働き方改革実行部隊 御庭番参上!
御庭番とは徳川八代将軍・吉宗の勅命を受け、諜報活動した隠密である。
日本政府は2019年4月に向け、政府御庭番百数十人を誕生させたのだった。
2019年4月と言えば、改元直前である。
政府は天皇制を良しとしない政治団体の傍聴を行うため・・・
いや、そうではない。
2019年4-5月にかけてのイベントのため。
そう、ゴールデンウイーク!
この年は10連休になるのだ。
だが10連休で純粋に喜べるのは公務員だけだろう。
サラリーマンは休めるだろうが、
その前後にしわ寄せで貯時間残業を強いられるかもしれない。
それに企業業績は落ちる。
株価は下落し、夏のボーナスに響くかもしれない。
でも、最悪なのがサービス業で働く人。
飲食店や遊園地など土日のように混み合って、自分らは休めない。
経営者は笑いが止まらない。
人員を増やさず、良い言い方では「各店舗に任せる」、
でも別の言い方では、「丸投げ」だった。
そう、こういう企業を懲らしめるのが、政府御庭番。
そしてこれが、働き方改革ピーアールのための切り札だった。
4月28日日曜日。
あるファミレスでのこと。
「お待ちの星野様、3名様。
ご案内します」
ウエイトレスが不満顔の両親と無邪気にはしゃぐ男の子をテーブルに案内する。
不満なのは当然。
朝11時なのに満席。
40分以上待たされていた。
「ランチメニューです」
ウエイトレスがメニューを示すと、父親はさらに不機嫌な顔になった。
「朝飯が・・・」
遅い朝食のつもりが、ランチに。
不満顔に戸惑の色も混じっていった。
周りは混み合っていた。
でも、テーブルに食べ終えた皿はない。
コーヒーやソフトドリンク、談笑にふけっている客が多かった。
4人テーブルに一人でのんきに本を読んでいる人、
小説を書いているのかパソコンのキーをたたくを人、
スマホをにらんでいる人、人、人。
ゴールデンウイーク、2日目。
入店を待つ客が多い出入口に比べ、店内はのどかだった。
「ご注文をお願いします」
ウエイトレスが笑顔を作る。
「モーニング・ハンバーグプレート。
パン2つとライスを大盛で」
ウエイトレスが注文を復唱し、
「ドリンクバーはあちらです」
と手で位置をしました。
父親は頷く。
ここのハンバーグがお気に入り。
ドリンクバー付きで646円。
(ゴールデンウイーク中のモーニングは停止かも)
父親の不満顔はいつのまにか笑顔になっていた。
注文を取り終えたウエイトレスは急ぎ足で去っていた。
30分後、親子連れ3人は待たされている客に急かされるように席を後にした。
そして、父親は店をでるとスマホを取り出し、電話した。
この光景はゴールデンウイーク中続いた。
どの店も満員だった。
人々は不満を募らせていた。
しかし、あるコメンテイターの一言で世の中の流れが変わった。
「この混雑を楽しみましょう。
令和元年のイベントです。
あの時、めっちゃ混んでたな~、って、
いい思い出になります」
人々はみな気の持ちようだと気づいた。
そして、人々の不満顔は少し笑顔になった。
もちろんその活躍の陰には、政府御庭番いた。
彼らの活躍で、ある人はゴールデンウイーク中ずっと笑顔だった。
恩恵を受けた彼女の証言はこうだ。
「店は混んでいたけど、意外と楽でした」
とウエイトレスは証言した。
店が混んでいても、いつもよりドタバタしなかったと。
そう御庭番の正体とは・・・
長居する客だった。
コーヒーで粘っていてくれれば、彼女らの仕事はない。
店には少々打撃だろうが、ゴールデンウイーク中働かせれる者はたまらない。
ですからレストランでは食事をゆっくり楽しみましょう。
待たされている客なんか気にせず。
そして、食事を食べ終えたら会話を楽しみましょう。
店の経営なんか気にせず。
だからなりませんか、あなたも政府御庭番に。




