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0 ノットメトロヒーローズ
この物語は、すべてフィクションです。
「マーキュ…すべてが終わってしまった…」
「そうか…」
水平線に沈む、紅の光を彼らは、眺めている…
「恋人が殺されたらしいな…アース…」
「もう…その名前は捨てたんだ…」
アースの目から、涙が数滴、零れ落ちた。
「なら何て呼べばいい?」
「俺は、地に堕ちた人間だった…だが、これからはさらに堕ちることになる…」
「なるほど メトロか…いい名前だな…」
マーキュリーは、少し上を向いてこう言った。
「俺はそうだな、これから旅に出る…」
「…どこへ行くんだ?」
「さぁな…十年は帰ってこないな、次に会うのは…恐らく東京かな…」
「復讐先の場所か…マーキュ…俺の復讐相手はアンタと同じだ…」
「そうか…はは…」
マーキュリーが笑いながら席を立つ。
「もし俺の邪魔だと思ったらあんたも殺す… 俺はたった今、メトロになったんだからな…」
「…んじゃあな…俺…」