長! また来るぞ!」

「はぁ? どれだけいるんだ!」

眠猫部隊に近づくのは、無数のギャングたち。

部隊員の弾薬は底を尽き初め、

勝機が薄れてきた。


彼らの強さは異常である。

銃弾を躱せるほどだ。


そう思っていると、後ろの壁が崩れる。

「伏せろぉ!」

「!」

咄嗟に、伏せたメンバーの上に、何かが飛び去る。

それと同時に、爆発音が響く。


「なんだ!」

吉蛇の言葉と共に、ギャングたちが吹き飛ばされた。

「マッシンガーン!」

その言葉と共に、何者かがマシンガンを打ち込む。

「なっ! せ! 戦車!」

眠猫が見たものは6両の戦車である。

「T34!もう一つは、ティーガー!」

「んな馬鹿な!」

彼らが驚くのも無理はない。

こんな戦車が日本本土に存在するはずがない。

驚いていると、無線が入る。

「司令官!こっ、こちら愛梨隊! お台場近辺の海上にて二隻の空母と戦艦が!」

「は?」

何が起こっているのか?

全く分からないが、この戦争の亡霊は私たちの味方をしている気がした。

「もう立ち上がってよし!」

その声が上がると、ティーガー内部から誰かが出てくる。

その男は、赤いフードを深くかぶり、奇妙なマスクをしていた。

隊員全員が銃を向ける。

「あぁ~待て待て! 敵じゃない! 撃たなかったらな?HAHAHA」

「なんだお前!」

「安心したまえ! 私は、正義のアンチヒーロー! アァーンチマァ あっ! ちょっと待ってもう一回!」

「カチッ」

「は?」

戦車内部から、壮大なBGMが流れた。

「俺は、このお台場を救いに来た正義のアンチヒーロー! その名も! アァーンチマァ―ン!」

そういうと、男は続けて。

「本来なら! 敵対しているはずの俺たちだが、どうだ? 共闘しないか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





お台場の上空に、羽音がした。

「ゼロ…戦…」

「あぁそうだ!」

「お前らの素性は知らないけど…共闘してくれるのか?」

「あったりまいよぉ! ってか君! 拙者の押しメイド様の 猫にゃんにそっくりでござるな。」

眠猫隊長のメイド喫茶でのあだ名。

猫にゃん。

「そっそっそうか! ってそんなことは、どうでもいい! 民間人の手は借りれないが…我々に危害を加えないと約束するなら、我々はそちらを攻撃はしない!」

「交渉成立だな。」


―――22:15―――



レイは強者の匂いをたどった。

お台場温泉の内部にたどり着いたその時。

強い恐怖を感じる。

それは皮膚に直接感じるほどの殺気。

確実な死と言う恐怖心。


その存在を探ることにさすがの彼女も警戒する。


そうやって歩いていると、何かを見つけた。

それは、CEO Y団 忍者部隊の部員たち。

彼らはぐったりと地面に寝そべり、息絶えていた。

「クソ! クッソ! 離せ! ウあああああああああああ」

その声と共に、何かが転がってくる。

隊員の首だった。

彼女の右足に触れるまで、彼は叫んでいた。


「…!」

怖い…怖い…

そう思っていると、暗い通路の先に何かがいることを察した。

非常口の明かりがその人物の姿を見せつけてくる。


日本刀とカランビットナイフを持ち、右目には眼帯をつけている。

その姿からは想像以上の殺気と恐怖を感じた。

レイはいつもより刀を強く握りしめる。

(ゾクッ)

いつも通り…いつも通りすればいい…

いつも通り、斬り殺せばいい…




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